コレクター・ツールは、 WebSphere Application Server インストール済み環境に関する情報を収集し、それを Java™ アーカイブ (JAR) ファイルにパッケージ化します。このファイルを IBM® カスタマー・サポートに送信して、問題の判別と分析に役立てることができます。 JAR ファイル内の情報には、ログ、プロパティー・ファイル、構成ファイル、オペレーティング・システムと Java のデータ、および各ソフトウェア前提条件の存在とレベルが含まれます。
事前処理
IBM の製品コードには、問題を報告する際に提供する必要がある情報を収集するのに役立つその他のツールとともに、コレクター・ツールが組み込まれています。 コレクター・ツールは、問題報告をできるだけ簡単かつ完全に実行できるように設計されています。
コレクター・ツールの使用には次の 2 段階があります。 第 1 フェーズでは、 WebSphere® Application Server 製品でコレクター・ツールを実行し、Java アーカイブ (JAR) ファイルを生成します。 次に、IBM サポート・チームが 2 つ目の段階を実行し、
コレクター・プログラムによって生成された JAR ファイルを分析します。 コレクター・プログラムは、欠落ファイルや無効コマンドのような
エラーが見つかっても、最後まで実行して JAR ファイルを作成します。 コレクター・ツールは、できる限り多くのデータを JAR ファイルに収集します。
このタスクの概要
このツールは、 WebSphere Application Serverのインストール・ルート・ディレクトリー内にあります。 このツールは、インストール・ルート・ディレクトリーの外部に作成した作業ディレクトリーから実行します。 以下の手順では、このツールを使用し、その実行結果を報告するための、上記のステップおよびその他のすべてのステップについて説明します。
コレクター・ツールの実行に 2 つの方法があります。 コレクター・ツールを実行して、サマリー・データを収集するか、またはシステムを全探索して関係のあるファイルやコマンド結果を収集します。 コレクター・ツールにより、問題の特定と解決に必要な情報を含む JAR ファイルが生成されます。 コレクター・サマリー・オプション は、 IBM サポートに最初に問題を報告するときに役立つ、バージョンおよびその他の情報の単純なコレクションを生成します。 root ユーザーまたは管理者ユーザーとしてコレクター・ツールを実行し、カーネル設定、インストール済みパッケージ、およびその他の重要データに関する情報が含まれているシステム・ファイルにアクセスします。
別のプロファイルを示すオプション・パラメーターを使用していなければ、このツールはデフォルト・プロファイルに関する情報を収集します。
手順
![[AIX Solaris HP-UX Linux Windows]](../images/ngdist.svg)
コレクター・ツールを実行します。
複数サーバー製品の場合は、 DMgr
ノードでコレクター・ツールを実行して、セル全体の構成が収集されるようにします。 サーバー・ノードから実行すると、そのノードのサーバーの構成しか収集されません。
- Windows プラットフォームで、root または管理者グループのメンバーとしてシステムにログオンします。
-
WAS_HOME
ディレクトリーの外部に、コレクター・プログラムを開始できる作業ディレクトリーを作成します。例えば、 /tmp/collector-log ディレクトリーを作成できます。
- その作業ディレクトリーを現行ディレクトリーにします。
例えば、 cd /tmp/collector-log コマンドを実行します。
- 作業ディレクトリーのコマンド行から完全に修飾されたコマンドを入力し、
コレクター・プログラムを実行します。
重要: 以下の例のように、コマンドで完全修飾パスを使用して、ステップ 2 で作成した作業ディレクトリーからツールを実行します。
/usr/IBM/WebSphere/AppServer/bin/collector.sh
このツールは、現行作業ディレクトリーに保存される JAR ファイル (例えば、
/tmp/collector-log/collector.jar) を生成します。
- オプション:
app_server_root/bin/
ディレクトリーではなく、プロファイルの bin ディレクトリーからコレクター・ツールを実行できます。
次のコマンドを実行します。
profile_root
の bin ディレクトリーからコレクター・ツールを実行した場合は、 app_server_root\bin\collector.bat -profileName
profile_name
から実行した場合と同じ出力が表示されます。
