オブジェクト権限表示 (DSPOBJAUT)

オブジェクト権表示(DSPOBJAUT)コマンドは,そのオブジェクトの認可ユーザーとその割り当てられた権限のリストを表示します。オブジェクトが権限リストによって保護されている場合には,権限リストの名前も併せて表示されます。共通権限と1次グループ権限も表示されます。

このコマンドを入力するユーザーがそのオブジェクトに対するオブジェクト管理(*OBJMGT)権限を持っているか,またはIBM Iのデータベース機密保護管理者機能(QIBM_DB_SECADM)を認可されている場合は,そのオブジェクトを使用する権限があるすべてのユーザーとそれらのユーザーの権限が表示されます。

このコマンドを入力するユーザーがそのオブジェクトに対するオブジェクト管理(*OBJMGT)権限を持っておらず,かつIBM Iのデータベース機密保護管理者機能(QIBM_DB_SECADM)を認可されていない場合は,そのユーザーの名前と権限が表示されます。他のユーザーの名前およびオブジェクトに対するそのユーザーの権限は表示されません。

オブジェクトに関連付けられた所有者名がない場合は,オブジェクトの権限は表示されません。

指定されたオブジェクトについて,次が表示されます。

制約事項:補助記憶域プール装置が指定されたか,またはIBM Iのデータベース機密保護管理者機能(QIBM_DB_SECADM)に対して認可された場合は,その補助記憶域プール装置に対する使用(*USE)権限が必要です。

パラメーター

キーワード 記述 選択項目 ノーツ
OBJ オブジェクト 修飾オブジェクト名 必須, 定位置 1
修飾子 1: オブジェクト 名前
修飾子 2: ライブラリー 名前, *LIBL, *CURLIB
OBJTYPE オブジェクト・タイプ *ALRTBL, *AUTL, *BNDDIR, *CFGL, *CHTFMT, *CLD, *CLS, *CMD, *CNNL, *COSD, *CRG, *CRQD, *CSI, *CSPMAP, *CSPTBL, *CTLD, *DEVD, *DOC, *DTAARA, *DTADCT, *DTAQ, *EDTD, *EXITRG, *FCT, *FILE, *FLR, *FNTRSC, *FNTTBL, *FORMDF, *FTR, *GSS, *IGCDCT, *IGCSRT, *IGCTBL, *IMGCLG, *IPXD, *JOBD, *JOBQ, *JOBSCD, *JRN, *JRNRCV, *LIB, *LIND, *LOCALE, *M36, *M36CFG, *MEDDFN, *MENU, *MGTCOL, *MODD, *MODULE, *MSGF, *MSGQ, *NODGRP, *NODL, *NTBD, *NWID, *NWSCFG, *NWSD, *OUTQ, *OVL, *PAGDFN, *PAGSEG, *PDFMAP, *PDG, *PGM, *PNLGRP, *PRDAVL, *PRDDFN, *PRDLOD, *PSFCFG, *QMFORM, *QMQRY, *QRYDFN, *RCT, *S36, *SBSD, *SCHIDX, *SPADCT, *SQLPKG, *SQLUDT, *SQLXSR, *SRVPGM, *SSND, *SVRSTG, *TBL, *TIMZON, *USRIDX, *USRPRF, *USRQ, *USRSPC, *VLDL, *WSCST 必須, 定位置 2
ASPDEV ASP装置 名前, *, *SYSBAS オプショナル
OUTPUT 出力 *, *PRINT, *OUTFILE オプショナル, 定位置 3
OUTFILE 出力を受け取るファイル 単一値: *NONE
その他の値: 修飾オブジェクト名
オプショナル
修飾子 1: 出力を受け取るファイル 名前
修飾子 2: ライブラリー 名前, *LIBL, *CURLIB
OUTMBR 出力メンバー・オプション 要素リスト オプショナル
要素 1: 出力を受け取るメンバー 名前, *FIRST
要素 2: レコードの置き換えまたは追加 *REPLACE, *ADD
AUTTYPE 権限タイプ *OBJECT, *FIELD, *ALL オプショナル

オブジェクト (OBJ)

