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Air India SATS社が既存のSAP Business OneをIBM Cloudに移行
AISATS社の飛行機

楽しい空の旅では、フライト中の業務と同じくらい地上での業務が重要となります。簡単ですばやいチェックイン、清潔な空港環境、信頼のおけるバゲージ・クレームに加え、非の打ち所のないカスタマー・サービスを一貫して提供することがフライト体験で好印象を残すためには不可欠です。

Air India SATS Airport Services Private Limited(AISATS)社は、上記原則の大切さを肝に銘じています。AISATS社は、インドを代表する航空会社、Air India Limited社と、アジアの空港サービス・食品ソリューション大手プロバイダー、SATS Limited社との合弁事業であり、インド内外の航空会社のために、インドの5つの主要空港で荷物の扱いから機内清掃、乗客サービスに至る地上・貨物サービスを提供しています。

AISATS社はパンデミックの直前に、IT業務全般をクラウドに移行する取り組みに乗り出しました。同社CEO(最高経営責任者)のSanjay Gupta氏は次のように説明します。「テクノロジーに精通した他の組織同様、当社でも最先端の顧客サービスを提供できるように、デジタル・トランスフォーメーションに取り組んでいるところです。中でもクラウド導入は、当社が達成を目指す技術戦略上の目標の1つであり、SAPプラットフォームのクラウドへの移行はきわめて重要なステップです」。

SAP Business Oneの実装は、複数の重要なビジネス機能の骨幹であり、財務、調達、経営情報用システムを社内全体で統合します。

コスト削減

 

ハードウェア、保守、エネルギーにかかる費用の35%削減に貢献

パフォーマンスの向上

 

システムへのアクセシビリティ、使いやすさ、実行速度が向上し、パフォーマンスの80%改善を後押し

こうしたトランスフォーメーション活動は、コスト急減という成果を当社にもたらしました。SAPソリューションからIBM Cloudに移行することで、ハードウェア、エネルギー支出、スペース利用の最適化、保守コストの低下が進み、コスト削減幅は35%に達しました。システムへのアクセシビリティ、使いやすさ、実行速度の向上などにより、パフォーマンスも80%向上しました」 Sanjay Gupta氏 CEO Air India SATS Airport Services Private Limited社

IBMは同社がトランスフォーメーションに取り組んでいる当時、SAP Business Oneの実装に必要なすべてのインフラストラクチャーをインド国内のIBMデータセンターから管理していました。IBMチームはSAP用のクラウド・プロバイダーを探していたAISATSに対して、IBM Cloudが最適な選択肢であると熱心に説得しました。

実際、SAPソリューションのIBM Cloudへの移行には正当な理由が多数ありました。AISATSは既に、IBMのデータセンターでのオンプレミス実装に、ハードウェアとライセンスへの資本的支出を含む広範な投資を実施済みでした。IBM Cloudに移行することで、こうした資産への投資価値を維持でき、契約期間満了が近いソフトウェア・ライセンスも低コストで再発行できました。

さらに、IBM Cloudは、コンプライアンスとセキュリティー能力を標準装備する、SAP実行インフラストラクチャーとして認定されており、パフォーマンスに対するSAP技術チームからの評判も上々です。しかも、初期支払額を低く抑えておきながら徐々に追加料金を請求する一部他社の価格戦術と違い、IBMではすべて込みの料金を一度だけ請求する料金体系を採用しており、明示されていない料金負担や追加料金は発生しません。

チーム体制で、迅速でミスのない移行を実現

AISATSは複数のプロバイダーを検討後、SAP Business OneソリューションをIBM Cloudでホストする決断を下しました。「利用可能なオプションを基にすると、IBMが当社にとって最適であることは明白でした。最も有利なコストで当社の要件に対応し、実装中から実装後まで関連専門知識を提供可能という条件を備える適任のプロバイダーを選択したことは、当社の強みとなりました」(Gupta氏)。

BM Cloudの実行基盤となるIBM Cloud Bare Metal Serversは、豊富なセキュリティー機能を持つ、単一テナントのクラウド・インフラストラクチャーで高いパフォーマンスを実現する専用サーバーです。IBMチームはネットワークを最適化するために、IBM CloudにIBMの各種ネットワーキング・サービスをインストールしました。その一例が、ネットワーク・ゲートウェイ・アプライアンスであり、1月あたり5テラバイトの無料帯域幅が付属するため大幅なコスト削減に役立ちます。また、IBMクラウド・ストレージ・サービスは、バックアップ・サービスとデータ・ストレージ用に、ファイルとブロック・ストレージの両方を提供します。

2020年11月に移行が本格的に開始し、両社から多数の参加者が加わりました。IBM側では、IBM CloudとIBMコンサルティングチームが協力してインフラストラクチャー、ネットワーク、およびセキュリティー・コンポーネントの管理と実装にあたりました。AISATS社側はSAPアプリケーションの作成と移行を手掛けました。

