モバイル・デバイスとエンタープライズ・アプリを手動で管理および保護するにはコストと時間がかかり、新しいモバイル機能の導入も遅れていました。IBM MaaS360クラウド製品により、Arrow社はモビリティー管理の時間とコストを削減し、モバイル・セキュリティーを強化しています。
事務処理やコストの削減を目指してモバイル・アプリの導入を始めたArrow社では、ITスタッフが従業員のモバイル・デバイスとアプリを効果的に管理、導入、保護する方法を必要としていました。
Arrow社は、IBMのクラウドベースのエンタープライズ・モビリティー管理プラットフォームを使用しており、モバイル・デバイスとアプリの管理、導入、セキュリティーを大幅に簡素化しています。
「私たちは従業員を支援し、プロジェクトや現場の管理者が現場のオフィスから現場にもっと出てもらいたいと考えています」と、ニュージーランドの大手建設会社、Arrow社のITマネージャーであるWayne Broekhals氏は説明します。
建設業界は長い間、利益率が非常に低いながらも高い期待をかけられてきました。Arrow社は、会社のコストを削減しながら品質を向上させるために、モバイル・ソリューションを役立てることが重要だと考えています。「プロジェクト管理者や現場管理者が、プロジェクトの現場からメモや写真をオフィスに持ち帰り、そのデータをITシステムに再入力するというプロセスでは、多くの時間と価値が失われることになります」とBroekhals氏は言います。
同社のエンタープライズ・モビリティー・イニシアチブを通じ、Arrow社のITチームは、プロジェクト管理者や現場管理者が建設現場の情報を取得し、同僚や下請け業者と共有できるようにする、さまざまな新しい建設ベースのモバイル・アプリを導入しています。これはプロセスを合理化し、建設の遅れを軽減する上で大きな一歩です。しかし、プログラムの成功にとって重要なのは、エンタープライズ・モビリティー管理とモバイル・セキュリティーでした。
「これまでは、オフィスに戻ってデバイスを再プログラムする必要がありました」とBroekhals氏は言います。「現場とオフィスの往復はかなりの時間、労力、コストがかかり、デバイスが現場に持ち出されているときは、携帯電話がジェイルブレイクされていないかや、デバイスがウィルスに感染していないかを確認することはできませんでした。当社の知的財産を保護するという点では、非常に高いリスクがありました。モビリティーに対する需要は時が経つにつれ増加する一方ですが、これまでのアプローチでは保護を強化できませんでした」
Arrow社は、自社のスマートフォンとタブレットの導入と管理を簡素化し、モバイル・セキュリティーを強化するために、IBM MaaS360エンタープライズ・モビリティー管理を導入しました。Microsoft ExchangeやMicrosoft Office365などのエンタープライズ・システムとの統合により、モバイル・デバイス上で既存のアプリケーションを使用できるようになります。
「IBM MaaS360は、建設ベースのアプリをオンザフライで迅速に導入できるようにするコスト効率の高いソリューションを提供し、デバイスと使用状況を効果的に管理するために必要な可視性を提供してくれました」とBroekhals氏は述べています。
Broekhals氏は、会社の評価では、このソリューションのマルウェア検出および修復機能は傑出していたと言います。
「MaaS360を選んだ主な理由の1つは、マルウェア対策機能にありました」とBroekhals氏は述べています。「他の製品もテストしましたが、単一のソリューションでウィルスやマルウェアから保護できる機能はなく、万能ではありませんでした」
IBM MaaS360プラットフォームの実装も非常に簡単でした。「システムを稼働させるまでに1週間ほどしかかかりませんでした。その後はモバイル・デバイスをシステムに適用するだけでした」とBroekhals氏は振り返ります。「私たちはクラウドへのデプロイメントを選択しました。これにより、サポートする必要があるデバイスの数に応じて、管理も、スケールアップやスケールダウンも容易になります。」
Broekhals氏は、同社の運営委員会の賛同を得るため、モバイル・デバイスを保護することなしにモバイル戦略に移行することのリスクを説きました。
「私たちは、デバイスの現在位置を把握することだけでなく、デバイスを保護する必要性について話し合いました。これが経営幹部の承認を得る上での重要なメッセージでした」
包括的なエンタープライズ・モビリティー管理とセキュリティーにより、Arrow社はモバイル・デバイスとアプリケーションの管理にかかる時間とコストを大幅に削減できます。
「MaaS360により、Arrowの時間と費用が節約されます」とBroekhals氏は言います。「すべてをリモートで処理できるため、特にデバイスが盗難に遭ったときやデバイスにマルウェアがインストールされた場合に、時間の節約と管理オーバーヘッドの削減という点で非常に大きな効果がありました。以前はモバイル・デバイスを専門に担当するエンジニアのスタッフを配置する必要がありましたが、MaaS360を導入したことで、ビジネスに付加価値をもたらす他の領域に集中できるようになりました。また、プロジェクト/現場管理者は、モバイル・デバイスをオフィスに送り返してアップデートしてもらう必要がなくなったため、ダウンタイムも短縮されました。投資収益率については考えるまでもないでしょう」
また、新しいモバイル・アプリケーションのデプロイメントを加速させることができます。「通常のデプロイメントでは数週間から数か月かかるアプリケーションを、数日以内に公開できるようになります」とBroekhals氏は言います。
さらに、セキュリティーの強化により、知的財産の保護も強化されています。導入後実際に、IBM MaaS360は会社のあるモバイル・デバイスでマルウェアの感染を自動的に検出して修復しました。MaaS360は、デバイスが攻撃された場合だけでなく、デバイスが保護されていることも可視化します」
強力な基盤が整備されたことで、ITチームは従業員向けに建設ベースの幅広いアプリケーションを導入する作業に集中できるようになりました。
「MaaS360によって、私たちはITの俊敏性を高めるための基礎を築き、テクノロジーをすぐに利用できるようにし、最終的にはArrowにより良い成果をもたらします」とBroekhals氏は言います。
Arrow International (NZ) Limitedは、30年以上前にダニーデンで創業したニュージーランドの私有建設会社です。Arrow社はニュージーランド全土に10か所の支店ネットワークを持ち、地や地方で非常に強い存在感を示しています。Arrow International (NZ) Limitedは、Arcus Developments(不動産開発会社)やArrow Construction Australia(メルボルンに拠点を置く建設会社)などの著名な事業会社とともに、Arrow Groupの一員です。
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2016年10月米国で作成。
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