DB2 Version 9.7 for Linux, UNIX, and Windows

座標系の構文

空間参照系の事前割り当てテキスト表記は、座標系情報の標準テキスト表記を提供します。 事前割り当てテキスト表記は、OGC「Simple Features for SQL」仕様 および ISO「SQL/MM Part 3: Spatial」標準に定義されています。

座標系は、地理座標系 (緯度 - 経度) であるか、投影座標系 (X,Y) であるか、または地球の中心から見た (geocentric) 座標系 (X,Y,Z) です。座標系は、複数のオブジェクトで構成されます。それぞれのオブジェクトは、大文字のキーワード (例えば、DATUM や UNIT など) を持ち、その後に続けて、オブジェクトの定義パラメーターをコンマで区切って大括弧内に指定します。オブジェクトのあるものは、他のオブジェクトから構成されるため、結果は ネストされた構造になります。

注: 大括弧 [ ] を 標準の括弧 ( ) で置き換えるのは自由であり、どちらのフォーマットの括弧も読めるはずです。
大括弧を使用した座標系のストリング表記の EBNF (拡張バッカス正規形式) 定義は、次のとおりです (括弧の使用については、上の注を参照してください)。
<coordinate system> = <projected cs> | 
<geographic cs> | <geocentric cs>
<projected cs> = PROJCS["<name>", 
<geographic cs>, <projection>, {<parameter>,}*
<linear unit>]
<projection> = PROJECTION["<name>"]
<parameter> = PARAMETER["<name>", 
<value>]

<value> = <number>
座標系のタイプは、使用されるキーワードで示されます。
PROJCS
データが投影座標にある場合は、データ・セットの座標系は PROJCS キーワードで示します。
GEOGCS
データが地理座標のデータであれば、データ・セットの座標系は GEOGCS キーワードで示します。
GEOCCS
データが地心から見た座標のデータであれば、データ・セットの座標系は GEOCCS キーワードで示します。
PROJCS キーワードの後には、投影座標系を定義するすべての項目を 指定します。どのオブジェクトであれ、最初の項目は必ず名前です。投影座標系の名前の後には、いくつかのオブジェクト (地理座標系、マップ投影、1 つまたは複数のパラメーター、および線形測定単位) が続きます。投影座標系はすべて、地理座標系に基づいているので、このセクションは、投影座標系に特有な項目を最初に説明します。例えば、NAD83 データ上の UTM ゾーン 10N は次のように定義されます。
PROJCS["NAD_1983_UTM_Zone_10N",
<geographic cs>,
PROJECTION["Transverse_Mercator"],
PARAMETER["False_Easting",500000.0],
PARAMETER["False_Northing",0.0],
PARAMETER["Central_Meridian",-123.0],
PARAMETER["Scale_Factor",0.9996],
PARAMETER["Latitude_of_Origin",0.0],
UNIT["Meter",1.0]]
代わって、名前および複数のオブジェクトが、地理座標系オブジェクト (データ、本初子午線、および角度測定単位) を定義します。
<geographic cs> = GEOGCS["<name>", <datum>, <prime meridian>, <angular unit>]
<datum> = DATUM["<name>", <spheroid>]
<spheroid> = SPHEROID["<name>", <semi-major axis>, <inverse flattening>]
<semi-major axis> = <number>
<inverse flattening> = <number>
<prime meridian> = PRIMEM["<name>", <longitude>]
<longitude> = <number>

半長軸 (semi-major axis) はメートルで測定され、ゼロより大きくなければなりません。

NAD83 上の UTM ゾーン 10 の地理座標系ストリング:
GEOGCS["GCS_North_American_1983",
DATUM["D_North_American_1983",
SPHEROID["GRS_1980",6378137,298.257222101]],
PRIMEM["Greenwich",0],
UNIT["Degree",0.0174532925199433]]
UNIT オブジェクトは角度測定単位または線形測定単位を表すことができます。
<angular unit> = <unit>
<linear unit> = <unit>
<unit> = UNIT["<name>", <conversion factor>]
<conversion factor> = <number>
 

変換係数は、単位あたりのメートル数 (線形単位の場合) または ラジアン数 (角度単位の場合) を指定し、ゼロより大きい値でなければなりません。

したがって、UTM ゾーン 10N の完全なストリング表記は次のようになります。
PROJCS["NAD_1983_UTM_Zone_10N",
GEOGCS["GCS_North_American_1983",
DATUM[ "D_North_American_1983",SPHEROID["GRS_1980",6378137,298.257222101]],
PRIMEM["Greenwich",0],UNIT["Degree",0.0174532925199433]],
PROJECTION["Transverse_Mercator"],PARAMETER["False_Easting",500000.0],
PARAMETER["False_Northing",0.0],PARAMETER["Central_Meridian",-123.0],
PARAMETER["Scale_Factor",0.9996],PARAMETER["Latitude_of_Origin",0.0],
UNIT["Meter",1.0]]
地心から見た座標系は、地理座標系に非常に似ています。
<geocentric cs> = GEOCCS["<name>", <datum>, <prime meridian>, <linear unit>]