マルチパス入出力 (Multiple Path I/O)

マルチパス入出力 (Multiple Path I/O (MPIO)) を使用すると、1 つ以上 の物理接続、あるいはパス を使用して、デバイスを個別に検出することができます。

パス制御モジュール (PCM) はパス管理機能を提供します。

MPIO 可能デバイス・ドライバーは、複数のタイプのターゲット・デバイスを制御することができます。 PCM は、1 つ以上の特定デバイスをサポートすることができます。 したがって、1 つのデバイス・ドライバーを、各ターゲット・デバイスへの複数のパスにわたる入出力を制御する複数の PCM にインターフェースさせることができます。

図 1. MPIO コンポーネントの対話. この図は、MPIO ソリューションを構成する種々のコンポーネント間の対話を示したものです。 この図では、MPIO デバイス・ドライバーは、それぞれが異なる PCM を必要とする複数のタイプのターゲット・デバイスを制御します (KE=カーネル・エクステンション、RTL=ランタイム・ロード可能モジュール)。

デバイスが MPIO を利用するためには、オブジェクト・データ・マネージャー (ODM) 内のデバイスのドライバー、メソッド、および事前定義属性を、 複数のパスの検出、構成、および管理をサポートするために変更する必要があります。 パラレル SCSI ディスクおよびファイバー・チャネル・ディスクのデバイス・ドライバーおよび そのデバイス・メソッドは MPIO ディスク装置をサポートします。 iSCSI ディスク装置が MPIO デバイスとしてサポートされます。 ファイバー・チャネル・テープ・デバイス・ドライバーとそのデバイス・メソッドは、MPIO テープ・デバイスをサポートします。 また、ODM 内の一部のデバイスの事前定義属性が MPIO のために変更されました。

AIX® PCM は、PCM RTL 構成モジュールと PCM KE カーネル・エクステンションから構成されます。 PCM RTL は、 デバイス・メソッドが、PCM KE が必要とする追加の PCM KE デバイス固有の属性またはパス ODM 属性を検出できるようにするランタイム・ロード可能モジュールです。 PCM RTL はデバイス・メソッドによってロードされます。 PCM RTL 内の 1 つ以上のルーチンは、PM KE 変数を初期設定または変更する特定の操作を実行するためにアクセスされます。

PCM KE は、MPIO インターフェースをサポートする任意のデバイス・ドライバーにパス制御の管理機能を提供します。 PCM KE は、デバイス構成に応じてパスを検出し、 その情報をデバイス・ドライバーに伝えます。 各 MPIO 可能デバイス・ドライバーは、その直接の親 (複数の場合もある) からパスをデバイスに追加します。 種々のパスにわたる入出力の維持およびスケジューリングは、PCM KE によって提供され、MPIO 可能デバイス・ドライバーにははっきりと認識されません。

PCM KE は複数の経路指定アルゴリズムを提供することができます。 このアルゴリズムはユーザーが選択できます。 PCM KE は、 任意の入出力要求に関する最適パスの判別および選択に使用できる情報の収集にも役立ちます。 PCM KE は、種々の基準 (ロード・バランシング、接続速度、接続障害など) に基づいて最適パスを選択することができます。

AIX PCM には、以下のことを行うためのヘルス検査機能があります。
  • パスを検査し、どのパスが入出力の送信に現在使用可能であるかを判別する。
  • 一時的なパス障害 (例えば、デバイスへのケーブルが除去され、 その後で再接続された) が原因で、障害があると以前にマークされたパスを使用可能にする。
  • フェイルオーバーが起こった場合に使用されることになる現在未使用のパスを検査する (例えば、アルゴリズム属性値が failover の場合は、 ヘルス検査が代替パスをテストすることができます)。

AIX デフォルト PCM を使用してすべてのディスク・デバイスとテープ・デバイスを検出および構成 できるわけではありません。 AIX デフォルト PCM は 2 つのパス制御モジュールで構成されています。うち 1 つはディスク装置の管理用、もう 1 つはテープ・デバイスの管理用です。 ご使用のデバイスが検出されない場合は、デバイス・ベンダーに問い合わせて、PCM がご使用のデバイスで使用可能であるかどうかを判別してください。