管理 IP フェイルオーバー

構成ノードに障害が発生すると、システムの IP アドレスは、新しいノードに転送されます。障害のある構成ノードから新しい構成ノードへの管理 IP アドレスの転送は、システム・サービスを使用して管理します。

システム・サービスによって、以下の変更が行われます。
  • 障害のある構成ノード上のソフトウェアが引き続き操作可能な場合は、ソフトウェアが管理 IP インターフェースをシャットダウンします。ソフトウェアが管理 IP インターフェースをシャットダウンできない場合は、ハードウェア・サービスが強制的にノードをシャットダウンします。
  • 管理 IP インターフェースがシャットダウンすると、残りのすべてのノードは新規ノードを選択して、構成インターフェースをホストします。
  • 新しい構成は構成デーモン (SSHD や HTTPD を含む) を初期化してから、管理 IP インターフェースを対応するイーサネット・ポートにバインドします。
  • ルーターは、新規構成のデフォルトのゲートウェイとして構成されます。
  • 管理 IP アドレスの新しい構成上でルーティング・テーブルが設定されます。新規構成は、 それぞれの IP アドレスごとに 5 つの非送信請求アドレス解決プロトコル (ARP) ・パケットを ローカルのサブネット・ブロードキャスト・アドレスに送ります。 ARP パケットには、新規構成ノードの管理 IP アドレスおよびメディア・アクセス制御 (MAC) アドレスが入っています。ARP パケットを受信するシステムは、すべてその ARP テーブルの更新を強制されます。 ARP テーブルが更新されれば、そのシステムは新規構成ノードに接続できます。
    注: イーサネット装置によっては、ARP パケットを転送しない場合があります。 ARP パケットが転送されない場合は、新規構成ノードへの接続を自動的に確立できません。 この問題を回避するには、すべてのイーサネット装置を非送信請求 ARP パケットを渡すように構成します。 システムにログインし、影響のあるシステムへのセキュア・コピーを開始すると、失われた接続を復元できます。セキュア・コピーを開始すると、影響のあるシステムと同じスイッチに接続されたすべてのシステムの ARP キャッシュへの更新が強制されます。

イーサネット・リンクの障害

システムと無関係なイベントが原因でシステムへのイーサネット・リンクに障害が発生した場合、システムは、管理 IP アクセスを復元するために構成ノードのフェイルオーバーを試行しません。例えば、イーサネット・リンクの障害は、ケーブル接続が切断されたりイーサネット・ルーターが故障したりすると、障害を起こす場合があります。このタイプの障害に対して保護するために、システムは、それぞれが管理 IP アドレスを持つ 2 つのイーサネット・ポートのオプションを提供します。1 つの IP アドレスを使用して接続できない場合は、代替 IP アドレスを使用してシステムへのアクセスを試行してください。

注: イーサネット接続を介したシステムへのアクセスのためにホストが使用する IP アドレスは、管理 IP アドレスとは異なります。

イベント通知および Network Time Protocol のルーティングの考慮事項

システムは、アウトバウンド接続を行う以下のプロトコルをサポートします。
  • E メール
  • Simple Network Mail Protocol (SNMP)
  • Syslog
  • Network Time Protocol (NTP).
これらのプロトコルは、管理 IP アドレスを使用するように構成されているポートでのみ機能します。アウトバウンド接続を行うときに、システムは以下の方法でルーティングの決定を行います。
  • 宛先 IP アドレスが管理 IP アドレスの 1 つと同じサブネット内にある場合、システムはパケットを即時に送信します。
  • 宛先 IP アドレスがいずれかの管理 IP アドレスと同じサブネット内にはない場合、システムはパケットをイーサネット・ポート 1 のデフォルトのゲートウェイに送信します。
  • 宛先 IP アドレスが管理 IP アドレスのいずれとも同じサブネットになく、イーサネット・ポート 1 がイーサネット・ネットワークに接続されていない場合、システムは、イーサネット・ポート 2 のデフォルト・ゲートウェイにパケットを送信します。

イベント通知用にこれらのプロトコルのいずれかを構成する場合は、これらのルーティング決定方法を使用して、ネットワーク障害が発生した場合にエラー通知が正しく行われるようにしてください。