認可ユーザーおよびその権限を表示するオブジェクトを指定します。

これは必須パラメーターです。

名前
オブジェクトの名前を指定してください。

修飾子2: ライブラリー

*LIBL
最初に一致するものが見つかるまで,現行スレッドのライブラリー・リスト内のすべてのライブラリーが検索されます。
*CURLIB
スレッドの現行ライブラリーが検索されます。スレッドの現行ライブラリーとして指定されているライブラリーがない場合,QGPLライブラリーが使用されます。
名前
検索するライブラリーの名前を指定してください。

オブジェクト・タイプ (OBJTYPE)

プログラム(*PGM),ファイル(*FILE),またはライブラリー(*LIB)など,権限を表示するオブジェクトのオブジェクト・タイプを指定します。このコマンドのプロンプトで,オブジェクト・タイプの完全なリストを表示するには,このパラメーターのフィールドにカーソルを位置付けて,F4(プロンプト)を押してください。

これは必須パラメーターです。

ASP装置 (ASPDEV)

オブジェクト(OBJパラメーター)を含むライブラリーが入っている,その補助記憶域プール(ASP)装置名を指定します。オブジェクトのライブラリーがジョブに関連したライブラリー名前空間の一部でないASPにある場合には,このパラメーターを指定して,このコマンドの操作のターゲットとして正しいオブジェクトが使用されるようにしなければなりません。

*
現在,ジョブのライブラリー名前空間の一部となっているASPがオブジェクトを見つけるために検索されます。これには,システムASP (ASP番号1),定義されているすべての基本ユーザーASP (ASP番号2から32), さらにジョブにASPグループがある場合には.そのASPグループ中のすべての独立ASPが含まれます。
*SYSBAS
システムASPおよびすべての基本ユーザーASPがオブジェクトを見つけるために検索されます。ジョブにASPグループがあっても独立ASPは検索されません。
名前
オブジェクトを見つけるために検索する独立ASPの装置名を指定してください。独立ASPは活動化されていて(ASP装置をオンに構成変更することによって),AVAILABLEの状況になっていなければなりません。システムASPおよび基本ユーザーASPは検索されません。

出力 (OUTPUT)

コマンドからの出力がどこに送られるかを指定します。

*
出力は表示されるか(対話式ジョブによって要求された場合),あるいはジョブのスプール出力で印刷されます(バッチ・ジョブによって要求された場合)。
*PRINT
出力はジョブのスプール出力で印刷されます。
*OUTFILE
出力は,出力を受け取るファイル (OUTFILE)パラメーターで指定されたデータベース・ファイルに送られます。

出力を受け取るファイル (OUTFILE)

コマンドの出力が送られるデータベース・ファイルを指定します。ファイルが存在しない場合には,このコマンドによって,指定されたライブラリーにデータベース・ファイルが作成されます。ファイルが作成される場合には,ファイルの共通権限は,ファイルが作成されるライブラリーに指定された作成権限と同じものになります。ライブラリーの作成権限を表示するには,ライブラリー記述表示(DSPLIBD)コマンドを使用してください。

修飾子1: 出力を受け取るファイル

名前
コマンド出力が送られる先のデータベース・ファイルの名前を指定してください。

修飾子2: ライブラリー

*LIBL
ファイルを見つけるために,ライブラリー・リストが使用されます。ファイルが見つからない場合には,現行ライブラリーにファイルが作成されます。現行ライブラリーが存在していない場合には,ファイルはQGPLライブラリーに作成されます。
*CURLIB
ファイルを見つけるためにスレッドの現行ライブラリーが使用されます。スレッドの現行ライブラリーとして指定されているライブラリーがない場合,QGPLライブラリーが使用されます。
名前
検索するライブラリーの名前を指定してください。

注: 新しいファイルが作成される場合には,システムはQSYDSAUTの様式名をもつQSYSのQAOBJAUTをモデルとして使用します。

*FILEオブジェクトにAUTTYPE(*FIELD)が指定されていて,新しい出力ファイルが作成された場合には,システムはモデルとしてQSYDSFLDの形式名でQSYSのQAFLDAUTを使用します。

出力メンバー・オプション (OUTMBR)

