アクティビティー・イベント・モニター

アクティビティー・イベント・モニターは、 システムで実行されるアクティビティーに関するデータをキャプチャーします。 このイベント・モニターを使用すると、ステートメントのパフォーマンスと動作、ならびにシステム全般のロードのパフォーマンスと動作をより深く理解するために役立つデータを収集できます。 アクティビティー・イベント・モニターは、 システムで各アクティビティーが完了した後に情報を記録します。 一方、 作業単位イベント・モニターは、各トランザクションの完了時にデータを記録します。 アクティビティー・イベント・モニターを使用すると、 個々のステートメントの実行に関するモニター・エレメントを調べることができます。
アクティビティー・イベント・モニターが戻すデータは、 以下の表関数が戻すデータを補完するものです。
  • MON_GET_ACTIVITY_DETAILS
  • MON_GET_PKG_CACHE_STMT
  • MON_GET_PKG_CACHE_STMT_DETAILS
このイベント・モニターは、 システムで実行されたアクティビティーの履歴情報を戻しますが、 これらの表関数は、システムで実行完了したアクティビティー、または最近実行されたアクティビティーの情報を提供します。

アクティビティー・イベント・モニターの用途

他のイベント・モニターと一緒に使用する
アクティビティー・イベント・モニターは、 他のイベント・モニターと一緒に使用すると特に有用です。 例えば、定義したしきい値に違反するステートメントの実行に関する情報をキャプチャーする必要があるとします。 この場合、次の手順を実行します。
  1. CREATE THRESHOLD ステートメントを使用してしきい値を定義します。 しきい値を定義する一環として、COLLECT ACTIVITY DATA 節を指定して、 アクティブなアクティビティー・イベント・モニターでアクティビティー・データを記録するように指定します。
  2. しきい値がいつ違反されたのかを示す詳細情報を、 その時にシステムで何が発生していたのかを示す他のデータと一緒にキャプチャーする、しきい値違反イベント・モニターを作成します。
  3. しきい値違反によって生成されるアクティビティー情報をキャプチャーするアクティビティー・イベント・モニターを作成します。
  4. アプリケーションまたはワークロードを実行します。
  5. イベント・モニターの出力を照会して、 しきい値が違反された時に何が発生していたのかを示す情報を参照します。 しきい値違反イベント・モニターのデータと、 アクティビティー・イベント・モニターのデータの結合を実行すれば、 違反発生時に実行されていたステートメントを特定できます。
このプロセスについて詳しくは、 例: ステートメントの実行に関連するアクティビティー情報のキャプチャーを参照してください。
アクティビティー・イベント・モニターには他にも次のような用途があります。
  • 実行時間が長い照会に関する情報をキャプチャーします。 この場合は、 アクティビティーが終了する前に、WLM_CAPTURE_ACTIVITY_IN_PROGRESS プロシージャーを実行してアクティビティーに関する情報の収集を実施しておきます。 このプロシージャーの実行は、長時間実行されているステートメントを強制終了するだけでなく、 そのステートメントに関する情報をキャプチャーする必要がある場合に有用です。
  • 特定のワークロード内のどのステートメント・アプリケーションが実行されているのかを調べます。
コマンド、プロシージャー、またはツールへの入力
アクティビティー・イベント・モニターによって生成されたデータを、次に示すものを含め、さまざまなツールおよびストアード・プロシージャーの入力値として使用できます。
db2advis - 設計アドバイザー・コマンド
db2advis コマンドは、アクティビティー・イベント・モニターの出力を使用して、以下の項目およびアクティビティーに関する推奨事項を生成します。
  • マテリアライズ照会表 (MQT)
  • 索引
  • 表の再パーティション化
  • マルチディメンション・クラスタリング (MDC) 表への変換
  • 使用されていないオブジェクトの削除
db2expln - SQL および XQuery Explain コマンド
db2expln は、アクティビティー・イベント・モニターから得たセクション情報を使用して、 セクションに関連するステートメントのアクセス・プランを作成することができます。
EXPLAIN_FROM_ACTIVITY ストアード・プロシージャー
EXPLAIN_FROM_ACTIVITY ストアード・プロシージャーは、 アクティビティー・イベント・モニターから得たセクションの内容を使用して、 特定のステートメントの実行を Explain します。 Explain の出力は Explain 表に格納され、Explain ツール (例えば db2exfmt コマンド) を使ってこれを処理できます。 Explain の出力には、存在する場合、アクセス・プランとセクション actuals (アクセス・プランの演算子に関するランタイム統計) がどちらも含まれます。
ワークロード管理履歴分析ツール
wlmhist.pl および wlmhistrep.pl の Perl スクリプトは、 アクティビティー・イベント・モニターによってキャプチャーされた情報を使用して、 履歴分析を実行します。
セクション actuals
アクティビティー・イベント・モニターのもう 1 つの用途は、 セクション actuals をキャプチャーすることです。 このデータを使用すると、 アクティビティー・イベント・モニターでキャプチャーされた実際の値と、 アクセス・プラン内の見積もりコストとを比較することができます。 この比較によって、 アクセス・プランがまだ有効かどうかを確認できます。