ホーム お客様事例 Aon Italy 自動化され統合されたディジタルの未来を保証
Aon Italyは、IBM Cloud Paksを使用して保険とリスクのプロセスをモダナイズ
イタリアの街並み

2020 年春、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりビジネスが停止したとき、Aon Italyは他の企業よりも準備を整えていました。同社はそれより数年前に、中核プロセスを自動化し、従業員がリモートで作業できるようにするデジタル・トランスフォーメーションに着手しました。その先見の明により、Aon Italyは危機を乗り越えただけでなく、成長することもできました。IBM® Cloud PakおよびRed Hat® OpenShift®ソリューションがトランスフォーメーションを促進する鍵となりました。

Aon Italyは、幅広い商業リスクや再保険、退職金、健康、データ並びに分析ソリューションを企業と消費者に提供する多国籍プロフェッショナル・サービス会社であるAon plcの支店です。イタリア支店は親会社と同じ組織構造に従い、イタリア全土に25のオフィスを展開しています。

顧客満足度を重視し、業務効率を向上させるための終わりのない探求が、Aon Italyの永続的な成功の核心です。2016 年、デジタル・テクノロジーが業界の様相を急速に変えつつあったため、同社はこれを採用することの可能性と無視することのリスクを認識しました。

「私たちはイタリアでのリーダーシップと市場シェアを維持したかったのです」と、Aon Italyの最高執行責任者、ジャンカルロ・バリオーニ氏は述べています。「しかし、世界は変化しており、新たな競合他社がデジタル分野に参入してきました。私たちは、市場投入までの時間短縮や導入柔軟性の確保、競争力の維持を実現するアプリケーションを開発・展開することで、完全なデジタル・トランスフォーメーションと将来に向けた新しいビジョンを採り入れる必要がありました。」

Aon Italyもデータの力を活用したいと考えていました。保険業界はデータ・ドリブンです。そのデータの多くは顧客情報や請求の詳細など非常に機密性が高く、政府の厳しい規制の対象となります。データは、顧客体験の向上や新しい保険商品やサービスの開発に適用できる貴重な洞察も提供します。

オートメーションのメリット

 

ビジネス・プロセスを自動化し、同社の従業員1,600人のワークロードを軽減する可能性

業務改善

 

イタリア国内に25のオフィスを構え、5つの事業を展開しています。

顧客や見込み客とのコラボレーションが容易になったことで、コスト削減だけでなく、場合によっては収益の増加という大きな成果も出ています。 ジャンカルロ・バリオーニ 最高執行責任者 Aon Italy

Aon Italyは、トランスフォーメーションの取り組みを段階に分け、中核となる引受プロセスを自動化してコストのかかる手作業によるミスを減らしたり、医療費償還プロセスを自動化して対応時間を短縮したりするなど、社内で迅速に成果を上げることができる短期的な目標から始め、中長期的には顧客やその他の外部コミュニティに焦点を広げました。これらの目標を達成するために、同社はビジネス・プロセスを自動化し、ワークフローを合理化し、健康・リスク・退職関連の事業全体にわたってアプリケーションとシステムを最新化して統合する必要がありました。

自動化・コンテナ化されたソリューション

Aon Italyは、IBM Cloud Pak for Business AutomationIBM Cloud Pak for Integrationを自動化への取り組みの基盤として選んびました。どのクラウドでもRed Hat OpenShift上で稼働するように最適化されたIBM Cloud Paksは、Aon Italyのトランスフォーメーション・ストラテジーにおける3つの主要要素をサポートしました。それは、引受プロセスのオーバーホール、IT環境のモダナイゼーション、保険業界の厳しいコンプライアンス要件とヨーロッパのGDPR規制の順守です。

Aon Italyは当初、中小企業とその関連会社向けにカスタマイズされた保険プログラムを専門とする「Affinity」事業分野内の引受プロセスに焦点を当てていました。引受業務とはリスクを評価し、消費者のニーズや状況に基づいて保険オプションを提供するエンドツーエンドの複雑なプロセスです。当時、バックエンド作業の多くは手動で行われていました。顧客がリクエストを送信してから保険の見積もりを受け取るまでに3日かかることもありました。

プロセスを自動化するために、Aon ItalyはいくつかのIBMテクノロジーを採用しました。

  • IBM Cloud Pak for Business Automation のワークフロー機能により、Aon Italyはデジタル・ワークロードを評価・合理化し、ワークフローの包括的なビューとバックオフィス従業員の優先順位付けを提供できるようになりました。

  • IBM Cloud Pak for Business Automationの意思決定管理機能により、価格設定などのビジネス・ルールの作成・自動化・管理が可能になり、経済状況の変化に迅速かつ柔軟に対応できるようになりました。

  • IBM Cloud Pak for Integrationのアプリケーションの連携機能は、営業・IT・財務その他の部門を問わず、企業全体のバックオフィスの引受関連アプリケーションを接続し、エラーを排除して、適切なデータを適切なプロセスと担当者に接続します。

  • バックオフィス業務のためのロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)機能。

Red Hat OpenShift上でコンテナ化された環境を利用することで、Aon Italyは機密データとアプリケーションをオンプレミスに維持しながら、日々の活動にはマルチクラウド環境の柔軟性やスピード、拡張性を活用できるようになりました。また、あらゆるクラウドで運用できるため、同社は幅広いIT環境で多くの外部パートナーやベンダーとやり取りすることがはるかに容易になりました。

この実装の成功後、同社はIBM® Cloud Pak機能の使用を拡大しました。マルチブランド企業として、AON Italyは、資産・自動車・建設・法務・コンプライアンスなどのさまざまな分野にわたるB2Bソリューションを提供しており、それぞれが独自のデータ・リポジトリを備えています。IBM Cloud Pak for Business AutomationのAIを活用したコンテンツ管理機能は、これらの異なるリポジトリーへの単一アクセス・ポイントからのアクセスを提供し、GDPRに準拠しています。