プロファイルからコマンドを発行すると、プロファイルの bin ディレクトリーにある setupCmdLine.bat/sh ファイルも実行されます。 このファイルは、収集するプロファイル・データを決定するためにコレクターが使用する環境パラメーターを設定します。
例えば、デプロイメント・マネージャーに対してこのコマンドを実行するには、プロンプトで
![[Linux]](../images/nglinux.svg)
![[AIX]](../images/ngaix.svg)
![[z/OS]](../images/ngzos.svg)
![[HP-UX]](../images/nghpux.svg)
![[Solaris]](../images/ngsolaris.svg)
を発行します。
app_server_root/profiles/dmgr/bin/collector.sh
![[Windows]](../images/ngwin.svg)
app_server_root\profiles\dmgr\bin\collector.bat
ここで、
dmgr はデプロイメント・マネージャーのプロファイル名です。
コレクター・ツールを実行します。
- 全オブジェクト (*ALLOBJ) 特殊権限を持つユーザー・プロファイルを使用してシステムにログオンします。
-
WAS_HOME
ディレクトリーの外部に、コレクター・プログラムを開始できる作業ディレクトリーを作成します。例えば、 /tmp/collector-log ディレクトリーを作成できます。
- CL コマンド行から STRQSH コマンドを実行して、コレクター・プログラムの実行を準備します。
- その作業ディレクトリーを現行ディレクトリーにします。
例えば、 cd /tmp/collector-log コマンドを実行します。
- Qshell から以下のコマンドを実行します。
cd workingDirectory
コレクター・プログラムは、JAR 出力ファイルを現行ディレクトリーに書き込みます。 またこのプログラムは、現行ディレクトリー内の多数の一時ファイルの作成と削除も行います。 作業ディレクトリーを作成してコレクター・プログラムを実行することで、名前の衝突が回避され、クリーンアップが容易になります。 WebSphere Application Server Network Deploymentのインストール・ルート・ディレクトリーの下のディレクトリーでコレクター・ツールを実行することはできません。
- 作業ディレクトリーのコマンド行から完全に修飾されたコマンドを入力し、
コレクター・プログラムを実行します。
重要: 以下の例のように、コマンドで完全修飾パスを使用して、ステップ 2 で作成した作業ディレクトリーからツールを実行します。
/usr/IBM/WebSphere/AppServer/bin/collector.sh
このツールは、現行作業ディレクトリーに保存される JAR ファイル (例えば、
/tmp/collector-log/collector.jar) を生成します。
- オプション:
app_server_root/bin/
ディレクトリーではなく、プロファイルのルート・ディレクトリーからコレクター・ツールを実行することもできます。
profile_root
の bin ディレクトリーからコレクター・ツールを実行した場合は、 app_server_root
から実行した場合と同じ出力が表示されます。
プロファイルからコマンドを発行すると、プロファイルの bin ディレクトリーにある setupCmdLine ファイルも実行されます。 このファイルは、収集するプロファイル・データを決定するためにコレクターが使用する環境パラメーターを設定します。
例えばデプロイメント・マネージャーでこのコマンドを実行するには、
プロンプトで以下を発行します。
app_server_root/profiles/dmgr/bin/collector
ここで、
dmgr はデプロイメント・マネージャーのプロファイル名です。
結果
コレクター・プログラムが、Collector.log ログ・ファイルと出力 JAR ファイルを現行ディレクトリーに作成します。
JAR ファイルの名前は、ホスト名、セル名、ノード名、およびプロファイル名で構成されます。
host_name-cell_name-node_name-profile_name.JAR
Collector.log ログ・ファイルは、host_name-cell_name-node_name-profile_name.JAR ファイル内に収集されるファイルの 1 つです。
次の作業
host_name-cell_name-node_name-profile_name.JAR ファイルを分析のため IBM サポートに送信してください。