最小 ulimit

ディレクトリー・サーバーは、サーバーの円滑な実行に重要となる最小 ulimit オプション値を適用しようとします。

ディレクトリー・サーバーは始動時に、現行プロセスの ulimit オプション値が、構成ファイルに指定された規定の ulimit オプション値以上であるかを検証します。 この検証が不合格である場合は、サーバーは現行プロセスの ulimit オプション値を規定の値に設定するようにします。 サーバーがこの設定に失敗した場合は、構成専用モードで開始されます。

以下に、標準的な ulimit オプションをすべてリストします。これらの値は、ディレクトリー・サーバーの円滑な実行に重要です。
注: ulimit オプションは、プロキシー・サーバーとバックエンド・サーバーにのみ適用されます。 管理サーバー・プロセスに対しては、最小 ulimit オプション値は指定されていません。
重要なメモリー・パラメーター
仮想メモリー・サイズ
このオプションには、スタック、ヒープ、およびメモリー・マップのファイルなど、すべてのタイプのメモリーが含まれています。 この制限を超過してメモリーを割り振ろうとすると、メモリー不足エラーで失敗します。 このオプションの値は、キロバイト (KB) で指定します。
最大常駐セット・サイズ (RSS)
このオプションは、任意の 1 プロセスのために物理メモリーにスワップインできるメモリー量を制限します。 このオプションの値は、キロバイト (KB) で指定します。
注: AIX® ではこの ulimit オプションが定義されていますが、Solaris ではこのオプションは指定されていません。
データ・セグメント
このオプションは、プロセスがヒープに割り振ることのできるメモリー量を制限します。 このオプションの値は、キロバイト (KB) で指定します。
スタック・サイズ
このオプションは、プロセスがスタックに割り振ることのできるメモリー量を制限します。 このオプションの値は、キロバイト (KB) で指定します。
重要なファイル・パラメーター
ファイル・サイズ
このオプションは、プロセスで作成可能なファイルの最大サイズを制限します。 これは、512 バイトのブロック単位で指定します。
Nofile
このオプションは、単一プロセスに属するファイル記述子の数を制限します。 ファイル記述子には、ファイルだけでなく、インターネット通信のソケットも含まれます。
注: Solaris では、オープン・ファイル数の制限は、サーバーの始動時にオープン・ファイル数のハード制限に設定されます。 ulimit 機能を使用してオープン・ファイル数の制限を変更することはできません。
以下の表に、重要なオプションの operating system default 値と prescribed minimum ulimit 値をリストします。
表 1. システムに固有の ulimit 値
Ulimit オプション AIX Solaris
  operating system default prescribed minimum operating system default prescribed minimum
データ・セグメント・サイズ 256 MB 256 MB 無制限 256 MB
仮想メモリー 無制限 1 GB 無制限 1 GB
Nofile 2000 500 256 256
最大常駐セット・サイズ (rss) 64 MB 256 MB N/A N/A
ファイル・サイズ 1024 MB 1024 MB 無制限 1024 MB
スタック・サイズ 64 MB 64 MB 8 MB 8 MB
表 2. システムに固有の ulimit 値
Ulimit オプション Linux®
  operating system default prescribed minimum
データ・セグメント・サイズ 無制限 256 MB
仮想メモリー 無制限 1 GB
Nofile 1024 500
最大常駐セット・サイズ (rss) N/A N/A
ファイル・サイズ 無制限 1024 MB
スタック・サイズ 10 MB 10 MB
注: オペレーティング・システムのデフォルト ulimit ・オプション値は、カーネル・バージョンが異なったり、同じカーネル・バージョンのシェルが異なったりすることがあります。

管理者は、Web 管理ツールまたはコマンド・ラインを使用して最小 ulimit オプション値を変更できます。