管理エージェント環境のセットアップ

管理エージェント環境は、管理エージェントとそれが管理するスタンドアロン・アプリケーション・サーバーによって構成されます。 管理エージェント環境のセットアップには、1 つの管理エージェント・プロファイルと 1 つ以上のスタンドアロン・アプリケーション・サーバー・プロファイル (ノード と呼ばれます) を同じコンピューター上に作成し、その後、それらのノード・プロファイルを管理エージェントに登録することが含まれます。

事前処理

WebSphere® Application Server 製品をインストールします。

管理エージェントで管理するノードには、管理エージェントと同じ製品があること、および製品がそれらのノードと管理エージェントで同じバージョン・レベルであることを確認します。 登録済みノードのすべての管理機能を処理するためには管理エージェントに一致する環境がなければならないため、この要件は必須です。 ノードに同一の製品およびバージョンのセットがない限り、そのノードは管理エージェントに登録できません。

セキュリティーが有効な場合、DMZ プロキシーは管理エージェントを処理しません。 DMZ プロキシー環境では、セキュリティーを有効なままにして、管理エージェントを使用しないでください。

移行ユーザーの場合: 以前にバージョン 8.0 以前で実行していて、不一致の製品またはバージョンを持つ管理対象ノードを持つ管理エージェントがある場合、バージョン 8.5 以降にマイグレーションすると、その管理エージェントは不一致のノードに対してサブシステムを開始できません。 管理エージェントでそうした登録済みノードの管理を再開するには、そのようなノードを管理エージェントと同じ製品およびバージョンを持つように更新し、ノード上のサーバーを再始動してから管理エージェントを再始動する必要があります。

このタスクの概要

管理エージェントを使用して、同じコンピューター上にあるベース (スタンドアロン) アプリケーション・サーバーを管理できます。

管理エージェントと管理対象ノードは、柔軟な管理環境の一部です。

ご使用の環境に管理エージェントを追加するには、 manageprofiles コマンドまたはプロファイル管理ツールを使用して、管理エージェントを作成します。 ノードを追加するには、スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・プロファイルを作成し、そのスタンドアロン・アプリケーション・サーバーを管理エージェントに登録します。

ノードは、管理エージェントと同じコンピューター上にある必要があります。

柔軟な管理環境内のプロファイルのセキュリティーがすべて有効になっているか、無効になっていることを確認します。

手順

  1. 管理エージェント環境のトポロジーを決定します。

    どのコンピューター、スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノード、およびアプリケーションなどのノード・リソースを使用するか決定します。

    スタンドアロン・アプリケーション・サーバーを管理するには、そのスタンドアロン・アプリケーション・サーバーが置かれている各コンピューター上で管理エージェントを使用します。 詳しくは、「 WebSphere Application Server トピックのシナリオ 5 を参照してください。

  2. ご使用の管理エージェント環境に必要なセキュリティー・ロールを決定します。

    管理エージェント環境では通常、同じコンピューター上に 1 つの管理エージェント・プロファイルと 1 つ以上の スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・プロファイルが存在します。 スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードは、管理エージェントに登録されます。 環境内のプロファイルは、セキュリティーがすべて有効になっているか、無効になっている必要があります。 プロファイルの作成時に、セキュリティー・オプション、ユーザー名、およびパスワードを指定できます。

    管理エージェントの使用、および登録済みノードとノード上のリソースの管理を許可する、セキュリティー・ロールが必要です。 詳しくは、管理エージェントのセキュリティーのトピックを参照してください。

  3. 管理エージェント用の管理プロファイルを作成します。

    プロファイル管理ツールまたは manageprofiles コマンドを使用できます。

    例えば、プロファイル管理ツールで、「管理」環境を選択して「次へ」をクリックし、「管理エージェント」サーバー・タイプを選択してプロファイルを作成するオプションを選択します。 デフォルトでは、管理エージェントには自身の管理コンソールがあり、管理セキュリティーは有効で、コンソール・ポートは 9060 です。 管理セキュリティーを無効にする、セキュリティー証明書を指定する、またはデフォルト・ポートを変更するには、管理エージェント・プロファイル作成時に拡張プロファイル作成オプションを使用します。