また、Aon Italyは、IBM Cloud Pak for Integrationを使用して、社内外で使用するAPIを作成・公開するAPI Management機能と、アプリケーション間でメッセージを共有するメッセージ・キュー機能を使用しています。

IBM Cloud Pakを使用すると、追加のコンポーネントを組み込んだときに、コンポーネントが相互に完全に統合されるため、IBMのフルスタックを活用できます。これは、IBMがクライアント、特に当社との長期的な関係を維持するための素晴らしいストラテジーです。」 ジャンカルロ・バリオーニ 最高執行責任者 Aon Italy
AI搭載の見通し

現在、Aon ItalyはIBMの導入に非常に満足しています。以前は手動で行っていたタスクを自動化およびデジタル化することで、エラーの削減と時間の節約を通じて全社的に大きなメリットが得られました。これは特に保険引受プロセスに当てはまります。提案作成の遅延の減少とデータ品質の向上により、コスト削減と市場投入までの時間短縮が実現しました。また、データの品質が高くなることで、サプライヤーと交渉したり、法人顧客やパートナーとのエンタープライズ・サービス・レベル・アグリーメントを確立・測定・達成能力も強化されます。

「クライアントや見込み客とのコラボレーションが容易になったため、コスト削減だけでなく、場合によっては収益の増加という点でも大きな成果を上げています」とバリオーニ氏は言います。 「そのため、マーケティングや販売活動を非常にうまくサポートしています。また、さまざまな活動に必要な労力が軽減されたことで、社内でもメリットを得てます。」さらに、このプラットフォームにより、保険引受プロセスにおける見積書の生成や顧客への医療費の払い戻しなど、企業の時間を節約できます。

ITインフラストラクチャのモダナイゼーションにより、Aon Italyのオートメーション・トランスフォーメーションが推進され続けています。同社が取り組んだ最初のコンテナ化プロジェクトは、マイクロサービスKubernetes環境で診療報酬を管理するためのポータル・アプリケーションを再構築することでした。そして2020年に、Aon Italyは、IBM Cloud Pak for Business AutomationソリューションをRed Hat OpenShift上で実行されるコンテナ化環境に移行し始めました。

「私たちはマイクロサービスのアプローチを確立しました」とバリオーニ氏は言います。「次の課題は、各コンポーネントを再利用して他のアプリケーションに再割り当てできるように各コンポーネントを公開し、それによってビジネス・サービスに再利用できるコア・コンポーネントのベースラインを作成することです。当社の企業のハイブリッドクラウド・ストラテジーがどのようなものになるかはまだ正確にはわかりませんが、当社のデータセンターは場所に依存しないようにしたいと考えています。そうすれば、必要に応じてアプリケーションの移行が非常に簡単になります。」

同社は、現在のIBM® Cloud Pak機能、特にAI搭載オートメーションに関連する機能をさらに活用するための追加プロジェクトを検討しています。同社は毎月、一般的なEメール・アドレスを通じて受信する30,000件を超えるEメールを処理しており、その数は増え続けています。以前は、各Eメールの開封・分析・ルーティング・返信のプロセスは、ほとんどが手動で行われていました。しかし、量が増加するにつれて、従業員は対応に苦慮しています。

現在、Aon Italyでは、IBM Cloud Pak for Business AutomationのIBMIBM® Process Mining機能を使用してプロセスへの洞察を導き出し、IBM Robotic Process Automation とデータ・キャプチャー機能により、IBM Watsonと組み合わせてプロセスを自動化し、各Eメールの内容をよりよく理解・分類することに役立てています。「そしておそらくステップ2では、フォローアップ・アクションを自動化できるでしょう」とバリオーニ氏は言います。「メールの80%以上では、アーカイブまたは、はい・いいえの返信、文書の受信確認などのアクションが非常に簡単です。」

IBM Cloud Paksを使用したAon Italyの進化にとって、未来は確かに非常に明るいように見えます。「追加のコンポーネントを組み込むと、それらは相互に完全に統合されるため、IBMのフルスタックを実際に活用できるようになります」と同氏は言います。「それらを統合するために追加の資金を費やす必要はありません。これは、顧客、特に当社との長期的な関係を維持するためのIBM側の素晴らしいストラテジーです。」

Aon Italyのロゴ
Aon Italyについて

Aon ItalyExternal Link(ibm.com外部へのリンク)は、多国籍プロフェッショナルサービス企業であるAon Plcのイタリア支社で、国または地域のS&P40指数に組み入れられた28のイタリアグループ、8,000社以上の中小企業、700社以上の行政企業のリスクおよび保険プログラムを管理しています。1982年に設立された同社は、イタリアのミラノに本社を置き、全国25カ所のオフィスに1,200人以上の従業員を擁しています。

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この記事で紹介されているIBMソリューションの詳細については、IBMの担当者またはIBM ビジネス・パートナーにお問い合わせください。

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2021 年 12 月

IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Cloud Pakは、世界の多くの国々で法的に登録されているInternational Business Machines Corp.の商標です。その他の製品名およびサービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの商標の最新リストは、Web 上の「著作権および商標情報」(ibm.com/legal/copyright-trademark)で入手できます。

Red Hat®、JBoss®、OpenShift®、Fedora®、Hibernate®、Ansible®、CloudForms®、RHCA®、RHCE®、RHCSA®、Ceph®、およびGluster®は、米国およびその他の国におけるRed Hat社またはその関連会社の商標または登録商標です。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。

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