UPGRADE DATABASE コマンド

UPGRADE DATABASE コマンドは、前のバージョンの Db2® データベースを、インスタンスによって実行されるリリースに対応する形式に変換します。

db2ckupgrade コマンドは、データベースがアップグレードの準備ができていることを検査するために、インスタンスのアップグレードの前に発行する必要があります。 db2iupgrade コマンドは、暗黙的に db2ckupgrade を呼び出します。 アップグレードの前、および現行バージョンの Db2 データベース製品を Windows オペレーティング・システムにインストールする前に、すべてのデータベースをバックアップします。

Db2 バージョン 10.5 フィックスパック 7 以降の HADR データベースでは、db2iupgrade コマンドは db2ckupgrade コマンドを呼び出し、1 次側のログ・シッピングの位置がスタンバイ側のログ適用の位置と一致していることを確認します。 また、UPGRADE DATABASE コマンドも開始時のログ位置を検証し、一致しない場合は不合格になります。

許可

SYSADM

必要な接続

このコマンドは、データベース接続を確立します。

コマンド構文

Read syntax diagramSkip visual syntax diagramUPGRADEDATABASEDBdatabase-aliasUSERusernameUSINGpasswordREBINDALL

コマンド・パラメーター

DATABASE database-alias
現在インストールされているバージョンの データベース・マネージャーにアップグレードするデータベースの別名を指定します。
USER username
データベースをアップグレードする際のユーザー名を識別します。
USING password
ユーザー名を認証するために使用するパスワード。 ユーザー名を指定してパスワードを省略すると、 ユーザーに入力を求めるプロンプトが出ます。
REBINDALL
アップグレード時に全パッケージの REBIND を実行するように指定します。 アップグレード時に REBIND を自動実行することによって、 この手順が漏れないようにします。また、これは、 REBIND の完了前に他のアプリケーションが開始されないようにするためにも役立ちます。

以下の例では、データベース別名salesにカタログされたデータベースをアップグレードします。
db2 UPGRADE DATABASE sales

使用上の注意

このコマンドは、データベースを新しいバージョンにアップグレードするだけであり、 アップグレード済みのデータベースを元のバージョンに戻すために使用することはできません。

アップグレードの前にデータベースをカタログする必要があります。

UPGRADE DATABASE コマンドの実行中に ヘルス・モニター を有効にすると、アップグレード中に接続が試行され、 SQL1035N メッセージが表示される可能性があります。 この問題を回避するには、コマンドを実行する前にヘルス・モニターを無効にしてください。

アップグレードの途中でエラーが発生する場合、提案されているユーザー応答を試みる前に、 TERMINATE コマンドを発行することが必要になる場合があります。 例えば、アップグレード中にログエラーが発生した(SQL1704: データベースのアップグレードが失敗した) 場合などです。 理由コード "3"。), データベース構成パラメーター logprimary および logfilsizの値を増やす前に、 TERMINATE コマンドを発行する必要があります。 データベースが既に再配置された後にアップグレードが失敗した場合、 CLP はそのデータベース・ディレクトリー・キャッシュをリフレッシュする必要があります (「ログがいっぱい」エラーが戻される場合にこのようになる可能性があります)。

Db2 バージョン 10.5 以降の HADR データベースの場合、詳しくは、 DB2® 高可用性災害時リカバリー (HADR) 環境のアップグレード を参照してください。

ユーザーがアップグレードされたデータベースの増分バックアップを作成する場合は、データベースのアップグレード後にデータベースの完全バックアップが必要です。 これは、増分バックアップの新しい開始点として機能します。