db2pdcfg - 問題判別動作用の Db2 データベースの構成コマンド
Db2 データベース・メモリー・セット内のフラグを、データベース・システムの問題判別用の動作に影響を与えるように設定します。
許可
以下のいずれかの権限レベルが必要です。
- SYSADM 権限レベル。
- SYSCTRL 権限レベル。
- SYSMAINT 権限レベル。
- SYSMON 権限レベル。
SYSMON 権限レベルが付与される場合にのみ、status サブオプションが指定されていない限り以下のパラメーターは作動しません。
- catch
- cos
- dbcfg
- dbmcfg
- fodc
- trapresilience
注: Windows で db2pdcfg コマンドを使用するには、管理者権限が必要です。
必要な接続
接続に必要な最低限の要件はありません。 しかし、データベースの有効範囲オプションが指定されている場合、 コマンドが要求された情報を戻す前に、 そのデータベースをアクティブにする必要があります。
コマンド構文
コマンド・パラメーター
- -catch
- エラーまたは警告をキャッチするようにデータベース・マネージャーに指示します。
- clear
- 設定されているすべてのキャッチ・フラグをクリアします。
- status
- 設定されているすべてのキャッチ・フラグを表示します。
- errorCode
- 設定されている特定のフラグをキャッチします。考えられる errorCode オプションは以下のとおりです。
- sqlCode[,reasonCode] / sqlCode=sqlCode[,reasonCode]
- ZRC (16 進数または整数)
- ZRC #define (SQLP_LTIMEOUT など)
- ADM (ADM1611 など)
- ストリング (diagstr="Hello World" など)
- ECF (16 進数または整数)
- "deadlock" または "locktimeout"
管理用通知メッセージ (ADM1611) や db2diag ログにあるストリング ("Hello World") などの、指定された特定のフラグをキャッチすると、db2cos スクリプトはその情報をダンプします。注: リモート・メンバーで diagstr オプションのストリングを引用符で囲んで指定する場合は、引用符で "¥" を使用してください。 例えば、リモート・メンバー 5 の場合、コマンドは次のようになります。db2pdcfg -catch diagstr=\"Hello World\" -member 5
- stack
- db2diag ログ・ファイルにスタック・トレースを作成します。 デフォルト。
- db2cos
- bin ディレクトリーにある db2cos コールアウト・スクリプトを実行します。 デフォルト。
- stopdb2trc
- db2trc コマンドを停止します。
- lockname=lockname
- 特定のロックをキャッチするためのロック名 (
lockname=000200030000001F0000000052
)。 - locktype=locktype
- 特定のロックをキャッチするためのロック・タイプ (
locktype=R
またはlocktype=52
)。 - count=count
- データベース・マネージャーのトラップ中にデータベース・マネージャーが db2cos を実行する回数。 デフォルトは 1です。
- -cos
- データベース・マネージャーのトラップ時に db2cos コールアウト・スクリプトを呼び出す方法を、データベース・マネージャーに指示します。
- status
- 状況を印刷します。
- off
- データベース・マネージャーのトラップ中の db2cos 呼び出しをオフにします。
- on
- データベース・マネージャーのトラップ中の db2cos 呼び出しをオンにします。
- sleep=numsec
- db2cos によって生成される出力ファイル・サイズの検査が終了した状態が続くときにスリープするまでの時間の長さ。 デフォルトは 3 秒です。
- timeout=numsec
- 待機時に db2cos スクリプトが完了したと見なすまでの時間の長さ。 デフォルトは 30 秒です。
- count=count
- データベース・マネージャーのトラップ中に db2cos を実行する回数。 デフォルトは 1です。
- SQLO_SIG_DUMP
- SQLO_SIG_DUMP シグナルの受信時に db2cos の実行を有効にします。
- -dbmcfg
- DBM Config Reserved Bitmap を設定します。 このオプションはパスワードで保護されており、 IBM Db2 サービスから入手できます。
- xml=0 | 1
- 値 0 (デフォルト) または 1 (インスタンスには xml データがある)。
- -dbcfg
- Database Config Reserved Bitmap を設定します。 このオプションはパスワードで保護されており、 IBM Db2 サービスから入手できます。
- xml=0 | 1
- 値 0 (デフォルト) または 1 (データベースには xml データがある)。
- -fodc
- Db2 データベース・メモリー・セット内のフラグを設定します。 これは、First Occurrence Data Capture (FODC) を使用する問題判別状況におけるデータベース・システムの動作に影響を与えます。
サポート対象の-fodc オプションとその可能値及びデフォルトは、以下のとおりです。
- reset
- すべての FODC オプションをデフォルトにリストアします。
- status
- すべての FODC オプションの状況を表示します。 これはデフォルト・オプションです。 つまり、パラメーターを指定しないで db2pdcfg を呼び出すと、FODC 状況が表示されます。
- FODCPATH=fodc_path_name
- FODC データ・パッケージを作成する既存ディレクトリーの絶対パス名を指定します。 指定するパスは、マシン上のメンバーが書き込み可能な場所でなければなりません。さらに、そのメンバーまたはパーティション上で実行される fmp プロセスで書き込み可能な場所でなければなりません。
- DUMPCORE=
- UNIX および Linux® オペレーティング・システムでのみ、コア・ファイルの生成を有効または無効にします。
