TCP/IPファイル転送の開始 (STRTCPFTP)
| 実行可能場所: すべての環境 (*ALL) スレッド・セーフ: いいえ |
パラメーター 例 エラー・メッセージ |
TCP/IPファイル転送プロトコル開始(STRTCPFTP)コマンドは,伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)を使用してシステム間でファイルを転送するファイル転送プロトコル(FTP)クライアント・アプリケーションを開始するために使用されます。FTPは,リモート・システムとの間のファイル転送に使用されるアプリケーション・プロトコルです。FTPでは,リモート・システムのファイルにアクセスするためにユーザー識別コードが必要であり,また,場合によってはパスワードが必要です。
パラメーターのマッピング: データのマッピングは,EBCDICサブコマンドまたはBINARYサブコマンドが有効となっている場合を除き,ローカル・システムとリモート・システムの間のすべてのデータ(たとえば,ユーザー・データおよびプロトコル・データ情報)に対して使用されます。これらの場合には,ユーザー・ファイル・データのマッピングは行なわれません。
FTP属性変更(CHGFTPA)コマンドを使用して,FTPのサーバー・マッピング・テーブルを指定することができます。
| 上 |
パラメーター
| キーワード | 記述 | 選択項目 | ノーツ |
|---|---|---|---|
| RMTSYS | リモート・システム | 文字値, *INTNETADR | 必須, 定位置 1 |
| INTNETADR | IPアドレス | 文字値 | オプショナル |
| CCSID | コード化文字セットID | 1-65533, *DFT | オプショナル |
| PORT | ポート | 1-65535, *DFT, *SECURE | オプショナル |
| SECCNN | 保護接続 | *DFT, *NONE, *SSL, *IMPLICIT, *KERBEROS | オプショナル |
| DTAPROT | データ保護 | *DFT, *CLEAR, *SAFE, *PRIVATE | オプショナル |
| TBLFTPOUT | 発信EBCDIC/ASCIIテーブル | 単一値: *CCSID, *DFT その他の値: 修飾オブジェクト名 |
オプショナル |
| 修飾子 1: 発信EBCDIC/ASCIIテーブル | 名前 | ||
| 修飾子 2: ライブラリー | 名前, *LIBL, *CURLIB | ||
| TBLFTPIN | 受信ASCII/EBCDICテーブル | 単一値: *CCSID, *DFT その他の値: 修飾オブジェクト名 |
オプショナル |
| 修飾子 1: 受信ASCII/EBCDICテーブル | 名前 | ||
| 修飾子 2: ライブラリー | 名前, *LIBL, *CURLIB | ||
| APPID | アプリケーションID | 名前, *DFT | オプショナル |
| 上 |
リモート・システム (RMTSYS)
ファイルの転送を行なうリモート・システム名を指定します。正常に実行するためには,リモート・システム名は有効なもので,システムはそのローカル・システムと通信できなければなりません。TCP/IPの構成メニュー(CFGTCPコマンド)のTCP/IP ホスト・テーブル項目処理オプションでIPアドレスに名前を割り当てることができます。また,リモート・ネーム・サーバーを使用して,リモート・システム名をIPアドレスにマップすることができます。CFGTCPメニューのリモート・ネーム・サーバー変更オプションを使用して,リモート・ネーム・サーバーを指定することができます。
- *INTNETADR
- INTNETADRパラメーターのプロンプトが表示されます。
- 文字値
- ファイルの転送を行なうリモート・システム名を指定します。
| 上 |
IPアドレス (INTNETADR)
ファイル転送アプリケーションを開始するリモート・システムのIPV4またはIPV6インターネット・アドレスを指定します。
IPV4インターネット・アドレスは,NNN.NNN.NNN.NNNの形式で指定されます。ここで,NNNは0から255の範囲の10進数です。IPV4インターネット・アドレスは,そのアドレスのネットワークID部分またはホストID部分がすべて2進数の1 または2進数のゼロの値である場合には無効です。
