IBM Tivoli Monitoring, バージョン 6.3

スクリプト構文解析および分離文字

特定のスクリプト分離文字を変更すること、および 1 つ以上の属性に割り当てることができます。

スクリプト属性グループを作成すると、単一文字のテキスト分離文字がデフォルトで割り当てられます。デフォルトの分離文字は ";" です。分離文字は、エージェントがデータ行の各属性のデータを構文解析し、区切るために使用されます。デフォルトの分離文字を変更して、別の文字を使用できます。特定の分離文字を 1 つ以上の個々の属性に割り当てることもできます。

以下の機能を持つ特定の分離文字を個々の属性に割り当てることができます。
  • 出力から固定のバイト数を取得します。
  • カスタム分離文字を使用して、1 つの属性を次の属性から分離します。複数の文字から成るカスタム分離文字を使用できます。
  • 値の先頭および末尾に挿入されるストリングを使用して、属性値を区切ります。
  • テキストの残りの部分を (組み込み分離文字が含まれるかどうかとは無関係に) 属性値として返します。
これらの分離文字のうちの 1 つ以上を使用して、データ行から属性値を抽出できます。

例 1 - 単純なスクリプト出力

一部のスクリプトは、明確かつ通常の分離文字を含むデータ行を出力することがあります。以下に例を示します。
Row One;1;2
Row Two;3;4
Row Three;5;6
この例で各行のデータの 3 つの部分を分離する明確かつ通常の分離文字は、";" 文字です。この場合、デフォルトの分離文字で問題ないため、分離文字を変更したり、他の分離文字を定義したりする必要はありません。分離文字が別の文字である類似のスクリプト出力を考えることもできます。以下に例を示します。
Row One-1-2
Row Two-3-4
Row Three-5-6
この例では、分離文字が ";" 文字から "-" 文字に変更されています。 この場合には、属性を定義するときに、デフォルトの分離文字を変更して、"-" 文字を使用します。

例 2 - 複雑なスクリプト出力

スクリプトは、不規則または可変的な分離文字を含むデータ行を出力することがあります。以下に例を示します。
Row One;1;2;[option]Hour:MIN;fourtabby     The end;4
Row Two;3;4;[required]12:30;fourvery tabby the tail;5
Row Three;5;6;[out]March:12;fourline up    the rest of the story;6
この例では、属性定義に対して、以下の分離文字を割り当てることができます。
  1. まず、各データ行の最初の 3 つの属性では、デフォルトの分離文字 ";" を使用します。この場合には、各属性を定義するときに、";" に設定された「分離文字テキスト」という分離文字タイプを割り当てます。この設定はデフォルトです。
  2. 4 番目の属性では、"[""]" の間のストリングの値を抽出すると仮定します。この場合には、4 番目の属性を定義するときに、開始テキスト値と終了テキスト値が "[""]" に設定された「開始テキストと終了テキスト」という分離文字タイプを割り当てます。
  3. 5 番目の属性では、"]" 文字と ":" 文字の間の値を抽出すると仮定します。 この場合には、5 番目の属性を定義するときに、":" に設定された「分離文字テキスト」という分離文字タイプを割り当てます。
  4. 6 番目の属性では、デフォルトの分離文字 ";" を再び使用するので、デフォルトを受け入れます。
  5. 7 番目の属性では、次の 4 文字のストリング "four" を抽出します。このストリングの末尾には、明示的な分離文字がありません。文字数を割り当てて、次の属性からの分離を定義できます。 「文字数」という分離文字タイプを割り当て、4 文字を長さとして指定します。
  6. 8 番目の属性では、ストリング tabbyvery tabby、および line up を抽出します。この場合には、これらのどのストリングの後にもタブ文字が続くと仮定できます。この場合には、「タブ分離文字」という分離文字タイプを割り当てます。
  7. 9 番目の属性では、デフォルトの分離文字タイプに再び戻って、テキストの残りの部分をこの属性に抽出します。
  8. 10 番目の属性では、「レコードの残り」を指定して、データ行の残りの部分をこの属性に割り当てます。
上記の例で示されたデータ行を出力するスクリプトでこれらの分離文字を定義した場合の出力は以下のとおりです。
図 1. エージェントが複雑なスクリプト出力を構文解析するときの属性値出力の例
エージェントが複雑なスクリプトを構文解析するときの属性値出力の例
属性分離文字を定義する手順については、スクリプトの出力のモニターのステップのステップ 10 で説明されています。


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