Db2 高可用性災害時リカバリー (HADR) の停止

Db2 高可用性災害時リカバリー (HADR) フィーチャーを使用している場合、1 次またはスタンバイ・データベースで保守を実行するために HADR 操作を停止する必要になる場合があります。 HADR 操作の停止は、保守を行うデータベースでのみ行ってください。 HADR の使用を完全に停止するには、両方のデータベースで HADR を停止してください。

このタスクについて

警告: 指定されたデータベースを停止したいが、HADR 1 次データベースまたはスタンバイ・データベースの役割を維持したい場合は、STOP HADR コマンドを発行しないでください。 STOP HADR コマンドを発行するとデータベースは標準データベースになり、HADR データベースとして運用を再開するためには再初期設定が必要になることがあります。 代わりに、DEACTIVATE DATABASE コマンドを発行してください。
Db2 バージョン 11.1へのアップグレード中に、 Db2 バージョン 10.5 フィックスパック 7 以降のデータベースで STOP HADR コマンドを発行して、データベースの役割を標準に変更し、非 HADR データベースとしてアップグレード・プロセスを完了することができます。 詳しくは、 HADR 環境での Db2 サーバーのアップグレード中の障害の処理 (バージョン 10.5 フィックスパック 7 以降)を参照してください。

何らかの理由でスタンバイ・データベースが不要になった場合、または 1 次データベースに問題がある場合は、スタンバイ・データベースで STOP HADR コマンドを発行できます。

アクティブ・スタンバイ・データベースの場合、エラー・メッセージが返されます。 非アクティブ化されたスタンバイ・データベースの場合、HADR 役割が STANDARD に変更され、データベースはロールフォワード・ペンディングになります。 STOP オプションを指定して ROLLFOWARD DATABASE コマンドを発行し、データベースのロールフォワード・ペンディング状態を解除してから、 UPGRADE DATABASE コマンドを発行してアップグレード・プロセスを完了します。
注: スタンバイ・データベースに問題がある場合は、1 次データベースに対して STOP HADR コマンドを発行できます。 これにより役割が STANDARD に変更され、UPGRADE DATABASE コマンドを発行してアップグレード・プロセスを非 HADR データベースとして実行することができます。

標準のデータベースに STOP HADR コマンドを発行すると、エラーが戻されます。

プロシージャー

1 次またはスタンバイ・データベースで HADR 操作を停止するには、次のようにします。

  • CLP から、HADR 操作を停止するデータベースに対して STOP HADR コマンドを発行します。
    次の例では、HADR 操作はデータベース SOCKS で停止します。
    STOP HADR ON DATABASE SOCKS

    このコマンドを非アクティブの 1 次データベースに対して発行する場合、 データベースは標準データベースに切り替わり、オフラインのままになります。

    このコマンドを非アクティブのスタンバイ・データベースに対して発行する場合、 データベースは標準データベースに切り替わり、ロールフォワード・ペンディング状態となって、 オフラインのままになります。

    このコマンドをアクティブな 1 次データベースで発行する場合、スタンバイ・データベースへのログの送信が停止し、 1 次データベースで HADR エンジン・ディスパッチ可能単位 (EDU) がすべてシャットダウンされます。 データベースは、標準データベースに切り替わり、オンラインのままになります。 トランザクション処理は続行可能です。 データベースの役割を 1 次データベースに戻す場合は、START HADR AS PRIMARY コマンドを発行できます。

    このコマンドをアクティブなスタンバイ・データベースに対して発行する場合、エラー・メッセージが戻され、 スタンバイ・データベースを標準データベースに変更する前にそれを非アクティブにする必要があることが示されます。

  • アプリケーションから、 db2HADRStop アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) を呼び出します。
  • IBM® Data Studioから、 STOP HADR コマンドのタスク・アシスタントを開きます。