IPV6インターネット・アドレスは,XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXXの形式で指定されます。ここで,各Xは4ビットを表す16進数字です。16進数字は,0から9までの数か,A, B, C, D, E,またはFの文字です。"::"は,1つ以上の16ビットのゼロのグループを示すために,IPV6アドレス内で1回使用される場合があります。"::"を使用してアドレス内の先行,組み込み,または後続のゼロを圧縮することがあります。
IPアドレスをコマンド入力行から入力する場合には,そのアドレスをアポストロフィで囲まなければなりません。
- 文字値
- リモート・システムのIPアドレスを指定します。
| 上 |
コード化文字セットID (CCSID)
FTP TYPEモードがASCIIに設定される時に,1バイト文字セット(SBCS)ASCII ファイル転送で使用されるASCIIコード化文字セット識別コード(CCSID)を指定します。また,TYPEサブコマンドが出されない場合には,ASCIIファイル転送と見なされます。選択されるCCSID値は,ASCII-EBCDICおよびEBCDIC-ASCIIマッピングのFTPクライアントによって使用される省略時の値です。マッピングは,ジョブに指定されたASCII CCSIDおよびEBCDIC CCSIDを使用して判別されます。
発信および着信マッピングは,TBLFTPOUTおよびTBLFTPINパラメーターに定義されたマッピング・テーブルによって任意に実行することができます。通常,TBLFTPOUT およびTBLFTPINパラメーターは,省略時の値の*CCSIDまたは*DFTに設定されます。この両方のパラメーターは,CCSIDパラメーターで使用される値がマッピングで使用されることを示します。マッピング・テーブルが発信マッピングに使用される場合には,テーブル・オブジェクトをTBLFTPOUTパラメーターに指定することができます。TBLFTPOUTパラメーターに指定されたテーブル・オブジェクトは,CCSID値の代わりに使用されます。
TBLFTPINパラメーターにテーブル・オブジェクトを指定することによって,マッピング・テーブルを使用するために,着信マッピングを変更することができます。このマッピング・テーブルは,指定されたCCSID値を一時変更して,着信マッピングに使用されます。
このパラメーターには,2バイト文字セット(DBCS)CCSID値は許されません。DBCS 値は,TYPEサブコマンドを使用して指定することができます。
注: IBMでは,V3R1以前のリリースと互換性を持たせるために,FTPにマッピング・サポートが組み込まれています。着信TYPE Aファイル転送にマッピング・テーブルを使用すると,ターゲット・ファイルの作成が必要な場合に,CCSIDタグが失われる結果となります。IBMでは,通常操作にはCCSIDサポートを使用することを強くお勧めします。
- *DFT
- CCSID値00819 (ISO 8859-1 8ビットASCII)が使用されます。
- 1-65533
- 使用するCCSID値を指定してください。有効なSBCS CCSIDが要求されたことを確認するために,この値の妥当性検査が行われます。
TBLFTPOUTおよびTBLFTPINパラメーターを使用して,ユーザー定義の着信および発信マッピング・テーブルを指定します。ユーザー定義のマッピング・テーブルは,CCSID パラメーターが指定された時にFTPクライアントによって行われたマッピングを置き換えます。
| 上 |
ポート (PORT)
FTPサーバーとの接続に使用されるポート番号を指定します。
通常,FTPサーバーに接続するには,21という「既知の」ポート値が使用されます。ある種の状況の下では,FTPサーバーは,ポート21以外のポートで接続される場合があります。このような場合には,接続先のサーバー・ポートを指定するために,ポート・パラメーターが使用されることがあります。
注: FTPクライアント・サブコマンドOPENおよびSECOPENには,それぞれポート21以外のポートの指定に使用できる任意指定の'PORT'パラメーターがあります。
- *DFT
- 値00021が使用されます。
- *SECURE
- 値00990が使用されます。ポート990は,データの暗号化にTRANSPORT LAYER SECURITY (TLS)またはSecure Sockets Layer (SSL)プロトコルを使用するセキュアFTPサーバー用に予約されています。
- 1-65535
- 要求されたポート値が使用されます。この値は,正しい範囲にあることを確認するために妥当性検査されます。
注: 990が指定された場合には,FTPクライアントは*SECUREが指定された場合と同じ機能を実行します。
