リカバリー履歴ファイルのプルーニングの自動化

リカバリー履歴ファイル項目の状況を自動的に整理および更新するように、 データベース・マネージャーを構成できます。

UPDATE HISTORY コマンド、db2HistoryUpdate API、または ADMIN_CMD プロシージャーに "UPDATE_HISTORY" パラメーターを指定して使用することにより、 リカバリー履歴ファイル内の項目の状況を手動で更新できます。 PRUNE HISTORY コマンド、db2Prune API、または ADMIN_CMD プロシージャーに "PRUNE_HISTORY" パラメーターを指定して使用することにより、リカバリー履歴ファイル内の項目を手動で除去または整理できます。 ただし、リカバリー履歴ファイルを手動で更新および整理する代わりに、 データベース・マネージャーがリカバリー履歴ファイルを管理するように構成することが勧められています。

データベース・マネージャーは、以下のタイミングで、リカバリー履歴ファイルの項目を自動的に更新および整理します。

  • データベースのフルバックアップ操作または表スペースのフルバックアップ操作が正常に完了した後。

  • ロールフォワード操作不要のデータベース・リストア操作が正常に完了した後。

  • データベース・ロールフォワード操作が正常に完了した後。

自動プルーニングの際に、データベース・マネージャーは以下の 2 つの操作を実行します。

  1. リカバリー履歴ファイルの項目の状況を更新します。

  2. 有効期限切れとなったリカバリー履歴ファイルの項目を整理します。

データベース・マネージャーは、以下の方法でリカバリー履歴ファイルの項目を更新します。

  • 必要でなくなったアクティブ・データベース・バックアップのイメージには、 すべて「有効期限切れ」とマークされます。

  • 「非アクティブ」のマークが付いており、 有効期限がすでに切れているデータベース・バックアップが作成された時点よりも前に作成されたデータベース・バックアップ・イメージも、 「有効期限切れ」とマークされます。 すべての関連する非アクティブ表スペース・バックアップ・イメージおよびロード・バックアップ・コピーにも、「有効期限切れ」とマークされます。

  • アクティブのデータベース・バックアップ・イメージがリストアされるものの、 履歴ファイルに記録されている最新のデータベース・バックアップではない場合には、 これと同じログ・シーケンスに属する後続のデータベース・バックアップ・イメージは「非アクティブ」としてマークされます。

  • 非アクティブのデータベース・バックアップ・イメージがリストアされた場合、 現行のログ・シーケンスに属する非アクティブ・データベース・バックアップは、 再び「アクティブ」としてマークされるようになります。 現行のログ・シーケンスに入っていないすべてのアクティブなデータベース・バックアップ・イメージには、「非アクティブ」のマークが付けられます。

  • 現行のログ・シーケンス (現行のログ・チェーンとも呼ばれる) に対応していないデータベースまたは表スペース・バックアップ・イメージには、「非アクティブ」のマークが付けられます。

    現行のログ・シーケンスは、リストアされたデータベース・バックアップ・イメージと、処理済みのログ・ファイルにより判別されます。 データベース・バックアップ・イメージがリストアされると、以後のデータベース・バックアップ・イメージはすべて非アクティブになります。 リストアされたイメージは、新しくログ・チェーンを始めるためです。 (このことは、バックアップ・イメージをロールフォワードせずにリストアした場合も当てはまります。 ロールフォワード操作を行うと、ログ・チェーン内の中断後に取られたデータベース・バックアップは、 非アクティブのマークが付けられます。 ロールフォワード・ユーティリティーにより、 損傷した現行バックアップ・イメージを含むログ・シーケンスが調べられるので、 古いデータベース・バックアップ・イメージをリストアする必要が生じることが考えられます。)

  • 表スペースをリストアした後で、現行のログ・シーケンスを適用して、 データベースの現行の状態に達することができない場合には、 その表スペース・レベルのバックアップ・イメージは非アクティブになります。

  • 状況が「do_not_delete」の項目は整理されず、それらに関連付けられたログ・ファイル、 バックアップ・イメージ、およびロード・コピー・ロード・コピーは削除されません。

  • データベースのアップグレード時に、履歴ファイル中のすべてのオンライン・データベース・バックアップ項目とすべてのオンラインまたはオフライン表スペース・バックアップ項目は、 有効期限切れとマークされるので、自動再構築の際にこれらの項目は再構築に必要なイメージとして選択されません。 ロード・コピー・イメージとログ・アーカイブ項目はリカバリーの目的で使用できないので、 これらのタイプの項目も有効期限切れとマークされます。

以下のデータベース構成パラメーターは、データベース・マネージャーがどの項目を整理するかを制御します。
num_db_backups
データベースのために保持するデータベース・バックアップの数を指定します。
rec_his_retentn
バックアップの履歴情報を保持する日数を指定します。
auto_del_rec_obj
整理されるリカバリー履歴ファイルの項目に関連付けられたログ・ファイル、バックアップ・イメージ、 およびロード・コピー・イメージを、データベース・マネージャーが削除するかどうかを指定します。

データベース・マネージャーがリカバリー履歴ファイルを自動的に管理するように構成するには、 以下の構成パラメーターを設定します。

  • num_db_backups
  • rec_his_retentn
  • auto_del_rec_obj

auto_del_rec_objON に設定されているとき、成功したデータベース・バックアップ項目の数が num_db_backups 構成パラメーターよりも大きい場合には常に、データベース・マネージャーが rec_his_retentn よりも古いリカバリー履歴ファイルの項目を自動的に整理し、ログ・ファイル、バックアップ・イメージ、ロード・コピー・イメージなど、対象のリカバリー履歴ファイル項目に関連付けられているオブジェクトを削除します。

auto_del_rec_objOFF に設定されているときは、num_db_backups 値と rec_his_retentn 値のそれぞれの設定内容に基づいて、データベース・マネージャーがリカバリー履歴ファイル項目を整理します。ただし、ログ・ファイル、バックアップ・イメージ、ロード・コピー・イメージなど、整理されるリカバリー履歴ファイル項目に関連付けられているオブジェクトは削除されません。