分析を容易にするためには、データ収集のスピードと効率が重要です。UOL Groupのビジネス・システムからの大量のデータは、迅速かつ正確に処理され、統合される必要がありました。

UOL Groupは、コアSAPアプリケーションをSAP HANAデータベースに移行し、最新のIBM Power Systemsサーバーと高性能のIBM Storwizeストレージにアップグレードしました。

UOL Groupは多くのショッピングモール、オフィス、ホテルを運営するシンガポール有数の不動産会社です。自社のパフォーマンスを向上と顧客のニーズに応えるため、同社は業務の一環として不動産に関するデータの照合と分析を行っています。

データ分析の効率と生産性の向上を促進するため、また既存のハードウェアの交換時期が近づいていたため、同社は最新のテクノロジーソリューションを探し始めました。

UOL Groupは、中核となるSAP ERP（ibm.com外部リンク）アプリケーションを使用して、財務、調達、資材管理などの多くの業務機能を管理しています。

SAPデータの分析を加速するため、また既存のハードウェアの交換時期が迫っていたため、同社はSAP ERP環境全体をSAP HANAデータベースに移行することを決めました。

SAP HANAデータベースをサポートするために、同社は最先端のIBM Power System S824Lサーバーを3台導入しました。これらのサーバーは、IBM PowerVMで仮想化され、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsオペレーティングシステムを実行します。

SAP HANAとSAP ERPソリューションの両方のデータは、IBM Storwize V5020デバイスに保存され、IBM TS5100テープ・ライブラリーに自動でバックアップされます。IBMのインフラストラクチャーには災害復旧用のデバイスが含まれており、IBM Systems Lab Servicesにはバックアップサイト間のSAP HANAデータの複製が設定されています。

IBMのビジネス・パートナーであるHitachi Consulting Singaporeがハードウェアの調達をサポートし、同じくIBMのビジネス・パートナーであるTech Data Advanced Solutionsが販売代理店を務めました。また、IBMのビジネス・パートナーであるSimpliopenがデプロイメントをサポートし、質問や問題が発生した場合の単一窓口としての役割を務めました。

UOL GroupのグループIT担当アシスタント・ゼネラル・マネージャーであるFoo Say Twang氏は次のように説明します。「SAP HANAソリューションは、世界中の従業員に信頼性の高いプラットフォームを提供します。IBMは信頼性、パフォーマンス、コストパフォーマンスを兼ね備えていると感じました。IBMチームは私たちの問い合わせに親切に対応してくれましたし、彼らとは良好な関係を築いています。IBMとそのパートナーによるソリューションと実装サービスのどちらにも満足しています。」

SAP環境全体をIBM Power Systems サーバーにデプロイされたSAP HANAに移行することにより、UOL Groupのデータベースパフォーマンスは大幅に向上しました。

「SAP HANAとIBM POWER8サーバーに移行して以来、レポートの実行が以前よりも速くなり、パフォーマンスは平均で30%向上しました。」と同氏。「その結果、従業員の生産性が上がり、レポートが以前より速く届くようになりました。」

データセンターの消費電力を削減することができたため、IBMのソリューションはUOL Groupによる、より環境に優しいITアプローチを追求にも役立っています。

また、同氏はこう言います。「以前のサーバーは、データセンター内で2つのラックを使用していましたが、新しいIBM Powerサーバーでは1つだけです。そのため、二酸化炭素排出量が半減しました。省スペース化により、データセンターを拡張せずに成長する余裕ができ、不要な設備投資も回避できました。」

「さらに、物理マシンをより少ない台数に統合することで、企業のサスティナビリティー目標に従い、エネルギー消費量を約65%削減できました。」

今後、UOL Groupでは従業員がSAP Fioriを利用できるようにする予定です。これにより従業員は自分のモバイル端末で業務タスクを完了できるようになり、さらなる生産性の向上が見込めます。

「ホテルのマネージャーには、稼働率の高さを確保する、大きなイベントを計画する、購入を承認するなど、多くの責任があります」とFoo氏。「このような事務的な仕事ばかりでは、デスクから離れられなくなるかもしれません。」

「SAP Fioriを導入することで、彼らが外出先でより多くのタスクをこなせるようにしたいと思っています。そうすることで、彼らはお客様と顔を合わせる時間や関係構築に多くの時間を費やすことができ、お客様の意見を理解し、改善点を突き止められるようになるでしょう。」

Foo氏は次のようにまとめます。「IBM Power Systems上でSAP HANAを稼動させることで、従業員が重要なレポートを以前よりも迅速に受け取れるようになり、メリットが生まれると考えています。今後が楽しみです。」

UOL Group（ibm.com外部リンク）は、開発および投資用不動産、ホテル、サービススイートの広範なポートフォリオを擁するシンガポールの大手デベロッパーの1つです。UOL Groupは、ホテル子会社のPan Pacific Hotels Group Limited（PPHG）とともに、Pan PacificおよびPARKROYALの2つのブランドを所有しています。PPHGは現在、アジア、オセアニア、北米で30か所を超えるホテルを所有・管理しています。