フランスの大手銀行特有のニーズに応えるため、Artefact社はwatsonxプラットフォームの不可欠なコンポーネントであるIBM watsonx.aiを活用しクラスターやターゲットサンプルを導入しました。これらのクラスターはAIエンティティーで表されるペルソナで構成されており、専門家はインタラクティブにペルソナと関わることができます。
IBM watsonx
IBM watsonx.ai
IBM ILOG CPLEX
AI市場で著名な企業Artefact社は、高度なAIテクノロジーとデータ・ソリューションのデプロイを専門とするフランスの企業です。小売、高級品、消費者向けパッケージ商品(CPG)、金融などのさまざまな分野で目覚ましい存在感を発揮しています。
急速に成長する国際企業でありながらも、Artefact社はテクノロジーにとらわれません。Artefact社の銀行および高級サービス担当データ・コンサルティング・ディレクターのJérémie Cornet-Vuckovic氏は、「当社は顧客の多様なニーズに最適に応えるために、最高レベルのソリューションを使用しています」と断言します。同社のパートナーの1つは、金融業界の主要企業であるIBMです。「私たちは、IBM ILOG CPLEXによる制約付き最適化と、IBM watsonx.aiによる生成AIという2つの主要分野でIBMと協力しています。」IBM watsonx.ai は、基盤モデルを活用した新しい生成AI機能と従来の機械学習を、AIのライフサイクル全体にわたって強力なスタジオに統合する、IBM watsonxのAIとデータのプラットフォームを構成する製品です。
最近、フランスのある大手銀行が、顧客データをより効果的に活用しサービス提供を拡大するため、Artefact社にアプローチしました。その目的は、その分野で働くプロ達に、消費者の習慣に関する重要な洞察を提供することでした。Artefact社は、価値が限られている完全に匿名化された未加工データを共有するのではなく、ユーザーがシステム内でターゲットを定義し、チャットのようなやり取りでアバターと交流して消費習慣について質問するソリューションを提案しました。これらのアバターは、銀行が提供する特定のデータに基づいてインテリジェントにモデル化されており、顧客の行動をより価値ある形で理解することができます。
Artefact社は同行の特定のユースケースに対処するため、ユーザーが個別の顧客グループをターゲットにできるようにクラスター分析を実施しました。この分析は、選択された顧客のサブセットに焦点を当て、生成AIを通じて典型的なプロファイル(ペルソナ)を定義しました。これらペルソナは、個人的な好みや消費習慣についてクエリすることができます。
「IBM watsonx.aiスタジオのおかげで、バックエンドからフロントエンドまでのソリューション全体を、少人数のチームでわずか1か月でデプロイすることができました。IBMのツールは非常に機能的で、デプロイと使用が簡単。AIソリューションを迅速に開発するための強固な基盤となります」とJérémie Cornet-Vuckovic氏は説明します。
Artefact社は、IBM watsonx.ai製品の重要な側面として以下の2点を強調しています。
• 主要なオープンソース・テクノロジーを網羅した包括的なテクノロジーの数々により、開発チームはこれらのツールを活用してプロジェクトを加速できます。
• 堅牢なデータ・セキュリティーと保護機能により、現場でのAIのデプロイメントとトレーニングが可能になります。これは、金融、保険、公共部門などのセクターにとって重要な要素です。
Artefact社は、生成AIによって生成された応答の理解と解明に細心の注意を払いながら、匿名化されたクライアント・データをアプリケーション開発に活用しました。「提供されるすべての情報はアプリケーション内で説明可能です」とJérémie Cornet-Vuckovic氏は断言します。「AIから提供されるデータを信頼できることは非常に重要であり、それがなければビジネスにメリットをもたらすことはできません。」
Artefact社によって開発されたアプリケーションは、その優れた応答性とユーザーフレンドリーなインターフェースが特徴です。「実際には、顧客ターゲティング・パラメーターを入力すると、対応するクラスターがほぼ瞬時に作成されます。ユーザーは、IBM watsonx.aiソリューションを通じて生成されたアバターと対話し、個人データ保護に関する現在の法律を完全に遵守しながら、対象となる人々についての貴重な洞察を得ることができます」とJérémie Cornet-Vuckovic氏は説明します。
IBMの生成AIのこの初期ユースケースの成功により、さらなるプロジェクトへの道が急速に開かれることが期待されます。「このユースケースのプレゼンテーションは、好意的なフィードバックと新しいリクエストの流入とともに、大きな関心を集めました。その後、当社では、第2世代の人工知能プロジェクトに積極的に取り組んでいます。このプロジェクトでは、たとえばAIが直接メールを生成できるようにするような高度なアクティベーション・コンポーネントが特徴です。」