Universal フィックスパックと製品固有のフィックスパック

フィックスパックのインストール時には、Universal フィックスパック (全製品) と製品別フィックスパックの 2 とおりの選択肢があります。

Universal [全製品] フィックスパック
以前のバージョンの DB2® データベース製品と同様に、GA レベルの製品をインストールしてから必要なフィックスパック・レベルを適用するという 2 ステップのプロセスを使用できます。 Windows オペレーティング・システムの場合、ユニバーサル・イメージを使用して、 DB2 を新しい場所にインストールできます。 このインストール方式は、インストール・パスに製品を 1 つインストールしているプラットフォームに適用されます。 例えば、既存の DB2 データベース製品のインストール済み環境があり、次のようなステップを使用してフィックスパック 1 レベルにアップグレードするとします。
  1. 必要な Universal フィックスパックをダウンロードします (1 つの製品だけがインストールされている場合、製品固有のフィックスパック (以下のセクションを参照) を使用することもできます)。
  2. このコピーに関係するすべてのインスタンスを停止します。
  3. DAS がこのコピーに関連付けられている場合、DAS を停止します。
  4. フィックスパックを適用します。
  5. インスタンスを再始動 (db2start) します。現在のコピーに関係する DAS がある場合は、その DAS の更新と再始動 (db2admin start) も行います。
製品固有のフィックスパック
製品固有のフィックスパックを使用すると、単一製品のアップグレードまたは新規パスへのインストールが可能です。 製品別フィックスパックのインストールを選択した場合、必要なレベルの製品をダウンロードしてから、その製品を 1 つのステップでインストールすることができます。 例えば、フィックスパック 1 レベルの Enterprise Server Edition (ESE) をインストールするには、以下のステップを実行します。
  1. 必要なレベルの製品をダウンロードします。
  2. 製品を新規パスにインストールします。
  3. 新しいインストール環境をテストします。
  4. テスト・インスタンスをドロップします。
  5. 新しいインストール・コピーから db2iupdt を実行して、インスタンスを新しいフィックスパックのレベルに移動します。

このアプローチをとれば、実動データベースに影響を与えずに、実動システム上で新バージョンをテストすることができます。 ダウン時間は 15-30 秒になりました (これは、db2stopdb2 bind、および db2start コマンドを発行するのに要する時間です)。

既にアップグレードされた DB2 コピーにこの機能を追加する場合は、Spatial Extender や InfoSphere® Federation Server などの製品固有のフィックスパックを使用できます。 ESE フィックスパック 1 の場合、既存の ESE 製品の上からインストールするには、Spatial Extender フィックスパック 1 が必要です。 GA DVD 上の Spatial Extender レベルでは不十分です。 この場合、Spatial Extender フィックスパック 1 イメージをダウンロードし、ライセンス・ファイルを追加し、インストーラーを実行する必要があります。インストーラーが完了したら、Spatial Extender インストール済み環境が作動します。

同じインストール・パスにインストールされている複数製品のアップグレード
1 つのパスに複数の製品がインストールされている場合、例えば、ESE と QP であれば、1 つの ESE イメージと 1 つの QP イメージを使用して新しいロケーションにインストールするか、Universal フィックスパックを使用して両方を一緒にアップグレードすることができます。 どちらの方法が良いかは、ダウンロードの前に決めておく必要があります。 1 つの製品しかインストールされていない場合、例えば ESE であれば、ESE の製品固有のフィックスパックまたは Universal フィックスパックのどちらを使用しても更新が行われます。
Universal フィックスパックを使用すべき状況
  • 同じ場所にある複数の製品をアップグレードしたい場合。
  • 現在の一連のフィーチャーまたは製品を失わずに、フィックスパックを別のロケーションにインストールするために、何をインストールしたかを想起できない場合。
製品固有のフィックスパックを使用すべき状況
  • 製品が 1 つであって、フィックスパックのダウンロード時間を節減したい場合。
  • システムのダウン時間による犠牲が大きい場合。
  • 実動データベースに影響を与えることなく新しいフィックスパックをテストする必要がある場合。
  • 前のバージョンに速やかに戻れるようにする必要がある場合 (失敗時のシステム・ダウン時間)。
  • フィックスパックを既にインストール済みであって、新規のフィーチャーまたは製品をそのフィックスパックに追加する必要がある場合。
注: これらの利点の多くは、元のメディアから新しい場所にインストールし、Universal フィックスパックを使用してフィーチャーまたは製品をアップグレードすることで実現できますが、追加のインストール時間がかかります。 Universal フィックスパックを既にダウンロード済みの場合、このほうが、必要とするフィックスパック・レベルの既存コピーを複製するのに必要なすべてのものをダウンロードするよりも、要する時間は短くて済む可能性はあります。