Banrisulの事業成長には、最先端の技術ソリューションへの投資が必要でした。IBM® DS8880F オールフラッシュ・ストレージ、IBM Spectrum Storage ソフトウェア、IBM Z® ソリューションなどの IBM® ハイエンド・ソリューションの完全なポートフォリオにより、Banrisulはコストを削減し、顧客へのサービスを活性化しました。
Banrisulが急成長を遂げるにつれ、ストレージのパフォーマンスが主要な銀行システムに影響を与えるようになっており、重要な手続きは本番環境に影響を与えないよう、より迅速に実行する必要がありました。
Banrisulは、IBM DS8886Fオールフラッシュ・ストレージ、HyperSwap、IBM Spectrum Controlにより将来の成長に向けた大幅なパフォーマンスと回復力を獲得し、低コストで顧客エクスペリエンスを向上させました。
Banrisulはプロセスおよびアプリケーションのデジタル・トランスフォーメーションを行うことで、ブラジル国内外の400万人以上の顧客に新たな体験と利便性を提供できるようになりました。ただし、顧客の取引量が増加するにつれてバックオフィスのトランザクションにかかる負荷も増大するため、銀行のITインフラストラクチャーに大きな負担がかかります。
システムパフォーマンスの低下に直面したBanrisulは、どのようにして優れた顧客サービスを提供し続けることができたのでしょうか?
IBMと数十年にわたるパートナーシップを維持しているBanrisulは、オペレーション支援のため、IBM Zエンタープライズ・サーバーとIBM Db2データ管理ソフトウェアを利用しています。データ・ストレージ・サブシステムは時代遅れになりつつあり、使用レベルは一貫して総容量の70%を超えていました。さらに、データ・ストレージ・サブシステムでは、IBM Zプラットフォーム向けの最新のIBM ZHyperWriteテクノロジーが利用できませんでした。IBM zHyperWriteはIBMストレージ専用のテクノロジーであり、DB2上で優れた書き込みパフォーマンスを実現します。
さらに、バックアップと災害復旧の手順が複雑で、フェイルオーバーを実行するには非常に長いマニュアル手順が必要な状況でした。同社は、公開入札で新しいデータ・ストレージ機能の提案書を提出するベンダーを募り、法律で義務付けられている通り、最も費用対効果の高いソリューションを探しました。
Banrisul社のITインフラストラクチャー兼オペレーションマネージャーであるJosé Andrade氏は、次のように述べています。「さらなる成長の余地がほとんどなかっただけでなく、極めて重要なビジネス・プロセスを数多くサポートするIBM Db2データベースにもストレージ・パフォーマンスの低下の影響が出ていました。より効率よくサービスを顧客に提供し、当社が成長を続けるためには、ミリ秒未満の応答時間、より高いスループット、そして次のBanrisul IT ハードウェア更新サイクルまでに予想されるビジネス成長に十分なだけのストレージ容量が必要でした。」
Banrisulは、IBM z/OS 2.2.0およびIBM Db2データベース・ソフトウェアを実行するIBM z14 サーバーを使用してコア・バンキング業務をサポートしており、z14の処理能力と容量をサポートおよび最適化するストレージ仕様を設計しました。解決策として同行が公開入札を行ったところ、3社のベンダーが提案を行い、慎重な評価の結果、IBMの提案が入札を勝ち取りました。
Banrisulは、応答時間が極めて短く、クラウド、モバイル、ソーシャル、アナリティクス、分析、コグニティブの各ワークロードに最適なIBM DS8886Fオールフラッシュ・ストレージ・ソリューションを選択しました。また、IBM Systems Lab Services and Trainingと協力して、新しいオールフラッシュIBM StorageテクノロジーとIBM Spectrum Storageソフトウェアに基づくストレージ・インフラストラクチャーの包括的なオーバーホールを実施しました。
同行は、IBM Transparent Data Migration Facilityfor z/OS 5.7を選択し、4,270ボリュームに分散された22TBのデータを運用システムをオフラインにすることなく移行しました。データ移行には15時間かかりましたが、既存のバックアップサービスも継続していたため、移行プロセス中もBanrisulのデータは完全に保護された状態でした。
DS8886Fデータシステムへの移行が完了したことで、BanrisulはIBM HyperSwap®テクノロジーを活用して、事業継続に対する規制上の要求に準拠するよう設計された高可用性を実現しました。HyperSwapでは、データは2つの完全二重化ストレージシステム間でミラーリングされます。一方のサイトが利用できなくなった場合、HyperSwapは自動的に利用可能なシステムにフェイルオーバーし、データへの継続的なアクセスを提供します。
同行は、レプリケーション・タスクを自動化し管理するために、Microsoft Windowsオペレーティング環境で動作する既存のIBM Copy Services Managerソフトウェアとこのテクノロジーを使用しました。Banrisulは、IBM Storage FlashCopy®ソフトウェアを使用して、読み取りまたは書き込みアクセスにすぐに使用できるポイントインタイムのコピーを作成します。
さらに、IBM Spectrum® Control Standard Editionソフトウェアを導入し、すべてのストレージ・デバイスのパフォーマンスとキャパシティー・プランニングと管理をサポートすることで、同行の既存投資の最適化と将来の成長計画を支援しました。
IBM Systems Lab Services and Trainingは同行と協力して、IBM DS8886Fシステムとソフトウェアの導入と設定を行い、可用性の最大化、データ保護の強化、IBM z14とストレージ環境の最適化を図りました。Banrisulのメインフレーム運用サポートマネージャーであるJorge Motter氏は「移行プロセスはスムーズで、ビジネスの中断を最小限に抑えてデプロイメントを完了できました。」と述べています。