コマンドの出力を受け取るデータベース・ファイル・メンバーの名前を指定します。

要素1: 出力を受け取るメンバー

*FIRST
ファイル内の最初のメンバーが出力を受け取ります。OUTMBR(*FIRST)が指定されていて,メンバーが存在していない場合には,システムが出力を受け取るファイル (OUTFILE)パラメーターに指定されたファイルの名前を使用してメンバーを作成します。メンバーが既に存在している場合,その既存メンバーの終わりに新規レコードを追加するのか,あるいはそのメンバーをクリアして新規レコードを追加するのかを選択できます。
名前
出力を受け取るファイル・メンバーの名前を指定してください。存在していない場合には,システムが作成します。

要素2: レコードの置き換えまたは追加

*REPLACE
システムは,既存のメンバーを消去し,新しいレコードを追加します。
*ADD
システムは,既存のレコードの終わりに新しいレコードを追加します。

権限タイプ(AUTTYPE)

オブジェクト・レベルの権限を表示するか,フィールド・レベルの権限を表示するか,あるいはオブジェクト・レベルとフィールド・レベルの両方の権限を表示するかを指定します。フィールド・レベルの権限情報のみが*FILEオブジェクトに適用されます。

*OBJECT
オブジェクト・レベルの権限情報が表示され,スプール・ファイルに入れられ,あるいは出力ファイルに入れられます。

OUTPUT(*)が要求されて,オブジェクトがフィールド・レベルの権限を持つファイルの場合には,F16キー(フィールド権限の表示)が画面上で使用可能になります。

*FIELD
フィールド・レベルの権限情報が表示され,スプール・ファイルに入れられ,あるいは出力ファイルに入れられます。

この値が有効となるのは,*FILEがオブジェクト・タイプ (OBJTYPE)パラメーターに指定されている場合だけです。

*ALL
OUTPUT(*)が要求されている場合には,オブジェクト・レベルの権限情報が表示されます。ファイルに関連付けられたフィールド・レベルの権限がある場合には,F16キー(フィールド権限の表示)が画面上で使用可能になります。OUTPUT(*PRINT)が要求されている場合には,スプール・ファイルにオブジェクト・レベルとフィールド・レベルの権限データが含まれます。AUTTYPE(*ALL)はOUTPUT(*OUTFILE)では無効です。

この値が有効となるのは,*FILEがオブジェクト・タイプ (OBJTYPE)パラメーターに指定されている場合だけです。

1:ユーザーおよび権限の表示

DSPOBJAUT   OBJ(ARLIB/PROG1)  OBJTYPE(*PGM)

このコマンドは,このコマンドを入力したユーザーに対してPROG1という名前のオブジェクトに対する許可ユーザーおよびその権限を表示します(そのユーザーにそのユーザーに対するオブジェクト管理権がある場合)。ユーザーにオブジェクト管理権限がない場合は,表示されるのは個人用権限だけです。 PROG1は,ARLIBという名前のライブラリー内にあるプログラム(*PGM)です。システムは,出力リストを表示する装置には*を想定します。コマンドがバッチ・サブシステムに入力された場合は,出力はジョブの省略時出力待ち行列に入れられます。コマンドが対話式サブシステムに入力された場合は,出力はこのコマンドが入力された装置に表示されます。

2:ユーザーのリストの印刷

DSPOBJAUT   OBJ(ARLIB/PROG2)  OBJTYPE(*PGM)  OUTPUT(*PRINT)

このコマンドにより,ARLIBライブラリー内のPROG2という名前のプログラムの許可ユーザーのリストが印刷されることになります。このコマンドを入力するユーザーに,プログラムに対してオブジェクト管理権限がない場合は,印刷されるのはそのユーザーの名前および権限だけです。

エラー・メッセージ

*ESCAPE メッセージ

CPF2204
ユーザー・プロファイル&1が見つからない。
CPF2207
ライブラリー&3のタイプ*&2のオブジェクト&1の使用を認可されていない。
CPF2208
ライブラリー&3のタイプ*&2のオブジェクト&1が見つからなかった。
CPF2209
ライブラリー&1が見つかりません。
CPF2211
&3のオブジェクト&1タイプ*&2を割り振ることができない。
CPF2216
ライブラリー&1の使用は認可されていない。
CPF224E
ライブラリー&2のファイル&1にはAUTTYPE値*FIELDは正しくない。
CPF2283
権限リスト&1が存在していない。
CPF9843
ライブラリー&3のオブジェクト&1タイプ&2をアクセスすることができない。
CPF9860
出力ファイルの処理中にエラーが起こった。