    デフォルトでは、製品インストール済み環境の最初の管理エージェント・プロファイルの名前は AdminAgent01、およびそのサーバー名は adminagent です。

    詳しくは、管理エージェントの管理プロファイル作成に関するトピックを参照してください。

    manageprofiles の例については、manageprofiles コマンドに関するトピックを参照してください。 -templatePath には、management テンプレートを指定します。 -serverType には、ADMIN_AGENT を指定します。

  4. 柔軟な管理環境で使用する予定の、スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードのプロファイルを作成します。

    管理エージェント・プロファイルがあるコンピューターと同じコンピューター上にある、1 つ以上のスタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードに、プロファイルを作成します。 プロファイル管理ツールまたは manageprofiles コマンドを使用できます。

    例えば、プロファイル管理ツールで、「アプリケーション・サーバー」環境を選択し、「次へ」をクリックしてから、プロファイルを作成するオプションを選択します。 デフォルトでは、アプリケーション・サーバーには独自の管理コンソールがあり、管理セキュリティーは有効になっていてコンソール・ポートは 9060 です。 管理セキュリティーを無効にする、セキュリティー証明書を指定する、サンプル・アプリケーションのインストールを指定する、またはデフォルト・ポートを変更するには、アプリケーション・サーバー・プロファイル作成時に拡張プロファイル作成オプションを選択します。

    デフォルトでは、製品インストール済み環境の最初のアプリケーション・サーバー・プロファイルの名前は AppSrv01、およびそのサーバー名は server1 です。

    詳しくは、アプリケーション・サーバー・プロファイルの作成に関するトピックを参照してください。

    manageprofiles の例については、manageprofiles コマンドに関するトピックを参照してください。 -templatePath には、default テンプレートを指定します。 -serverType パラメーターは指定しないでください。

  5. 管理エージェント・サーバーを開始します。
    • startServer コマンドを実行します。

      例えば、 AdminAgent01 プロファイルがサーバー名 adminagent を持つとします。 AdminAgent01 プロファイルの bin ディレクトリーから次のコマンドを実行します。

      startServer adminagent
    • [Windows]Windows オペレーティング・システムのタスクバーを使用します。

      「スタート」 > [すべての] プログラム > IBM WebSphere > product_name > 「プロファイル」 > administrative_agent_profile_name > 「管理エージェント管理サーバーの始動」をクリックします。

    管理エージェントが正常に開始すると、 open for e-business メッセージが表示され、管理エージェントの startServer.log ファイルに書き込まれます。

    Server launched.  Waiting for initialization status.
    Server adminagent open for e-business; process id is 1932.

    詳しくは、管理エージェントの始動と停止に関するトピックを参照してください。

  6. スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードを管理エージェントに登録します。

    管理エージェントの registerNode コマンドを実行します。

    registerNode コマンドを実行する際に、ノード名の割り当てには -node、管理エージェントのコネクター・ポートの割り当てには -port など、パラメーターをオプションで指定することができます。 登録しているノードのセキュリティーが有効で、ノードのユーザー名とパスワードが管理エージェントで使用されるものと異なる場合、-nodeusername-nodepassword に値を指定します。 詳しくは、registerNode コマンドに関するトピックを参照してください。