| 上 |
保護接続 (SECCNN)
FTP制御接続で転送される情報を保護するために使用される機密保護メカニズムのタイプを指定します(これには,FTPサーバーとのセッションの認証に使用されるパスワードが含まれます)。TRANSPORT LAYER SECURITY (TLS)およびSecure Sockets Layer (SSL)は,転送中にデータを見られたりデータの消失または破壊が起こらないように保護するために暗号化を使用する互換性のあるプロトコルです。保護のためにKERBEROSもサポートされます。
注: FTPクライアント・サブコマンドSECOPENは,FTPクライアント・セッション中に保護されたFTP接続をオープンするために使用できます。
- *DFT
- PORTパラメーターに*SECUREまたは990が使用されている場合には*IMPLICITが使用され,そうでない場合には*NONEが使用されます。
- *IMPLICIT
- FTPクライアントは,指定されたFTPサーバーへの接続時に(サーバーにAUTHサブコマンドを送信しないで)直ちにTLS/SSLを使用しようとします。サーバーが指定されたポートで暗黙のTLS/SSLをサポートしていないか,または何らかの理由でTLS/SSL折衝が失敗した場合には,接続はクローズされます。
- *SSL
- 指定されたFTPサーバーへの接続後に,FTPクライアントはAUTH(許可)サブコマンドを送信してTLS/SSLで保護されたセッションを要求します。サーバーがTLS/SSLをサポートしていると,TLS/SSL折衝が実行されます。サーバーがTLS/SSLをサポートしていないか,またはTLS/SSL折衝が失敗した場合には,接続はクローズされます。
- *KERBEROS
- 指定されたFTPサーバーへの接続後に,FTPクライアントはAUTH(許可)サブコマンドを送信してKERBEROS認証を要求します。サーバーでKERBEROSがサポートされる場合,KERBEROS認証が実行されます。サーバーでKERBEROSがサポートされないか,KERBEROS認証が失敗した場合は,FTPクライアントは通常のログオン・セッションに切り替わります。
注: 既存のKERBEROSチケット許可チケットを見つけるには,現行ユーザーの省略時の資格情報キャッシュ・ファイルが使用されます。KERBEROSチケットの追加(ADDKRBTKT)コマンドまたはQSHELL KINITツールを使用して,チケットの作成または期限切れチケットの更新を行うことができます。
- *NONE
- FTPクライアントは,指定されたFTPサーバーへ接続するときに暗号化を使用しません。
| 上 |
データ保護 (DTAPROT)
FTP接続で転送される情報に使用されるデータ保護のタイプを指定します。セキュリティー・メカニズムTLS/SSLが使用可能になっている場合,*DFT *PRIVATEおよび*CLEARは,FTPデータ接続の保護レベルを示す有効な値です。FTPプロトコルでは,制御接続が保護されていないと,データ接続の保護は使用できません。セキュリティー・メカニズムKERBEROSが使用可能になっている場合,*DFT *PRIVATE *CLEARおよび*SAFEはすべて,FTP制御接続とFTPデータ接続の両方の保護レベルを示す有効な値です。
注: DTAPROTパラメーターは,PROT(保護)FTPサーバー・サブコマンドの使用を制御します。FTPクライアント・サブコマンドSECDATAは,FTPクライアント・セッション時に,保護を変更するために使用できます。
- *DFT
- SECCNNパラメーターがセキュリティー・メカニズムとしてKERBEROSを指定している場合は,*CLEARが使用されます。それ以外の場合は,*PRIVATEが使用されます。
- *PRIVATE
- SECCNNパラメーターがセキュリティー・メカニズムとしてTLS/SSLを指定している場合は,FTPデータ接続で送信される情報が暗号化されることになります。SECCNNパラメーターがセキュリティー・メカニズムとしてKERBEROSを指定している場合は,FTP制御接続とFTPデータ接続の両方で送信される情報の整合性および機密性が保護されることになります。
注: SECCNNパラメーターがセキュリティー・メカニズムTLS/SSLを指定し,FTP制御接続を暗号化しないように指定している場合,*PRIVATEを指定することはできません。
- *SAFE
- FTP制御接続とFTPデータ接続の両方で送信される情報の整合性が保護されます。
