公開鍵と秘密鍵のサイズに関する考慮事項

RACF® には、秘密鍵を持つ証明書について、秘密鍵のサイズに関する制約事項があります。

NISTECC 鍵の場合、有効な鍵サイズは 192、224、256、384、および 521 ビットです。BPECC 鍵の場合、有効な鍵サイズは 160、192、224、256、320、384、および 512 ビットです。

DSA 鍵の場合、最小鍵サイズは 512 です。RSA 鍵の場合、公開鍵データ・セット (PKDS) 上のクリア RSA 鍵とセキュア RSA 鍵の最小サイズは 512 ビットです。トークン鍵データ・セット (TKDS) 上のセキュア RSA 鍵の最小サイズは 1024 ビットで、サイズは 256 の倍数でなければなりません。鍵の最大サイズは、アメリカ合衆国輸出規制によって決定され、RACF および z/OS 内の非 RACF コードによって制御されます。使用しているインストール・システムに応じて、非 RACF コードにより、強制的にさらに小さい最大サイズにされる場合があります。

鍵の最大サイズ: 鍵タイプに応じた秘密鍵の最大鍵サイズは、次のとおりです。
秘密鍵タイプ 鍵の最大サイズ
RACF データベース内に保管される RSA 鍵 4096 ビット
セキュア鍵として ICSF TKDS に保管される RSA 鍵 4096 ビット
CRT 鍵トークンとして ICSF PKDS 内に保管される RSA 鍵 4096 ビット
DSA 鍵 2048 ビット
ME 鍵トークンとして ICSF PKDS 内に保管される RSA 鍵 1024 ビット
NISTECC 鍵 521 ビット
BPECC 鍵 512 ビット

現在、RSA 鍵の標準サイズは次のとおりです。

鍵サイズ 鍵の強度
 512 ビット 低強度鍵
1024 ビット 中強度鍵
2048 ビット 高強度鍵
4096 ビット 超高強度鍵

鍵の強度に関する考慮事項: NISTECC または BPECC を指定した場合に生成される ECC タイプの短い鍵は、より長い RSA 鍵と同等の強度を得ることができます。

次のサイズの RSA、NISTECC、および BPECC 鍵は、強度が同等です。
RSA 鍵サイズ NISTECC 鍵サイズ BPECC 鍵サイズ
 1024 ビット 192 ビット 160 または 192 ビット
 2048 ビット 224 ビット 224 ビット
 3072 ビット 256 ビット 256 または 320 ビット
 7680 ビット 384 ビット 384 ビット
15360 ビット 521 ビット 512 ビット
署名に使用されるハッシュ・アルゴリズム: RACF は、SHA-1 または SHA-2 ハッシュ機能に基づく一連のセキュア・ハッシュ・アルゴリズムを使用して証明書に署名します。署名鍵が DSA タイプの場合、すべてのサイズの鍵に SHA-1 アルゴリズムが使用されます。 署名鍵が RSA、NISTECC、または BPECC タイプの場合、署名鍵のサイズにより、署名に使用されるハッシュ・アルゴリズムが次のように決まります。

署名に使用される
ハッシュ・
アルゴリズム

署名鍵のサイズ
RSA NISTECC BPECC
SHA-1 2048 ビット未満
SHA-256

2048 ビット以上

192、224、
または
256 ビット

160、192、224、
256、または
320 ビット

SHA-384 384 ビット 384 ビット
SHA-512 521 ビット 512 ビット