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約9,000人の分析業務を支える統合情報基盤を刷新して最大100倍の性能向上を実現

大手家電量販店の株式会社ビックカメラ(以下、ビックカメラ)は、ソフマップやコジマを含めたグループの現場から管理部門にいたる約9,000人が利用する統合情報基盤を運用していますが、ここ数年のデータ量とユーザーの増加に伴う処理負荷の増大によってパフォーマンスが低下し、分析やレポーティング業務に支障が生じていました。そこでデータウェアハウスをNetezza Performance Server on IBM Cloud Pak for Data Systemへと刷新。約40TBの大規模なデータを格納するデータウェアハウスの移行、しかもコロナ禍の混乱の中にありながら短期間でプロジェクトを完了し、劇的な性能改善を実現しました。

ビジネス上の課題

ビックカメラは、IBM PureData System for Analyticsを活用し、グループ会社を含むエンドユーザーの分析業務を支える統合情報基盤を構築し、現場から管理部門にいたるビジネスのあらゆる局面でデータ活用を推進してきました。統合情報基盤導入から5年以上が経過し、ハードウェアの老朽化とともにデータ量の増大とユーザー数の拡大に伴って、アクセスが集中する週明けや月末月初のピーク時には分析のレスポンスやレポーティング処理が遅延し、処理能力不足が目立ち始めました。そこで同社は2019年4月、統合情報基盤を構成するハードウェアがサポート終了を迎えるタイミングにあわせて、新たなソリューション選定に向けた検討を開始しました。

概要と経緯

ビックカメラは、クラウド上のデータウェアハウス・サービスを優先して検討を進めていましたが、候補としていたサービスはIBM PureData System for Analyticsとアーキテクチャーが異なるため、データ移行に多大な工数とコストがかかることが明らかになりました。同社は、IBM PureData System for Analyticsと100%互換性をもつアーキテクチャーを備えているNetezza Performance Serverに注目し、移行コストと移行期間を大幅に抑えられることを確認し、採用を決定しました。同社は、2020年3月にIBMに発注、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、関係者間のコミュニケーションもすべてオンラインになりましたが、ほとんど支障なく作業を進め、予定どおり、6月末に新データウェアハウスを稼働することができました。

効果と今後の展望

ビックカメラの統合情報基盤は、サービスインと同時に劇的な性能改善の効果を発揮し、在庫評価集計業務のバッチ処理は、従来の210分から15分に短縮され、BIレポーティングの処理件数は150%向上し、レスポンスは最大100倍以上、平均で10倍高速化しました。同社は、今後、IBM Cloud Pak for Data Systemを活用し、BIツールだけで行えるデータ分析から、徐々にAIの領域にも踏み出すことを考えています。また、将来的にはNetezza on Cloudを活用することで、オンプレミスからクラウドへのシームレスな移行が可能となることにも興味をもっており、データに対するビジネス側のニーズの変化に応えつつ、統合情報基盤の進化と発展を進めていきます。

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

業務現場のスピーディーな意思決定の妨げとなっていた性能問題は一気に解消されました。Netezza Performance Serverのパワーを最大限に生かすべく、より大規模なデータ活用、より高度なデータ分析へと歩みを進めていく計画です 石村 康弘氏 システム部 インフラグループマネージャー 株式会社ビックカメラ

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