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Bio-Rad社は、グローバルで統合された販売・業務計画プラットフォームの導入にIBMコンサルティングを選ぶ
研究を分析する科学者
ライフサイエンス研究と臨床診断の市場では時間が非常に重要です。最新の設備やテクノロジーに迅速にアクセスできることは、命を救う可能性のある診断や画期的な発見を行うために不可欠です。

Bio-Rad Laboratories社は、最先端の製品とサービスに対する顧客のニーズの根底にある緊急性を十分に認識しています。ライフサイエンスと臨床診断製品を70年にわたって提供してきたこのプロバイダーは、世界中に製造・販売拠点を持ち、高品質のソリューションをタイムリーに提供することを最優先にしています。

同社はライフサイエンス研究の分野で、ゲノム、プロテオミクス、細胞生物学などに関するバイオ製薬、学術、政府研究向けの機器、組込みソフトウェア、試薬などのソリューションを提供しています。また臨床診断分野では、Bio-Rad社の製品と技術は、病院、公衆衛生、商業ラボでの検査、モニタリング、病気の治療、血液供給の保護、臨床品質管理を支えています。

このように進化し続けるペースの速い市場で成功するために、Bio-Rad社は常にゲームの一歩先を行く必要があります。「Bio-Radが他と一線を画すのは、イノベーションへの取り組みです」と、同社のグローバル・サプライチェーン・プランニング担当シニア・マネージャーのAndres Ospina氏は述べます。「私たちは医療業界の大きなトレンドに常に寄り添い、研究機関と協力して業界内のニーズとそれを満たす方法について情報を集めています」

2021年、同社は技術進化の次のステップ、つまり販売および業務計画プロセスのモダナイゼーションに取り組む準備を整えていました。当時、Bio-Rad社は需要と供給の計画の多くを、機能や地理的場所間でほとんど、またはまったく統一性のないスプレッドシート・テンプレートを使用して行っていました。プランナーは複数のシステムを操作してその場しのぎの予測や収益レポートを作成する必要があり、データを手動で評価するのに長時間を費やし、毎月同じスプレッドシートを再作成することもよくありました。

統合サプライチェーン計画プラットフォームは、ゲームチェンジャーとなる可能性を秘めていました。このプラットフォームでBio-Rad社の予測精度が向上するだけでなく、サイロ化が解消され、社内全体のコミュニケーションが活性化するかもしれません。顧客の需要と供給をグローバルに把握することで、同社は業務効率とプロセス効率、報告機能、在庫管理を大幅に向上させることができます。

幸いなことに経営陣はそのようなプラットフォームがもたらしうるメリットを熟知しており、実際に導入に向けて先頭に立っていました。この目的に向け、Bio-Radは要件を文書化し、自社のグローバルな構造に対応するクラウドベースのプラットフォームを評価する予備戦略を策定しました。

すぐに使える機能を備えたクラウドベースのプラットフォームは、企業のグローバルな構造に対応し、トレーニングと人員配置のニーズを最小限に抑えるための鍵でした。Bio-Rad社はまた、販売・業務計画プラットフォームの計画、開発、実装を支援するパートナーも探していました。

75件のユーザー・ストーリー

 

IBMと協力し、需要計画と供給計画にそれぞれ75件を超えるユーザー・ストーリーを開発

1つのプラットフォーム

 

世界各地の拠点にわたって製造センターと流通センターを接続し、販売計画とオペレーション計画のための1 つのプラットフォームを構築

さまざまな業界の企業と協力した経験を持つ信頼できるアドバイザーとしてのIBMを信頼しています。当社が課題に直面したら、IBMは経験を活かして状況を分析し、ニーズに最適なソリューションのオプションを提案します。 Steven Caron アソシエイトITディレクター Bio-Rad Laboratories社
需要計画と供給計画を引き受ける

Bio-Rad社は、新しい販売および業務計画プラットフォームの戦略と導入の支援を受けるためにIBM Consultingを選びました。IBMは長年の協力関係にあるだけでなく、サプライチェーン管理プロセスとプラットフォームに関する業界を超えた深い経験も備えていました。

Bio-Rad社は、販売および業務計画のプラットフォームとして、IBMビジネス・パートナーであるKinaxis Inc.のRapidResponseプラットフォームを選択しました。クラウドベースのプラットフォームは、製品の有効期限による廃棄量を減らすために不可欠な消費期限計画を含むライフサイエンス計画機能とともに、優れた評判も得ていました。

プロセス全体を通じて、3社は1つのチームとして協力しました。Bio-Rad社はビジネスと組織の知識を、Kinaxisはプラットフォームの専門知識を、IBMは戦略的ガイダンスと導入協力を提供しました。

Bio-Rad社の当初の戦略をさらに発展させるために、IBMは企業のリーダー、計画担当者、開発者、その他の利害関係者とのワークショップ・シリーズを主催しました。その目標は要件を特定して明確にし、Kinaxisプラットフォームを使用してビジネスの目標から具体的な成果を生み出すことでした。その過程で、チームはユーザーの意見を収集し、ソリューションの最初のイテレーションで提供するコア機能を定義しました。

「IBMはケーススタディとアイデアを持ち込み、私たちが戦略を立て、ジャーニーで山や谷を乗り越えるのを助けてくれました」とOspina氏は語ります。「簡単なことではありませんからね。これはチェンジマネジメントの話です。新しいプラットフォームを受け入れる度合いがそれぞれ異なる人々に対応しなければなりません」。

チームはまず2021年4月に需要計画を始めました。「私たちは需要主導型の組織です」とOspina氏は述べます。「お客様が何を望んでいるのかを知り、ビジネスと技術の両方の観点からインプットを収集できる環境を用意する必要がありました。事後対応ではなく戦略的に対応できるように予測を管理するには、そうした情報が必要でした」

