テークオーバー操作後のデータベースの再統合

1 次データベースに障害が発生したために、テークオーバー操作を高可用性災害時リカバリー (HADR) 環境で実行した場合、 障害の発生したデータベースをオンラインに戻してスタンバイ・データベースとして使用するか、1 次データベースとしての状況に戻すことができます、

始める前に

再統合が成功するのは、古い 1 次のログ・ストリームが新しい 1 次のログ・ストリームから分岐していない場合のみです。 Db2® pureScale® 環境では、いずれかのログ・ストリームが分岐している場合、再統合は失敗します。 特に、HADR は、元のスタンバイ・データベースを新しい 1 次データベースに切り替える際に、 元のスタンバイ・データベースで反映されていない更新情報が、元の 1 次データベースに適用されていてはいけません。 この分岐が生じると、新しい 1 次データベースのバックアップ・イメージをリストアするか、 スプリット・ミラーを初期設定することにより、元の 1 次データベースをスタンバイ・データベースとして再始動できます。

通常、フェイルオーバーは、古い 1 次側がオフラインである場合にのみ実行されます。 ただし、一部のシナリオでは、まだオンラインになっている可能性があります ( Db2 pureScale 環境では、一部のメンバーでオンラインになっている可能性があります)。 例えば、クライアントからアクセス不能になって、フェイルオーバーが必要になることがあります。 再統合の前に古い 1 次側で DEACTIVATE DATABASE コマンドを実行しないでください。これは、非活動化によってログ・ストリームが変更され、古い 1 次側のログ・ストリームが新しい 1 次側のログ・ストリームと非互換になるためです。 代わりに、古い 1 次側の残りのメンバーをすべて強制終了します。

古い 1 次データベースを強制終了する必要がある可能性があるため、 Db2 インスタンス内に HADR データベースを 1 つだけ作成して、強制終了が他のデータベースに影響を与えないようにすることをお勧めします。

Db2 pureScale 環境では、古い 1 次のすべてのメンバーでデータベースをオフラインにする必要があります。 CF をシャットダウンして再始動する必要はありません。このデータベースの残りの CF データ構造は、再統合時にクリーンアップされます。

このタスクについて

START HADR コマンドが正常に戻っても、再統合が成功したことを示すわけではありません。 単にデータベースが開始されたという意味に過ぎません。 再統合はまだ進行中です。 その後で再統合が失敗すると、データベースはシャットダウンします。 db2pd コマンドまたは MON_GET_HADR 表関数を使用してスタンバイ状態をモニターし、スタンバイ・データベースがオンラインのままで、通常の状態遷移に進むことを確認する必要があります。 必要に応じて、管理通知ログ・ファイルおよび db2diag ログ・ファイルを調べてデータベースの状況を確認することができます。

プロシージャー

障害の発生した 1 次データベースを新しいスタンバイ・データベースとして HADR ペアに再統合するには、次のようにします。

  1. 元の 1 次データベースが配置されているシステムを修復します。 このことは、破損したハードウェアを修復することや、 障害の発生したオペレーティング・システムをリブートすることを意味する場合があります。
  2. 障害の発生した 1 次データベースをスタンバイ・データベースとして再始動します。
    次の例では、データベース LEAFS がスタンバイ・データベースとして開始されます。
     START HADR ON DB LEAFS AS STANDBY
    注: Db2 pureScale 環境では、優先再生メンバーとして指定したいメンバーからコマンドを発行するようにしてください。

次の作業

元の 1 次データベースがスタンバイ・データベースとして HADR ペアに再結合されたら、フェイルバック操作を開始することを選択し、 データベースの役割を切り替えて、元の 1 次データベースをその最初の役割に戻すことができます。 このフェイルバック操作を実行するには、スタンバイ・データベースで次のコマンドを発行します。
TAKEOVER HADR ON DB LEAFS
注:
  1. HADR データベースがピア状態ではないか、ペアが接続されていない場合、 このコマンドは失敗します。
  2. 1 次データベースのオープン・セッションは強制的にクローズされ、 処理中のトランザクションはロールバックされます。
  3. 1 次データベースとスタンバイ・データベースの役割を切り替える場合、 TAKEOVER HADR コマンドの BY FORCE オプションを指定することはできません。