一元配置分散分析のその後の検定

平均値の間に差があることが判明したら、その後の範囲検定とペアごとの多重比較により、どの平均値が異なっているのかを判断することができます。 範囲検定は、互いに平均値に差がない等質サブセットを特定します。 ペアごとの多重比較は、それぞれのペアごとの平均値の差を検定して、アルファ・レベル 0.05 で有意な差があるグループ平均値をアスタリスクで示す行列を生成します。

等分散を仮定する

Tukey の HSD 検定、Hochberg の GT2、Gabriel の検定、Scheffé の検定は、多重比較検定および範囲検定です。 使用できるその他の範囲検定には、Tukey の b 検定、S-N-K (Student-Newman-Keuls) の検定、Duncan、R-E-G-W F (Ryan-Einot-Gabriel-Welsch F 検定)、R-E-G-W Q (Ryan-Einot-Gabriel-Welsch 範囲検定)、Waller-Duncan の方法があります。 使用できる多重比較検定には、Bonferroni、Tukey の HSD 検定、Sidak、Gabriel、Hochberg、Dunnett の方法、Scheffé、LSD (最小有意差) があります。

  • LSD: t 検定を使用して、 グループ平均間のすべてのペアワイズ比較を実行します。 多重比較の場合でも誤差率を調整しません。
  • Bonferronit 検定を使用してグループ平均の間でのペアワイズ比較を行います。 ただし、実験ごとの誤差率を総検定数で割った値を各検定の誤差率として設定することによって、全体の誤差率を調整します。 したがって、多重比較を実行するとして観測有意水準を調整します。
  • Sidak: t 統計量に基づくペアごとの多重比較検定。 Sidak の方法は、 多重比較の有意水準を調整して、Bonferroni の方法より厳しい限界を設定します。
  • Scheffe平均値のすべての可能なペアワイズの組み合わせについて同時結合ペアワイズ比較を実行します。 F サンプリング分布を使用します。 ペアワイズ比較だけでなく、 グループ平均のすべての可能な線型結合を調べるために使用することができます。
  • R-E-G-W F: F 検定に基づく Ryan-Einot-Gabriel-Welsch の多重ステップダウン手続き。
  • R-E-G-W Q: スチューデント化された範囲に基づく Ryan-Einot-Gabriel-Welsch の多重ステップダウン手続き。
  • S-N-K: スチューデント化した範囲の分布を使用して、 平均値どうしのすべてのペアワイズ比較を実行します。 標本サイズが等しい場合は、 ステップワイズ法の手続きを使用して等質サブセット内の平均値のペアも比較します。 平均値を高い順に順序付け、 最初に極値の差を検定します。
  • Tukeyスチューデント化された範囲の統計量を使用して グループ間のすべてのペアワイズ比較を実行します。 実験ごとの誤差率を、 すべてのペアワイズ比較の集合に対する誤差率に設定します。
  • Tukey の b: スチューデント化された範囲の分布を使用して グループ間のペアワイズ比較を実行します。 臨界値は、Tukey の HSD 検定と Student-Newman-Keuls 検定に対応する値の平均です。
  • Duncan: Student Newman Keuls 検定で使用する次数と同一のステップワイズ比較次数を使用してペアワイズ比較を行います。ただし、個々の検定の誤差率ではなく、 検定の集合の誤差率に対する保護レベルを設定します。 スチューデント化された範囲統計量を使用します。
  • Hochberg の GT2: スチューデント化された最大法を使用する多重比較と範囲の検定。 Tukey の HSD 検定に似ています。
  • Gabriel: スチューデント化された最大法を使用したペアワイズ比較検定。一般に、 セルの大きさが等しくないときには Hochberg の GT2 より強力です。 セルの大きさのばらつきが大きい場合には、Gabriel の検定の方が公平になることがあります。
  • Waller-Duncan: t 統計量に基づく多重比較検定。ベイズの方法を使用します。
  • Dunnett: 一連の実験群を単一の対照平均と比較するペアワイズの多重比較 t 検定。 最後のカテゴリーは、デフォルトの対照カテゴリーです。 代わりに、最初のカテゴリーを選択することもできます。 「両側検定」 は、因子の任意のレベル (対照カテゴリーを除く) の平均値が対照カテゴリーの平均値と等しくないことを検定します。 <「対照カテゴリー」 は、因子の任意のレベルの平均値が対照カテゴリーの平均値より小さいかどうかを検定します。 > Control は、因子の任意のレベルの平均値が対照カテゴリーの平均値より大きいかどうかを検定します。

等分散が仮定されていない

等分散を仮定しない多重比較検定は、Tamhane の T2、Dunnett の T3、Games-Howell、Dunnett の C です。

  • Tamhane の T2: t 検定に基づく保守的なペアワイズ比較検定。 この検定は、分散が等しくない場合に適しています。
  • Dunnett の T3: スチューデント化された最大法に基づくペアワイズ比較検定。 この検定は、分散が等しくない場合に適しています。
  • Games-Howell: 公平になる場合があるペアワイズ比較検定。 この検定は、分散が等しくない場合に適しています。
  • Dunnett の C: スチューデント化された範囲に基づくペアワイズ比較検定。 この検定は、分散が等しくない場合に適しています。
注: 「テーブル・プロパティー」ダイアログ・ボックス (アクティブ化されたピボット・テーブルで、「形式」メニューから 「テーブル・プロパティー」 を選択) で 「空の行と列を非表示」 を選択解除すると、その後の検定からの出力を解釈しやすくなる場合があります。

帰無仮説検定

その後の検定での有意水準 (アルファ) の処理方法を指定します。

「オプション」の設定と同じ有意水準 (アルファ) を使用
これを選択すると、「オプション」ダイアログで指定した設定と同じ設定が使用されます。
その後の検定のための有意水準 (アルファ) を指定
これを選択すると、「レベル」フィールドに有意水準 (アルファ) を指定できます。

一元配置分散分析のその後の検定を実行するには

この機能には Statistics Base オプションが必要です。

  1. メニューから次の項目を選択します。

    分析 > 平均の比較 > 一元配置分散分析 ...

  2. 「一元配置分散分析」ダイアログ・ボックスで、「その後の検定」をクリックします。
注: 「テーブル・プロパティー」ダイアログ・ボックス (アクティブ化されたピボット・テーブルで、「形式」メニューから 「テーブル・プロパティー」 を選択) で 「空の行と列を非表示」 を選択解除すると、その後の検定からの出力を解釈しやすくなる場合があります。