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品質と効率を向上させるために、BNP Paribasは基幹システムのソフトウェア開発環境を点検しています。BNP Paribasは、オープンソース・ツールを活用した最新の統合開発環境(IDE)をデプロイするため、IBMと連携することで、IBM Z ®プラットフォーム上の開発環境を変革し、コストを節約し、品質を向上させています。

ビジネス上の課題

品質と応答性を高めるため、BNP ParibasはIBM Zの開発者に最新のIDEを提供し、独自の開発環境の自律的な管理と責任を担わせることにしました。

概要と経緯

効率性、俊敏性、自律性、使いやすさが向上した開発環境を構築するために、IBM Developer for z/OS®およびIBM Z Development and Test Environmentをオープンソース・ツールと組み合わせてデプロイしました。

成果 効率性の向上
開発とテストの時間とコストを節約
自律性の向上
とツールの標準化により、開発者のエンゲージメントとコードの品質が向上
モダナイズした
環境は新しい開発者を惹きつけ、プロセスの進化を実現
ビジネス上の課題の詳細
別々の世界をつなぐ

規制緩和が進む世界市場において、既存の銀行は新たな種類の課題に直面しています。顧客は金融サービス・プロバイダーを容易に切り替えることができ、臨機応変なフィンテックの競合他社はそのことから生じる機会を利用して今後も出現し続けます。これらの課題を考慮すると、資産規模で世界第8位の銀行、BNP Paribasのような大手世界銀行は、デジタル・サービスの品質と応答性を常に向上させる必要があります。フィンテックの競合他社に打ち勝って新たなチャンスを獲得できるかどうかは、長年確立されている基幹システムと新しいフロントエンド・アプリケーションをリンクできるかどうかに部分的にかかっています。必要なスピードと効率性を達成するには、これらの基幹システムの開発プラクティスをモダナイズし、開発環境においてサードパーティ・プロバイダーを含む開発者の自律性を増やす必要があります。

BNP Paribasは、自社の戦略的コア・バンキング・アプリケーションとデータベースをIBM Zエンタープライズ・サーバー・プラットフォームのみで運用しています。BNP Paribasは、この環境がソフトウェア開発の容易さと効率性の点で銀行の分散システムに遅れをとっていることを認識し、大規模な最新化プロジェクトに着手しました。

BNP Paribasのメインフレーム部門責任者、Abdelhakim Loumassine氏は次のように述べています。「私たちは、IBM Z環境における開発者の日常的な課題を解決し、彼らの問題点に対応したいと考えていました。メインフレームしかし、より大きなビジョンは、DevOpsの原則に沿った文化の変化を生み出すことです。つまり、Zの世界とオープン・システムを統合して、開発者のために単一セットのプロセスとアプローチを構築することです」

既存の状況を見直したところ、BNP Paribasは、Zプラットフォームの開発者が、キャパシティーの制約にあっていること、標準化、パフォーマンス、使い勝手に制限のある時代遅れのツールを使用するという両方の課題に直面していることを発見しました。同行では、開発段階と機能テスト段階の生産性を向上させるために、既存のツールセットを統合することを目的としていました。また、より詳細な回帰テストを可能にすることによって最終ソフトウェアの品質を向上させ、新しく採用した開発者にとってIBM Zをより直観的なプラットフォームにしたいと考えていました。

「IBM Zプラットフォームは、並外れたパフォーマンスと回復力を実現します。私たちのインフラストラクチャーは一度も故障したこともありません」と Loumassine 氏は言います。「開発者に新しい機能を提供することで、その価値を保護し、維持したいと考えました」

IBM Zプラットフォームは、卓越したパフォーマンスとレジリエンスを提供します。当行のインフラストラクチャーは一度も故障したことがありません。私たちは、開発者に新しい機能を提供することで、その価値を保護し、維持したいと考えました。 Abdelhakim Loumassine氏 メインフレーム部門長 BNP Paribas
概要と経緯の詳細
開発の改革

基幹システムの最新化プロジェクトは当初、BNP Paribas Partners for Innovation(BP2I、BNP ParibasとIBMが対等出資する合弁会社)内で実施され、フランスの小売銀行を対象に実施されていましたが、将来的には銀行全体に拡大する予定です。このプロジェクトには4つの基本的な指針があります。それは、開発者に自主性をもたらすこと、開発者に責任を担わせて関与させること、効率化と自動化を通じて開発環境とテスト環境を最新化すること、エンタープライズ・システム環境とオープン・システム環境の開発アプローチとツールを統合することです。

「IBM Zプラットフォームにオープン・ツールを導入することで、オープンな世界とZの世界の開発者が同じ言語で話せるようにすることを目指しました」とLoumassine氏は言います。「しかし、ツールはそれ自体が目的ではありません。最終的には、新しい文化と新しい働き方という目的を達成するための手段なのです」

BNP Paribasの基幹プラットフォームは数十年にわたって構築され、プロセスとツールを着実に増やすことで、開発者用の静的な環境が構築されました。その結果、以前と同じ方法で物事を進め続ける傾向が生じたため、開発者がオープン・システムの世界で他の開発者の俊敏性に匹敵しなくなってしまいました。

「私たちは、創造的破壊を行って、基幹システム開発者の役割を完全に改革したかったのです」とLoumassine氏は振り返ります。「過去に根付いた習慣を打ち破るにはリスクが伴うため、プロジェクト全体を通じてIBMと緊密に連携しました。IBMフランスとの既存の緊密な関係を基盤に、米国のIBM Z Labsと連携しましたが、彼らは非常に迅速に対応して課題を解決できることがわかりました」