モバイルバンキングおよびホームバンキングのオンラインサービスは、IBM z14サーバーで処理、IBM Db2で管理、IBM DS8886上に保存されたデータを利用しています。Banrisulは、IBMの統合ソリューションが導入されたことで、顧客体験の向上に直結するパフォーマンスの大幅な改善を目の当たりにしています。
José Andrade氏は次のように述べています。「以前は、当座預金口座の取引を更新する日々のプロセスに19時間かかっていましたが、今ではわずか13時間です。口座振替の処理には10時間かかっていましたが、現在は4時間です。また、ローンの支払額の更新には20時間かかっていましたが、現在は6時間で済みます。サーバーのCPUをアップグレードしたわけではありません。これらの進歩はすべて、オールフラッシュDS8886FソリューションによるデータI/Oパフォーマンスの向上によるものです。」
Banrisulにとって、IBMストレージテクノロジーの導入はビジネスのレジリエンスと継続性の強化につながった、とJosé Andrade氏は言います。「以前のシステム・フェイルオーバー・プロセスは最大で2時間かかり、人が作業しなければならないプロセスが多くありました。IBM HyperSwapを使えば、マウスを数回クリックするだけでフェイルオーバーを確認でき、最大28秒で2つ目のインスタンスを立ち上げて稼働させることができます。」
「ブラジルでは銀行に対して、データ処理をセカンダリサイトにフェイルオーバーする技術的能力を証明するよう法律で義務付けており、通常、年に1~2回検証が行われます。当行は、IBM DS8886FおよびHyperSwapソリューションのおかげでダウンタイムを発生させることなくコンプライアンスを即座に、かつ簡単に実証できるだけでなく、時間とコストも大幅に削減できています。」
Banrisulは、キャパシティー・プランニングおよびストレージ管理ソフトウェアであるIBM Spectrum Controlパフォーマンス・モニタリングを使用して、ストレージ環境全体の200を超えるメトリクスを収集および監視しています。これにより、同組織は技術チームの人員を増やすことなく、これらの重要なITリソースの管理を改善できます。
Banrisulの主な目的は技術的な課題を解決して顧客サービスを向上させることでしたが、エネルギー消費量の削減とサーバールームの容量の削減により総所有コストも削減することができました。オールフラッシュDS8886Fはディスクベースのアレイの約半分の重量とサイズに加え、消費電力が約半分であるため、データセンターの空調負荷を軽減しIT環境への影響を軽減します。
José Andrade氏は次のように結論付けます。「IBM DS8886Fのパフォーマンスおよび総所有コストの削減は、顧客エクスペリエンスの向上とBanrisulの継続的なビジネスの成功のサポートに直接貢献するものです。IBM DS8886FとIBM z14は、IBM Systems Lab Services and Trainingの優れたサービスとIBM® Spectrumストレージ・ソリューションを組み合わせることで、Banrisulに卓越かつ高性能なレジリエンスソリューションを提供します。
1928年に設立されたBanco do Estado do Rio Grande do Sul (Banrisul)(ibm.com外部リンク)は、リオグランデ・ド・スル州最大の銀行であり、ブラジルで7番目の規模を誇る銀行です。同行は2017年に約30億米ドルの年間収益を上げました。11,000人の従業員、400万人以上の顧客を抱え、433都市に500以上の支店を展開しています。
© Copyright IBM Corporation 2019. 1 New Orchard Road, Armonk, New York 10504-1722 United States.2019年3月、米国で作成。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、Db2、FlashCopy、HyperSwap、IBM Spectrum、IBM Spectrum Storage、IBM Z、および z/OS は、世界中の多くの管轄区域で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。その他の製品名・サービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの登録商標の最新リストは、Webサイトの「著作権および登録商標情報」(ibm.com/legal/copyright-trademark)でご確認いただけます。
Microsoft、Windows、Windows NT、Windows のロゴは、米国、その他の国、またはその双方におけるMicrosoft Corporationの登録商標です。
IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。
記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。
引用または説明されているすべての事例は、一部のクライアントがIBM製品を使用し、達成した結果の例として提示されています。実際の環境でのコストや結果の特性は、クライアントごとの構成や条件によって異なります。ご不明な点などございましたら、IBMにお問い合わせください。
お客様は、自己の責任で関連法規および規則を順守しなければならないものとします。IBMは法律上の助言を提供することはなく、また、IBMのサービスまたは製品が、いかなる法規もしくは規則をお客様が順守していることの裏付けを、表明ならびに保証するものでもありません。
実際に利用可能なストレージ容量は、非圧縮データと圧縮データの両方について報告される場合がありますが、変動するため、記載されている容量よりも少なくなる場合があります。