アジャイル手法を使用して、チームは内部テストとユーザーテストを含む反復的な開発アプローチを使用し、自ら設定したマイルストーンを達成するためのスプリントに取り組みました。その過程で主要な利害関係者からフィードバックを収集し、需要・供給計画のために、Bio-Rad社がすでに収集したものに加え、それぞれ合計で75件のユーザー・ストーリーを集めました。

チームは2021年10月に需要計画のコア機能の稼働を開始し、2022年の初めまで実装の改良を続けました。次に取り組んだのは供給計画です。「需要計画に使用したプロセスと同様のプロセスを使用しました」と、Bio-Rad社のアソシエイトITディレクターのSteven Caron氏は述べています。「供給計画の面では、いくつかの逆風がありました。開発ははるかに複雑で、多くの追加要件がありました」。

「2022年6月に、新しいシステムに関する決定が世界的な支持を得られるようにするために、ヨーロッパのサプライチェーンリーダーと大規模なワークショップを開催しました」とOspina氏は言います。「プロジェクトの青写真の草案を提示し、サプライチェーンリーダーのフィードバックを私たちの計画に取り入れました。IBMは私たちに寄り添い、詳細な要件を把握し、質問を明確にしてくれました」。

「パンデミック後、サプライチェーンには大きな混乱が生じました。プランナーは、材料不足を回避し、代替のサプライヤーを探し、製品の入手可能性を考慮して計画を立てる必要がありました。IBMは、仕事が順調なときも困難なときも、すべてにおいて素晴らしいパートナーでした」。幸い、チームは需要計画の段階で学んだ教訓を生かすことができ、2022年4月に供給計画機能が立ち上がりました。

IBMはこのプロジェクトのエンジンでした。IBMと仕事をすると、前進を続ける機械を見ているように感じました。IBMはエンゲージメント、開発チームとの調整、そして目標達成を何よりも重視します。 Andres Ospina氏 グローバル・サプライチェーン・プランニング担当シニア・マネージャー Bio-Rad Laboratories社
サプライチェーンを一元化する単独のシステム

新しいプラットフォームで需要・供給計画機能が稼働し、Bio-Rad社はすでにメリットを実感しています。「全員が1つのシステムで需要計画、供給計画、調達、製造を行っています」とOspina氏は言います。「以前のシステムよりもずっと安定しています。システム内で全員が協力し合う体制が確立しており、今後もさらに改善していきます」。

Caron氏も同意します。「サプライチェーン、商業チーム、財務チーム、そして幹部から明確な支持を得ています」と彼は言います。「これでBio-Rad社のために、製造・納入予定のユニットと、回収する収益の両方を示す予測を作成できるようになりました。これで実現したレポートや分析の機能は非常に素晴らしいものです。以前は不可能だった仮定のシナリオ計画も実行できるようになりました」。

同氏はさらに続けます。「売り上げに対する原材料の予測方法も大幅に改善しました。当社では、収益と非収益の両方の割合がある委託販売モデルに関して、厳しい要件が課されています」。

会社は大きな進歩を遂げてきましたが、取り組みはまだ始まったばかりです。「今ではコア機能ができたところです」とOspina氏は語ります。「しかしこの達成の過程で、製造用のコンポーネント計画などいくつかの領域を一時的に置き去りにしました。当社はIBMと協力して評価を行い、ロードマップの次のステップを決定しています。戦略的提携は今も続いているのです」。

「IBMと協力して、ビジネス・ユーザーに価値を付加するために、明確に定義され優先順位をつけた、継続的な改善のバックログを作りました」とCaron氏は付け加えます。「これらの改善策を提供するために、毎月のスケジュールを定めています。課題に直面したときはIBMが状況の分析を支援し、私たちのニーズに最適なソリューションのオプションを提案してくれます」。

「IBMはプロジェクトの推進力であり続けています」Ospina氏はそう結論づけます。「IBMと仕事をすると、前進を続ける機械を見ているように感じました。IBMはエンゲージメント、開発チームとの調整、そして目標達成を何よりも重視しています」。

Bio-Rad社のロゴ
Bio-Rad Laboratories社について

1952年創業のBio-Rad社は、ライフ・サイエンス研究および臨床診断市場向けの製品を開発、製造、販売しています。カリフォルニア州ハーキュリーズに本社を置き、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジアに製造および販売拠点を置いています。同社の顧客には、病院、学術研究機関、公衆衛生研究所、商業研究所、バイオテクノロジー産業、製薬産業などが含まれます。

Bio-Rad社のロゴ
Kinaxis社について

1984年創業のIBMビジネス・パートナー、Kinaxis社は、サプライチェーンマネジメントおよび販売計画・オペレーション計画を専門とするソフトウェア会社です。カナダのオタワに本社を構えています。同社のKinaxis RapidResponseは、販売業務、需要計画、供給計画、在庫計画、生産計画の分野でビジネス・プロセスの構築を支援する計画ソフトウェアです。

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© Copyright IBM Corporation 2024. IBM Corporation, IBM Consulting.

2024年3月、米国で制作

IBM、IBMロゴ、IBM Consultingは、世界中の多くの管轄区で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。その他の製品名およびサービス名は、IBMまたは他社の商標である可能性があります。IBM商標の最新リストは、ibm.com/trademarkで入手できます。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

引用または説明されているすべての事例は、一部のクライアントがIBM製品を使用し、達成した結果の例として提示されています。実際の環境でのコストや結果の特性は、クライアントごとの構成や条件によって異なります。お客様のシステムおよびご注文のサービス内容によって異なりますので、一般的に期待される結果を提供することはできません。本書の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。