BNP Paribasは、IBM Z上で開発とテスト業務を最新化するため、新しい統合開発環境(IDE)としてIBM Developer for z/OSを導入し、柔軟な開発とテストを実現するIBM Z Development and Test Environment、さらにデータ管理のためのIBM InfoSphere® Optim™ソリューションも導入しました。同行は、オープンソースのGitツールをソースコード管理(SCM)ソリューションとして導入しており、テスト中のコード・カバレッジを測定し、環境評価中にアプリケーションをマッピングするために、IBM Application Discovery and Delivery Intelligenceの導入を検討しています。

「新しいツールを導入するに伴い、コードの作成とテストの効率性が大幅に向上していることがすでに確認されています」と Loumassine 氏はコメントしています。「長期的にさらに重要なのは、開発者に自主性とコントロールを付与することです。彼らは今、独自の開発環境を設定する責任を担っており、当行はそれらの環境に対する権限/役割を開発者に付与することができます。それは、従来のLPARではリスクが大きすぎて、おそらく不可能であったでしょう。

IBM Developer for z/OSへの切り替えからもたらされた効率性は、特に回帰テストの期間と範囲を改善することによって、品質にもその効果が反映されています。最終的には、テストを改善することで、エンドユーザーにリリースされるソフトウェアの品質と堅牢性が向上し、下流の修正の必要性が減ります。

BNP Paribasは、IBM ZサービスをRESTful APIとして公開し、他のアプリケーションから呼び出して利用するための戦略的ツールとして、IBM z/OS Connect Enterprise Editionも導入しました。「モダナイゼーション・プロジェクトによって、エンタープライズ・システム上で実行されているサービスへの理解とコントロールが向上しています」とLoumassine氏は言います。「IBM Z上で稼働しているアプリケーションやビジネス・ロジックを公開できれば、それだけビジネスや顧客に付加価値を提供することことができます」BNP Paribasは、敏捷性に優れた最新の開発プラクティスとサービスを導入したことで、ハイブリッド・クラウド戦略の中で、IBM Z上のビジネス・クリティカルなデータとトランザクションをシームレスに利用できるようになりました。

IBM Zプラットフォームの開発環境の最新化を続けるに伴い、制御、自律性、品質、速度、効率性の面でのメリットはさらに増大し、ビジネス価値が増大しています。 Abdelhakim Loumassine氏 メインフレーム部門長 BNP Paribas
成果の詳細
すべてを一元化

IBM Developer for z/OSの導入により、BNP Paribasの開発ワークスペースは完全に変わり、標準化された使いやすいなインターフェースを備えた最新の環境が実現しました。これは、SCMの事実上の市場標準であるGitを使用することで強化されており、新入社員はすぐにIBM Z環境に慣れることができます。

「以前は、エンタープライズ・システムの開発者は、十数種類のツールを使っていたため、それらの切り替えや再集中に時間を取られていました」とLoumassine氏は言います。「私たちは今、すべてのツールをひとつのインターフェースに収めた真のIDEを構築しており、必要なものをすぐに利用できるようにしています。すべての開発者が同じ立場に立つため、これは大きな文化的変化を表しています」

リアルタイムのコード・テストにより、開発者は以前よりもはるかに早い段階でコードの潜在的な問題を確認できるようになり、DevOpsの「シフト・レフト」の原則により、より迅速かつ簡単に解決できるようになります。また、高度にグラフィカルでインタラクティブな開発環境ではるかに優れた自主性を持ち、より満足のいく生産性の高いワークスペースを構築できます。

「ユーザーは自分の環境を思い通りに整理できます」と Loumassine氏は言います。「そのため、エンタープライズ・システムは新入社員にとってより魅力的なものとなり、既存の開発者の効率性も向上します。また、テストの自動化も強化されています。たとえば、開発者は、実働データベースのコピーから取得した匿名化されたデータに対してテストを実行できます。IBM InfoSphere Optimは、データを抽出し、開発環境に注入します。これらのプロセスは、開発者が直接コントロールできます」

Loumassineは次のように結論づけています。「IBM Zプラットフォームの開発環境の最新化を続けるに伴い、制御、自律性、品質、速度、効率性の面でのメリットはさらに増大し、ビジネス価値が増大しています。同時に、新しいビジネスの需要によりよく対応できる俊敏性をチームに提供し、すべての環境で市場標準のテクノロジーと同じツール、考え方、能力を確実に確保できるようにしています」

BNP Paribasのロゴ
BNP Paribas

BNP Paribas S.A.(ibm.com外部のリンク)の歴史は、Banque Nationale de Paris(BNP)が設立された1848年にまでさかのぼることができます。2000年にParibasと合併し、資産規模で世界第8位の銀行に成長しました。小売銀行と投資銀行の両方のサービスを提供し、70か国以上で事業を展開し、約20万人の従業員を擁しています。フランスでは、BNP Paribasは2,200以上の支店と3,200台のATMを運営し、600万世帯以上にサービスを提供しています。

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IBM Z用のIBMソフトウェア開発ツールの詳細については、、IBM担当者またはIBMビジネス・パートナーにお問い合わせいただくか、以下のウェブサイトibm.com/marketplace/developer-for-z-systemsをご覧ください。

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脚注

 

© Copyright IBM Corporation 2020. IBM Corporation, IBM Cloud, New Orchard Road, Armonk, NY 10504. 2020年5月、米国で作成。

BM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Z、Rational、およびz/OSは、世界の多くの国々で法的に登録されているInternational Business Machines Corp.の商標です。その他の製品名・サービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの登録商標の現在のリストは、Webページ「著作権および登録商標情報」(www.ibm.com/jp-ja/legal/copytrade.shtml)でご確認いただけます。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

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