ホーム お客様事例 ADVINI 仏テロワール・ワイン大手生産者であるAdViniは成長に軸足を置くためにIBM Cloudを選択
ブドウ園の風景

フランスのテロワール・ワイン生産の筆頭企業であるAdViniは、150年前にエロー地方のサン・フェリックス・ド・ロデ地域に設立されました。近年、ブルゴーニュ、ローヌ渓谷、プロヴァンス、ラングドック、ルシヨン、ボルドー地方および南アフリカでの名門のブドウ園畑の取得による持続的な外部成長により、会社は拡大しています。この急速な発展によりAdViniでは「オンプレミス」の情報システムの負荷が大きくなり、IT部門はクラウド移行ソリューションを検討することになりました。

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IBM Cloud for SAP

ビジネス上の課題

Adviniは、常に高度なテクノロジーを活用して事業を発展させてきました。長年にわたり、SAPツールを使用して、栽培から収穫、ワイン製造、最終製品の提供までの生産チェーン全体を管理してきました。「オンプレミス」モデルは会社の組織構造にしっかりと根付いていましたが、徐々に力不足となり、クラウドへの移行が検討されるようになりました。具体的には、次の4つの主要な課題により、IT部門はこのソリューションを検討するようになりました。


会社の成長: 外部成長をオペレーションすることによるAdViniの発展には、新しい会社、新しいリソース、新しいユーザーを周期的に組み入れることが必要となります。これには、技術的な投資、人的資源、時間が必要です。


「物理的」リスク: コアITシステムはサン・フェリックス・ド・ロデの本社にあります。ワイン生産にとっては楽園のような場所ですが、孤立した地域でもあり、通信と電気のインフラは大都市ほど堅牢ではありません。


「サイバー」リスク: 新しいユーザーや新しい企業が加わってくると、ハッキングのリスクが増加します。それと同時に、ハッキングの試みは、農業産業を含むますます多くの経済分野に影響を与えるものとなっています。


技術的進化: AdViniは、SAPサービス(ECC、HANAデータベース、Business Objectsなど)に基づいてISを構築しました。2013年に非常に強力なサーバーにインストールされましたが、25のサイトと6つの異なる生産工場からのデータ量に必要とされるリソースが足りなくなり限界に達し始めました。

概要と経緯

AdViniは、アプリケーションをクラウドに移行するためにIBMを選択しました。実際には、AdviniがISを構築したときにはAS400(IBM Power i)を採用しており、IBMとは長期の取引関係がありました。2013年に、SAP HANAの最初のバージョンをインストールしたのもIBMのエンジニアでした。Adviniは現在でも、人工知能を含むさまざまなテクノロジーの展開にIBMのサポートを利用し続けています。たとえば、地中海のブドウ園でIBM Watsonプラットフォームを使用してブドウ畑に必要な水量を予測し、高精度の灌漑管理を備えています。

AdViniのIT部門のリーダーシップの下で、3つのパートナーがこの移行に関与しました。サーバーのインストールにはIBM Cloudが採用されました。Kyndryl社はインフラストラクチャー・サービス会社でありIBMのスピンオフ企業ですが、環境構成、セキュリティー、バックアップ・システムのインストールを担当しました。SAPプラットフォームのクラウドへの移行にはApplium社が採用されました。

導入には、OrangeオペレーターとフランクフルトのIBM Cloud間のBVPNリンクの構築のためのプロジェクトの中断を含めて、7か月かかりました。SAP HANAとSAP Business Objectsの最新バージョンへの更新を含め、データベースからアプリケーション・サービスに至るまで、すべてが完全に再構築されました。

AdViniのITマネージャー、Jérôme Combarnous氏は、「IBMの取り組みはミッション全体を通じて揺らぐことはありませんでした」と強調します。「IBM Franceは当初から、リソース、高いパフォーマンス、セキュリティーを確実なものとするために、一般管理チームを関わらせて作業を開始しました。これはパートナーの選択において非常に重要な役割を果たしました。BVPNリンクの構築期間中、IBMはOrangeと協力して、可能な限り早期に解決策が見つかるようにしてくれました。「これらの複雑な問題にもかかわらず、そしてIBMは融資パッケージにも関わっていましたが、予算を維持してくれました。このような大規模なプロジェクトでは非常に珍しいことです」とJérôme Combarnous氏は付け加えます。

IBMの取り組みはミッション全体を通じて揺らぐことはありませんでした。 Jérôme Combarnous氏 ITマネージャー Advini社
メリット
 

このシステムは強力であることが実証されています。IBM Cloudは、予測可能で安定したパフォーマンスを発揮するベアメタル・サーバーを提供しました。旧システムでは、バックアップ時にはインフラストラクチャーが停止し、物流情報を入力できず、注文準備チームが日常的に業務に支障をきたしていました。この制約は完全に解消され、生産性が大幅に向上しました。

ITチームはサーバーを監視するというプレッシャーにさらされることはなくなりました。「IT部門についてはビジネス上のメリットや組織の利点についてよく語られますが、心理的な側面というのもあります。多くの従業員にとって、私もその一人ですが、この重責を負わなくてよくなったことで非常に解放された気持ちになり、より効率的に働けるようになりました」とJérôme Combarnous氏は言います。オンコール勤務と更新は、アウトソーシング・チームによって24時間年中無休で処理されます。社内チームは、新しいビジネス・ニーズと新しいプロジェクトの位置づけに集中できるようになりました。

「IBM Cloudに切り替えたことで、コアのISは非常に回復力の高いインフラストラクチャーになりました」とJérôme Combarnous氏は付け加えます。「IBM Cloudには、サイバーセキュリティーに関してほとんどの企業が有していない経験があります。絶対確実と言えるものはないとしても、現場での彼らの経験は私たちに真の安心感を与えてくれます。

最後に、財務面を見てみましょう。収益は増加したものの、AdViniは新型コロナウイルス感染症の危機により影響を受けました。クラウドを選択することで、多額の投資を月額料金に置き換えることが可能になりました。

「このプロジェクトは成功しました」とJérôme Combarnous氏は結論付けています。「そして、次のステップであるSAP S/4 HANAへの切り替えの準備が整いました。」

Adviniについて

AdViniはフランスのテロワール・ワイン生産の大手企業であり、最も有名なワイン産地に2,074ヘクタールのブドウ園を所有しています。所有園には、シャトーヌフ・デュ・パプのOgierとそのClos de L'Oratoire des Papes、サンテミリオンのChâteau Capet-Guillierとメドック・クリュ・ブルジョワのChâteau Patache d'Auxを所有するAntoine Moueix Propriétés、シャブリのDomaine Laroche、コート・ド・ボーヌのMaison Champy、ラングドックのVignobles JeanjeanとMas La Chevalière、ルシヨンのCazesとそのClos de Paulilles、プロヴァンス・サント・ヴィクトワールのGallierとそのChâteau GassierとChâteau de Roquefeuilleがあります。

AdViniは南アフリカにもあり、ステレンボッシュにはワイン観光農園のL'Avenir、Ken Forrester Vineyards、Le Bonheur Wine Estate、Stellenbosch VineyardsおよびKleine Zalze Winesなど、約250ヘクタールのブドウ園があります。

Advini Wine Estates and Vineyardsは着実に評判を積み重ねてきて世界的に認知されているという強みがあり、商品を輸出している国は110か国に及びます。