提供されるディレクトリー

システムの再始動時に以下のディレクトリーがまだ存在しない場合は、統合ファイル・システムによってそれらが作成されます。 システムによる作成後、これらのディレクトリーの移動や名前変更は実行しないでください。

注: 以下のシステム作成ディレクトリーは、他のオブジェクトへのシンボリック・リンクと置き換えないでください。 例えば、/home は、独立 ASP 上のディレクトリーへのシンボリック・リンクと置き換えないでください。 置き換えると、独立 ASP での問題や、新規のユーザー・プロファイルの作成時の問題となることがあります。
/tmp
/tmp ディレクトリーは、 アプリケーションが一時オブジェクトを保管する場所になります。このディレクトリーは、「root」(/) ディレクトリーのサブディレクトリーなので、 パス名は /tmp です。

アプリケーションによってオブジェクトが /tmp ディレクトリーに入れられると、ユーザーまたはアプリケーションによって除去されない限り、 そのディレクトリー内にとどまります。システムは、自動的に /tmp からオブジェクトを除去したり、 /tmp ディレクトリー内のオブジェクトに対する特別な処理を実行したりしません。

/tmp ディレクトリーおよびこのディレクトリー内のオブジェクトを管理するために、 統合ファイル・システムをサポートするユーザー表示画面やコマンドを使用できます。たとえば、「オブジェクト・リンクの処理」画面または WRKLNK コマンドを使用すれば、 /tmp ディレクトリーまたはこのディレクトリー内のオブジェクトをコピーしたり、除去したり、名前変更したりできます。 すべてのユーザーにはディレクトリーに対する *ALL 権限があり、 このディレクトリーに対して有効なアクションの大部分を実行することができます。

アプリケーションは、統合ファイル・システムをサポートするアプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) を使用して、 /tmp ディレクトリーとその中のオブジェクトを管理できます。たとえば、アプリケーション・プログラムで unlink() API を使用すると、 /tmp ディレクトリー内のオブジェクトを除去することができます。

/tmp ディレクトリーは、除去されても、システムの次の再始動時に自動的に再作成されます。

オペレーティング・システム の共通性やセキュリティーのために、/tmp ディレクトリーでは、制限された名前変更および リンク解除属性を「はい」に設定できます。

注: 制限された名前変更およびリンク解除属性 はディレクトリーの S_ISVTX モード・ビットと同等のものです。

制限 された名前変更およびリンク解除属性が「はい」に設定されていると、以下の条件の 1 つが真でなければ、 /tmp ディレクトリー内のオブジェクトの名前変更または リンク解除はできません。

  • ユーザーがオブジェクトの所有者である。
  • ユーザーがディレクトリーの所有者である。
  • ユーザーに全オブジェクト (*ALLOBJ) 特殊権限がある

この属性が「はい」に設定されて、適切な権限がユーザーにない場合は、 以下のコマンドまたは API を使用した時の名前変更およびリンク解除の失敗では、エラー 番号 3027 (EPERM) またはメッセージ MSGCPFA0B1 (要求された操作は許可されない。アクセス問題) が 出されます。

  • リンクの除去 (RMVLNK、DEL、および ERASE) コマンド
  • ディレクトリーの除去 (RMVDIR、RD、および RMDIR) コマンド
  • オブジェクトの名前変更 (RNM および REN) コマンド
  • オブジェクトの移動 (MOV および MOVE) コマンド
  • ファイルまたはディレクトリーの名前変更 (rename()) API
  • ファイルまたはディレクトリーの名前変更、存在する場合は「新規」の 保持 (Qp0lRenameKeep()) API
  • ファイルまたはディレクトリーの名前変更、存在する 場合は「新規」のリンク解除 (Qp0lRenameUnlink()) API
  • ディレクトリーの名前変更 (rmdir()) API
  • ファイルへのリンクの除去 (unlink()) API

ユーザーがオブジェクトの所有者であるか、あるいはユーザーが 全オブジェクト (*ALLOBJ) 特殊権限をもっている場合は、制限された名前変更およびリンク解除属性 および S_ISVTX モード・ビットは、属性の変更 (CHGATR) コマンド または属性の設定 (Qp0lSetAttr()) またはファイル権限の変更 (chmod) API を 使用して変更できます。ただし、この属性が「いいえ」に変更された場合は、「はい」の設定で提供された オペレーティング・システムの共通性やセキュリティーの利点は失われます。

システムの 再始動中に /tmp ディレクトリーが作成されると、その属性は「はい」に 設定されます。システムの再始動中に /tmp ディレクトリーがすでに存在すると、その属性 は変更されません。

/home
システム管理者は /home ディレクトリーを使用して、 ユーザーごとに別々のディレクトリーを保管します。通常、システム管理者は、 ユーザー・プロファイルに関連したホーム・ディレクトリーが、 /home 内のユーザー・ディレクトリーになるように設定します (たとえば /home/john)。
/etc
/etc ディレクトリーは管理ファイル、 構成ファイル、その他のシステム・ファイルを保管します。
/usr
/usr ディレクトリーには、 システムで使用される情報が入るサブディレクトリーがあります。通常、/usr 内のファイルは頻繁には変更されません。
/usr/bin
/usr/bin ディレクトリーには、標準的なユーティリティー・プログラムが入ります。
/QIBM
/QIBM ディレクトリーとは、システム・ディレクトリーのことで、 システムによって提供されます。
/QIBM/ProdData
/QIBM/ProdData ディレクトリーは、 ライセンス・プログラム・データ用に使用されるシステム・ディレクトリーです。
/QIBM/UserData
/QIBM/UserData ディレクトリーは、構成ファイルなど、 ライセンス・プログラムのユーザー・データ用に使用されるシステム・ディレクトリーです。
/QOpenSys/QIBM
/QOpenSys/QIBM ディレクトリーは、QOpenSys ファイル・システム用のシステム・ディレクトリーです。
/QOpenSys/QIBM/ProdData
/QOpenSys/QIBM/ProdData ディレクトリーは、QOpenSys ファイル・システム用のシステム・ディレクトリーで、 ライセンス・プログラムのデータ用に使用されます。
/QOpenSys/QIBM/UserData
/QOpenSys/QIBM/UserData ディレクトリーは QOpenSys ファイル・システム用の システム・ディレクトリーであり、構成ファイルなど、ライセンス・プログラムのユーザー・データ用に使用されます。
/asp_name/QIBM
/asp_name/QIBM ディレクトリーは、 システム上に存在する独立 ASP のためのシステム・ディレクトリーで、asp_name は独立 ASP の名前です。
/asp_name/QIBM/UserData
/asp_name/QIBM/UserData ディレクトリーは、 システム上に存在する独立 ASP 用の構成ファイルなど、 ライセンス・プログラムのユーザー・データ用に使用されるシステム・ディレクトリーで、asp_name は独立 ASP の名前です。
/dev
/dev ディレクトリーには、 さまざまなシステム・ファイルとディレクトリーが入ります。
/dev/xti
/dev/xti ディレクトリーには、 UDP および TCP デバイス・ドライバーが格納されます。