注: *SAFEを指定できるのは,SECCNNパラメーターが*KERBEROSを指定している場合のみです
- *CLEAR
- FTPデータ接続で送信される情報は保護されません。
注: SECCNNパラメーターがセキュリティー・メカニズムとしてKERBEROSを指定している場合は,*CLEARがデフォルト保護レベルです。
| 上 |
発信ASCII/EBCDICテーブル (TBLFTPOUT)
FTPクライアントのすべての発信データをマップするために使用されるテーブル・オブジェクトを指定します。発信データはEBCDICからASCIIにマップされます。
テーブル・オブジェクトがTBLFTPOUTに指定された場合には,そのテーブル・オブジェクトが発信マッピングに使用されます。そうでない場合には,CCSIDパラメーターを使用して発信マッピングが判別されます。
単一値
- *CCSID
- 発信マッピングを判別するために,CCSIDパラメーターが使用されます。
- *DFT
- 発信マッピングを判別するために,CCSIDパラメーターが使用されます。
修飾子1: 発信EBCDIC/ASCIIテーブル
- 名前
- 発信データをマッピングするためにFTPクライアントによって使用されるテーブル・オブジェクトを指定します。
修飾子2: ライブラリー
- *LIBL
- 最初の一致が見つかるまで,ジョブのライブラリー・リストのユーザーとシステム部分のすべてのライブラリーが検索されます。
- *CURLIB
- ジョブの現行ライブラリーが検索されます。ジョブの現行ライブラリーとしてライブラリーが指定されていない場合には,QGPLライブラリーが使用されます。
- 名前
- 検索するライブラリーの名前を指定します。
| 上 |
受信ASCII/EBCDICテーブル (TBLFTPIN)
FTPクライアントのすべての着信データをマップするために使用されるテーブル・オブジェクトを指定します。着信データはASCIIからEBCDICにマップされます。
テーブル・オブジェクトがTBLFTPINに指定された場合には,そのテーブル・オブジェクトが着信マッピングに使用されます。そうでない場合には,CCSIDパラメーターを使用して着信マッピングが判別されます。
単一値
- *CCSID
- 着信マッピングを判別するために,CCSIDパラメーターが使用されます。
- *DFT
- 着信マッピングを判別するために,CCSIDパラメーターが使用されます。
修飾子1: 受信ASCII/EBCDICテーブル
- 名前
- 着信データをマッピングするためにFTPクライアントによって使用されるテーブル・オブジェクトを指定します。
修飾子2: ライブラリー
- *LIBL
- 最初の一致が見つかるまで,ジョブのライブラリー・リストのユーザーとシステム部分のすべてのライブラリーが検索されます。
- *CURLIB
- ジョブの現行ライブラリーが検索されます。ジョブの現行ライブラリーとしてライブラリーが指定されていない場合には,QGPLライブラリーが使用されます。
- 名前
- 検索するライブラリーの名前を指定します。
| 上 |
アプリケーションID (APPID)
Secure Sockets Layer (SSL)保護使用時に使用するアプリケーションIDの名前を指定します。ディジタル証明書マネージャー(DCM)アプリケーション・データベースにクライアント・アプリケーションIDが構成されていなければなりません。
- *DFT
- システム提供省略時値のクライアント・アプリケーションIDのQIBM_QTMF_FTP_CLIENTが使用されます。
- 文字値
- DCMで構成されたクライアント・アプリケーションIDを指定します。アプリケーションIDの先頭文字は大文字(「A」から「Z」)でなければなりません。残りの文字には英数字(大文字の「A」から「Z」または数字の「0」から「9」)が可能です。ピリオド(「.」)または下線(「_」)も使用できます。
| 上 |
例
例1: IPV4インターネット・アドレスに対するFTPの開始
STRTCPFTP RMTSYS(*INTNETADR) INTNETADR('1.2.3.4')
このコマンドは,IPV4アドレス「1.2.3.4」によって指定されるシステムに対してFTPクライアントを開始します。
例2: IPV6インターネット・アドレスに対するFTPの開始
STRTCPFTP RMTSYS(*INTNETADR) INTNETADR('2001:D88::1')
このコマンドは,IPV6アドレス「2001:D88::1」により指定されるシステムに対してFTPクライアントを開始します。
| 上 |
エラー・メッセージ
なし
| 上 |