要求メトリックで収集できるデータ

通常、エンタープライズ・アプリケーションのそれぞれのコンポーネントは、分散システム内の複数のノードにまたがってホスティングされています。 例えば、複数のサーブレットが 1 つのノードで稼働していると同時に、 それらのサーブレットが依存するエンタープライズ Bean が全く別のノードで稼働している場合があります。 下図に示されるように、要求があるプロセスに入力されると、そのプロセスは要求を 1 つ以上のダウンストリーム・プロセスに送信します。

図

トレース・レコードは、プロセスの関連する経過時間で各プロセスに生成されることがあります。 これらのトレース・レコードは、「 要求メトリックを使用する理由」の図のように、分散システムを介した要求フローの全体像を作成するために相互に関連付けられている可能性があります。

プロセス応答時間は要求メトリックによりモニターされ、アプリケーション応答測定 (ARM) インターフェースおよびシステム・ログ・ファイルを介して見ることができます。 要求がアプリケーション・サーバーに送信されると、 要求および関連するダウンストリーム呼び出しを開始するための応答時間が要求メトリックにより収集されます。 要求メトリックは、要求 (例えばトランザクション) が Web サーバー、プロキシー・サーバー、およびアプリケーショ ン・サーバーを行き交うため、以下のコンポーネントに装備され ます。

  • Web サーバー・ポートの使用時のみ使用可能な Web サーバー・プラグイン。
  • サーブレットおよび Web サービス要求として装備されているプロキシー・サーバー。
  • サーブレットおよびサーブレット・フィルターを含む Web コンテナー。
  • Enterprise JavaBeans (EJB) コンテナー。
  • Java™ DataBase Connectivity (JDBC) 呼び出し。
  • Java EE コネクター・アーキテクチャー (JCA)。
  • サーバー・サイドとクライアント・サイドの両方の Web サービス。
  • Java Message Service (JMS) エンジン。
  • サービス統合バス (SIB)。
  • ポートレット要求を含むポートレット・コンテナー。
  • 非同期 Bean。

装備するコンポーネントを選択します。 例えば、Web コンテナーおよび JMS API のみのインスツルメンテーション・データが必要な場合、管理コンソールでそのデータを選択すると、選択したコンポーネントのみの詳細なインスツルメンテーション・データが生成されます。 エッジ・トランザクションは、計測を指定されていないその他のコンポーネントのために、トレースされます。

フィルター操作が使用可能な場合、フィルターと一致する要求のみが、要求メトリック・データを生成するか、ログ・レコードを作成するか、または ARM インターフェースを呼び出します。 特にトレース情報を生成する目的で稼働中のシステムに処理を追加し、システムに影響を与える可能性がある他のソースからの要求を無視して、通常の負荷の状況における特定のタイプの要求のパフォーマンスを評価することができます。 要求が、「なし」より上位のトレース・レベルのフィルターと一致した場合、その要求のトレース・レコードが生成されます。