ログ・ファイルのスペース所要量

ログ・ファイルのスペース所要量は、必要性と構成パラメーターの設定によって異なります。

ログ制御ファイルの場合、56 KB のスペースが必要です。 また、最低でも、アクティブ・ログ構成のために十分なスペースが必要です。 以下のように計算することができます。
  • (logprimary + logsecond) × (logfilsiz + 2) × 4096
ここで、
  • logprimary は、データベース構成ファイルで定義されている 1 次ログ・ファイルの数です。
  • logsecond は、データベース構成ファイルで定義されている 2 次ログ・ファイルの数です。この計算では、logsecond-1 に設定することはできません。 (logsecond-1 に設定すると、無限のアクティブ・ログ・スペースを要求することになります。)
  • logfilsiz は、データベース構成ファイルで定義されている、各ログ・ファイルのページ数です。
  • 2 は各ログ・ファイルに必要なヘッダー・ページの数です。
  • 4096 は 1 ページのバイト数です。

この計算により、ログ・ファイルに必要なディスク・スペースの一般ガイドラインが提供されます。 しかし、選択されたログ・アーカイブ方式が失敗した場合の潜在的なログ・アーカイブ障害に備えるため、十分なディスク・スペースを確保する必要があります。 そのような場合、ログ・ファイルが正常にアーカイブされるまでの間、ログ・ファイルを保持しておく必要が生じることがあります。 そのため、トランザクションがログ・ファイルにデータを格納する速度と、ログ・アーカイブ障害が通知されるまでに要する時間に応じて、多数のログ・ファイルが保持され、使用可能なディスク・スペースのうち大量の領域を占有する可能性があります。 Db2® プロセスは、パフォーマンス上の理由から、いくつかの追加のアーカイブ・ログ・ファイルをログ・パスに保持する場合があります。 そのため、ログ・パス内のログ・ファイルの数が想定より多いように見えることがあります。

ロールフォワード・リカバリー
データベースがロールフォワード・リカバリーのために使用される場合、次のような特別なログ・スペース所要量が考慮される場合があります。
  • logarchmeth1 構成パラメーターを LOGRETAIN に設定すると、ログ・ファイルは log path ディレクトリーにアーカイブされます。 オンライン・ディスク・スペースは、ログ・ファイルを別のロケーションに移動しない限り、いつかいっぱいになります。
  • logarchmeth1 構成パラメーターを USEREXITDISK、または VENDOR に設定すると、ユーザー出口プログラムによって、アーカイブ・ログ・ファイルが別のロケーションに移動されます。 次のもののために、さらに余分のログ・スペースが必要です。
    • ユーザー出口プログラムによって移動される前のオンライン・アーカイブ・ログ・ファイル。
    • 将来の利用のために初期化されている新しいログ・ファイル。
  • これらのファイルを圧縮可能にすると、アーカイブ・ログ・ファイルを保管するコストを減らすことができます。
    • 例えば、logarchmeth1 構成パラメーターを DISKTSM、または VENDOR に設定し、logarchcompr1 構成パラメーターを ON に設定した場合、アーカイブ・ログ・ファイルは圧縮されるため、これらのファイルの保管コストが削減されます。 動的に圧縮可能にすると、既に保管されている既存のアーカイブ・ログ・ファイルは圧縮されません。 圧縮可能にすると、圧縮は現行のアクティブ・ログ・ファイルから開始されます。
循環ロギング
データベースが循環ロギングのために使用される場合、この公式の結果は、ロギング用に割り振られる全スペースとなります。つまり、それを超えるスペースは割り振られず、どのログ・ファイルに対しても、ディスク・スペース不十分のエラーを受け取ることはありません。
無限ロギング
データベースで無限ロギングが有効になっている場合 (つまり、logsecond 構成パラメーターを -1 に設定した場合)、アーカイブ・ロギングを有効にするには、logarchmeth1 構成パラメーターを OFF または logretain 以外の値に設定する必要があります。 データベース・マネージャーは、少なくとも、logprimary 構成パラメーターによって指定された数のアクティブ・ログ・ファイルをログ・パスに保持します。したがって、上述の式で logsecond 構成パラメーターに値 -1 は使用しないでください。 ログ・ファイルのアーカイブによって生じる遅延を許可するために、 余分のディスク・スペースを提供するようにしてください。
ログ・パスのミラーリング
ログ・パスをミラーリングする場合、 見積もりログ・ファイルのスペース所要量を 2 倍にする必要があります。
現在コミット済み
照会がデータの現在コミット済みの値を返す場合、cur_commit 構成パラメーターが DISABLED に設定されていなければ、トランザクションにおけるデータ行の最初の更新をログに記録するためのログ・スペースがさらに必要になります。 ワークロードのサイズによって、使用される合計ログ・スペースが大きく異なることがあります。 このシナリオは、ワークロードに必要なログ入出力、アクティブ・ログ・スペース所要量、ログ・アーカイブ・スペース所要量に影響を与えます。
注: cur_commit 構成パラメーターを DISABLEDに設定すると、以前のリリースと同じ動作が維持され、必要なログ・スペースは変更されません。