このチームワークが奏功し、SAP Business Oneソリューションは2021年1月にIBM Cloudの新しい基盤への完全移行を果たし、2月末までに本番稼働を始めました。Gupta氏は次のように当時を振り返ります。「IBMは完璧な実装計画を立て、実行に移しました。プロジェクトの実装およびデリバリー・チームは対応がすばやく、プロセスの各段階で常に一足先に関連情報を提供してくれました」

SAP Business Oneソリューションは、短期的にハイブリッド・クラウド環境に置かれています。主な実装部分はインドのチェンナイにあるIBM Cloudデータセンターで実行され、災害復旧用の実装はシンガポールにあるデータセンターのオンプレミスで実行されます。この構成を取ることで、AISATS社は既存のハードウェア投資を損なうことなく、クラウド環境のメリットを享受できます。いずれ同社は両都市でIBM Cloudに完全に移行する予定です。

IBMは完璧な実装計画を立て、実行に移しました。プロジェクトの実装およびデリバリー・チームは対応がすばやく、プロセスの各段階で常に一足先に関連情報を提供してくれました Sanjay Gupta氏 CEO Air India SATS Airport Services Private Limited社
クラウドの未来

AISATS社は、IBM Cloud上でSAP Business Oneプラットフォームを実行することで、既に多くのメリットを享受しています。エンド・ユーザーはプラットフォームの使用時に、より迅速にプラットフォームにアクセスできます。また、モニタリングとアクセス制御能力が強化されているため、クラウド環境で各ユーザーが行っている作業をより明確に把握することもできます。IBM Cloudでは依存関係がはるかに少ないため、ハードウェア障害が発生しても、部品の交換や構成の調整をより迅速かつ柔軟に行えます。さらに、IBM Cloudに標準装備されている多数のコンプライアンス機能とセキュリティー機能による保護も適用されます。

Gupta氏は次のように説明します。「SAPプラットフォームをクラウドに移行スルことで、アクセスしやすさ、パフォーマンス、拡張性が劇的に向上しました。このトランスフォーメーション活動は、大幅なコスト削減という成果を当社にもたらしました。SAPソリューションからIBM Cloudに移行することで、ハードウェア、エネルギー支出、スペース利用の最適化、保守コストの低下が進み、コスト削減幅は35%に達しました。システムへのアクセシビリティ、使いやすさ、実行速度の向上などにより、パフォーマンスも80%向上しました」

同社は今後、AIを皮切りに既存のクラウド実装の拡張を図る計画であり、ブロックチェーンやIoT技術の統合も視野に入れています。「当社は今後、他のオンプレミス・サービスもクラウドに移行して、ユーザーが複数の製品間の統合をシームレスに行えるようにしたいと考えています。自動化と高可用性は当社のビジネス運営における重要な要素であり、これら技術的ケイパビリティーの強化に今後も重点を傾けていきます。また、IBMの将来の製品にAIを使用するビジネス・ソリューションを実装する計画もあります。

AISATS社は、IBM Cloudの実装能力、および専門知識や協調的なチームワークを中心とするIBMから受けたサービスの両方に対して、全般的に高い満足感を示しており、Gupta氏は次のように感想を述べます。「当社にとって大いなる収穫となったのは、IBMチームの各メンバーが示した高度のプロ意識でした。IBMはプロセス主導アプローチに従い、アーキテクチャーの設計から実装まで必要分野の専門家の関与とサポートを提供するなど、プロセス主導アプローチを取っており、これが当社のさまざまなニーズに対応するのに実に役立ちました」

AISATS社ロゴ
About Air India SATS Airport Services Private Limited(AISATS)社について

AISATS (ibm.com外部へのリンク)社は、インドを代表する航空会社、Air India Limitedと、アジアの空港サービス・食品ソリューション大手プロバイダー、SATS Limited社が50%ずつ出資した合弁事業です。2008年の操業開始以来、インド各地の空港で世界クラスの地上業務および貨物業務の取り扱いサービスを展開しています。顧客である航空会社とその乗客に対して、インド全域でシームレスな顧客体験を提供することで定評があります。世界クラスの顧客に対する長年にわたるサービスの提供、および航空エコシステムに関する深い知識を通じて得た能力を活用して、乗客サービス、ランプ業務の扱い、貨物管理、フライト運営、荷物の扱い、機内の整理・準備サービス、貨物取り扱いサービスを提供しています。

次のステップ
ミッションクリティカルなワークロードをクラウドに移行 Coca-Cola社 IBM CloudでITインフラストラクチャーのコストを20%削減し、新たなビジネスの成長をサポート Prysmian Group社 大手小売企業が節約、レジリエンス、持続可能性を求めてIBMを選択しています Salling Group社
脚注

© Copyright IBM Corporation 2022. 日本アイ・ビー・エム株式会社 〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町19-21

米国で製作、2022年2月

IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Cloudは、世界の多くの国々で法的に登録されているInternational Business Machines Corp.の商標です。その他の製品名およびサービス名は、IBMまたは他社の商標である可能性があります。IBM商標の最新リストは、ウェブ上の「著作権および商標情報」 https://www.ibm.com/jp-ja/legal/copytradeで入手できます。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。