    AppSrv01 プロファイルを管理エージェントに登録するには、管理エージェント・プロファイルの bin ディレクトリーから、次のコマンドを実行します。

    [IBM i]
    registerNode -profilePath user_data_root/profiles/AppSrv01
    [Linux][AIX][HP-UX][Solaris]
    registerNode.sh -profilePath app_server_root/profiles/AppSrv01
    [Windows]
    registerNode -profilePath app_server_root\profiles\AppSrv01
    [Windows]例えば、 AppSrv01 プロファイルを管理エージェントに登録し、その他の値 (管理エージェント・ポートには 8877 、 AppSrv01 ノード名には nodeA など) を指定するには、管理エージェント・プロファイルの bin ディレクトリーから以下のコマンドを実行します。
    registerNode -profilePath C:\v80_WAS\IBM\WebSphere\AppServer\profiles\AppSrv01 -host localhost -conntype SOAP -port 8877 -name nodeA
    管理エージェントが例えば、リモート接続タイプに IPC を使用し、IPC コネクター・アドレス・ポート番号に 9642 を使用する場合は、コマンドで -conntype SOAP -port 8877ではなく -conntype IPC -port 9642 を指定します。

    詳しくは、registerNode コマンドに関するトピックを参照してください。

  7. ノードが管理エージェントに登録されていることを検証します。

    管理エージェント・コンソールまたは wsadmin スクリプト・コマンドを使用して、管理エージェントに登録されているノードのリストを表示できます。

    • 管理エージェント・コンソールを使用して管理対象ノードのリストを表示します。
      1. 管理エージェント・コンソールを開始します。

        [Windows] 「スタート」 > [すべて] プログラム > IBM WebSphere > product_name > 「プロファイル」 > administrative_agent_profile_name > 「管理コンソール」をクリックします。

      2. 管理エージェント・コンソールの開始ページで、管理エージェントを管理するために選択します。 管理エージェントには、 host_nameAANode01などの名前があります。
      3. 管理エージェントのコンソールにログインします。
      4. 「ノード」ページを調べます。
        1. 「システム管理」 > 「管理エージェント」をクリックします。
        2. 「管理エージェント」ページの「構成」タブで、「ノード」をクリックします。
      5. 「ノード」ページに、管理エージェントに登録されているノードがリストされていることを確認します。
    • AdminConfig list コマンドを使用して、管理対象ノードのリストを表示します。 以下の wsadmin スクリプト・コマンドを管理エージェントの bin ディレクトリーから実行します。
      • Jython スクリプト言語を使用するには、以下の 2 つのコマンドを続けて入力します。
        wsadmin -lang jython
        
        print AdminConfig.list('ManagedNode')
      • Jacl スクリプト言語を使用するには、以下の 2 つのコマンドを続けて入力します。
        wsadmin
        
        $AdminConfig list ManagedNode

      スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードが管理エージェントに登録されていることを確認した後、quit を入力して wsadmin スクリプト・ツールを終了します。

  8. スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードを始動します。

    startServer コマンドを実行します。

    [Linux][AIX][Windows][HP-UX][Solaris]例えば、 AppSrv01 スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・プロファイルのサーバー名が server1であるとします。 AppSrv01 プロファイルの bin ディレクトリーから次のコマンドを実行します。

    startServer server1

    [Windows]Windows オペレーティング・システムのタスクバーを使用することもできます。 「スタート」 > [すべて] プログラム > IBM WebSphere > product_name > 「プロファイル」 > application_server_profile_name > 「サーバーの始動」をクリックします。

    サーバーが正常に始動すると、 open for e-business メッセージが表示され、 startServer.log ファイルに書き込まれます。

    詳しくは、startServer コマンド、およびアプリケーション・サーバーの始動に関するトピックを参照してください。

結果

管理エージェント環境がセットアップされ、ノードが実行されています。

次の作業

管理エージェントを使用して、スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードのモニターおよび構成を行います。 例えば、スタンドアロン・アプリケーション・サーバー を管理エージェントに登録した後、そのスタンドアロン・アプリケーション・サーバー で作業するには、管理エージェント・コンソールを使用して行う 必要があります。 管理エージェント・コンソールのログイン・ページで、 スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードを選択して、 アプリケーション・サーバー・コンソールにアクセスします。