asnpwd: パスワード・ファイルの作成および保守
Linux®、UNIX、および Windows でパスワード・ファイルを作成および変更するには、 asnpwd コマンドを使用します。 このコマンドは、コマンド行またはシェル・スクリプト内で実行します。
パラメーターを指定せずに asnpwd コマンドを入力し、その後に ? を入力すると、コマンド・ヘルプが表示されます。、 またはその後に誤ったパラメーターが続いています。
構文
パラメーター
表 1 は、 asnpwd コマンドの呼び出しパラメーターを示しています。
パラメーター | 定義 |
---|---|
init | 空のパスワード・ファイルを作成することを指定します。 すでに存在するパスワード・ファイルに init パラメーター を指定すると、このコマンドは失敗します。 |
add | パスワード・ファイルに項目を追加することを指定します。 パスワード・ファイルには db_alias ごとに 1 つの項目しか入れることができません。 パスワード・ファイルにすでに存在する項目に add パラメーターを指定すると、 このコマンドは失敗します。 パスワード・ファイル内の既存の項目を変更するには、 modify パラメーターを使用します。 |
modify | パスワード・ファイル内の項目のパスワードまたはユーザー ID を 変更することを指定します。 |
delete | パスワード・ファイルから項目を削除することを指定します。 |
list | パスワード・ファイル内の別名およびユーザー ID の項目をリストするよう指定します。 このパラメーターは、パスワード・ファイルが encrypt password パラメーターを使用して作成された場合にのみ使用できます。 パスワードが list コマンドによって表示されることはありません。 |
encrypt | 暗号化するファイル内の項目を指定します。
|
migrate | DES (Data Encryption Standard) 方式で暗号化されたパスワード・ファイルを、AES (Advanced Encryption Standard) 方式を使用するように変換することを指定します。 asnpwd プログラムは、以下のステップを実行します。
asnpwd migrate コマンドを実行するユーザー ID には、元のパスワード・ファイルを削除する権限が必要です。 |
using ファイル・パス | パスワード・ファイルのパスと名前を指定します。 ご使用のオペレーティング・システムのファイル名規則に従ってください。 Windows での有効なパスワード・ファイルの例は、 C:\sqllib\mypwd.autです。 パスワード・ファイルのパスと名前を指定する場合、 そのパスおよびパスワード・ファイルはすでに存在するものでなければなりません。 init パラメーターを使用し、 パスワード・ファイルのパスと名前を指定する場合、 そのパスはすでに存在するものでなければならず、 コマンドはユーザーに代わってパスワード・ファイルを作成します。 このパラメーターを指定しない場合、 デフォルトのファイル名は asnpwd.aut、 デフォルトのファイル・パスは現行ディレクトリーです。 |
alias DB 別名 | ユーザー ID がアクセス権を持つデータベースの別名を指定します。 別名は、どのように入力しても必ず英大文字になります。 |
id ユーザー ID | データベースへのアクセス権を持つユーザー ID を指定します。 |
password パスワード | 指定したユーザー ID のパスワードを指定します。 このパスワードには大文字小文字の区別があり、 パスワード・ファイル内では暗号化されます。 |
戻りコード
asnpwd コマンドは、正常終了したときにゼロの戻りコードを戻します。 コマンドが失敗する場合、ゼロ以外の戻りコードが戻されます。
asnpwd の例
次の例は、asnpwd コマンドの使用方法を示しています。
例 1
現行ディレクトリーに、 デフォルト名 asnpwd.aut を使用して パスワード・ファイルを作成します。
asnpwd init
例 2
c:\myfiles ディレクトリーに pass1.aut という名前のパスワード・ファイルを作成するには、以下のようにします。
asnpwd init using c:\myfiles\pass1.aut
例 3
encrypt all パラメーターを使用して mypwd.aut という名前のパスワード・ファイルを作成するには、以下のようにします。
asnpwd init encrypt password using mypwd.aut
例 4
encrypt password パラメーターを使用して mypwd.aut という名前のパスワード・ファイルを作成するには、以下のようにします。
asnpwd init encrypt password using mypwd.aut
例 5
encrypt password パラメーターを使用してデフォルトのパスワード・ファイルを作成するには、次のようにします。
asnpwd init encrypt password
例 6
c:\myfiles ディレクトリー内の pass1.aut という名前のパスワード・ファイルに oneuser というユーザー ID とそのパスワードを追加し、このユーザー ID に db1 データベースへのアクセス権限を付与するには、以下のようにします。
asnpwd add alias db1 ID oneuser password mypwd using c:\myfiles\pass1.aut
例 7
c:\myfiles ディレクトリー内の pass1.aut という名前のパスワード・ファイルにある項目のユーザー ID またはパスワードを変更するには、以下のようにします。
asnpwd modifiy alias sample ID chglocalid password chgmajorpwd
USING c:\myfiles\pass1.aut
例 8
c:\myfiles ディレクトリー内の pass1.aut という名前のパスワード・ファイルから sample という名前のデータベース別名を削除するには、以下のようにします。
asnpwd delete alias sample USING c:\myfiles\pass1.aut
例 9
コマンド・ヘルプを表示します。
asnpwd
例 10
デフォルトのパスワード・ファイル内の項目をリストします。
asnpwd list
例 11
asnpwd list using pass1.aut
このコマンドからの出力は、パスワード・ファイルの初期設定方法によって異なります。
- encrypt all パラメーターを使用して初期設定された場合、以下のメッセージが発行されます。
ASN1986E "Asnpwd" : "". The password file "pass1.aut" contains encrypted information that cannot be listed.
- encrypt all パラメーターを使用して初期設定されなかった場合、以下の詳細がリストされます。
asnpwd LIST USING pass1.aut Alias: SAMPLE ID: chglocalid Number of Entries: 1
例 12
mypwd.aut という名前のパスワードを DES 暗号化から AES 暗号化にマイグレーションするには、次のようにします。
asnpwd migrate using mypwd.aut