- AUTO
- トラップを維持できず、インスタンスがシャットダウンされる場合に、コア・ファイルが生成されます。
- ON
- コア・ファイルの生成を有効にし、DB2RESILIENCE レジストリー変数の設定をオーバーライドします。
- OFF
- コア・ファイルの生成を無効にします。
- DUMPDIR=dirpath
- コア・ファイルの作成場所のディレクトリーの絶対パス名を指定します。
- DUMPSHM=
- db2cos スクリプトで db2pd コマンドを実行することによって、DB2 メモリー・セットのダンプを制御します。
- AUTO
- システム障害時にコア・ファイルが必要な場合、コールアウト・スクリプトで DB2 共有メモリー・セットをダンプするために db2pd コマンドが実行されます。
- ON
- システム障害時に、コールアウト・スクリプトで DB2 共有メモリー・セットをダンプするために db2pd コマンドが実行されます。
- OFF
- システム障害時に、コールアウト・スクリプトで DB2 共有メモリー・セットをダンプするために db2pd コマンドは実行されません。
- CORESHM=
- AIX® および Linux (カーネル 2.6.32 以降) プラットフォームのみで、コア・ダンプ・ファイルに共有メモリーが含まれるかどうかを制御します。
- ON
- 共有メモリーがコア・ダンプ・ファイルに含まれます。
- OFF
- 共有メモリーがコア・ダンプ・ファイルに含まれません。
- CORELIMIT=size
- 作成されるコア・ファイルの最大サイズ。 この値は、現在のコア・ファイルのサイズ制限の設定をオーバーライドします。 unlimited のデフォルト値が適用されます。 コア・ファイルは非常に大きくなる可能性があるため、使用可能なファイル・システム・スペースを考慮する必要があります。 実際のサイズは、Db2 の構成、および問題発生時のプロセスの状態に応じて異なります。
db2pdcfgを使用して CORELIMIT を変更する場合、通常の UNIX アクセス権が適用され、場合によっては CORELIMIT が ulimit 設定を超えることはできません。 DB2FODC レジストリー変数を使用して、 db2start 上でその値を変更するか、 Db2 製品を開始する前に大きな ulimit 設定を使用します。
- SERVICELEVEL=
- データ破損を示す可能性のあるパニック、トラップ、またはエラーの発生時におけるデータの収集方法を指定します。 デフォルトの動作設定は AUTOMATIC です。 BASIC または FULL のいずれかを動的に設定すると、前に行った DUMPCORE 設定がオーバーライドされることに注意してください。したがって、その設定をそのまま保持したい場合、これは db2pdcfg 設定の一部として指定する必要があります。 これを動的に設定しても、障害によって CF が再始動されない限り、または意図的に停止して再始動されない限り、 CF には影響しません。 このパラメーターでは次のオプションがサポートされています。
- AUTOMATIC
- この設定は、有効な SERVICELEVEL 設定 (つまり、 BASIC または FULL) が、 CF プロセスの実行時、 メンバー、および開始時に選択されることを指定します。 現時点では、 BASIC が選択されるのは、複数の メンバー を持つ Db2 pureScale® 環境、およびトラップ回復力のためだけです。
- BASIC
- この SERVICELEVEL 設定では、ダンプ出力される FODC データの最小量を指定します。 コア・ダンプ処理はデフォルトで無効になっており (ただし、COREDUMP 設定によりオーバーライドできます)、診断は影響を受けるスレッドのみに限定され、コールアウト・スクリプトは無効になっています。
- FULL
- この SERVICELEVEL 設定では、ダンプ出力される FODC データの最大量を指定します。 これには、コア・ダンプ、関連付けられているすべてのコンポーネント・ダンプ、およびコールアウト・スクリプトの呼び出しが含まれます。 また、トラップの維持は試行されません。
- -fixstack existing_stack_filename
- 既存のスタック・ファイルを読み取り、同じロケーションに、同じファイル名を持つが追加のファイルを持つ新規ファイルを生成します。.fmtファイル拡張子。 新しい.fmtシンボルが定義されているライブラリーがこのコマンドの実行時に使用可能な場合には, スタック・トレース内のいくつかのフレームで, 生成されるファイルのシンボル詳細が改善されます。注: Linux オペレーティング・システムにのみ適用されます。
- -global
- リモート・ホストに対しても db2pdcfg を実行することを指定します。 -file パラメーターを指定した場合、リモート・ホスト上のすべての個別ファイルから成る単一ファイルが、db2pdcfg コマンドが発行されたコンピューター上に作成されます。注: このコマンド・パラメーターは、 Db2 バージョン 9.8 フィックスパック 3 以降で使用可能です。 このコマンド・パラメーターは、Db2 バージョン 9.7 フィックスパック 4 およびそれ以降のフィックスパックでは非推奨です。
- -dbp database partition number
- 指定したデータベース・パーティションのリモート・ホストに対して db2pdcfg を実行することを指定します。 -global オプションでデータベース・パーティションを指定しなかった場合は、すべてのリモート・ホストに対して db2pdcfg が実行されます。
- -host hostname
- コマンド発行先ホスト (複数も可) を指定します。 このコマンドは、ホスト上にあるすべてのメンバーに対して発行されます。 このオプションを指定しない場合、コマンドはローカル・ホストに対して発行されます。 複数のホストを指定する場合、すべてのホスト名が有効でないと、コマンドを完了できません。 このオプションは、-member オプションと一緒に指定できません。
- -member member_number | member_range
- コマンド発行先メンバー (複数も可) を指定します。 このオプションを指定しない場合、コマンドは現行メンバーに対して発行されます。 複数のメンバーを、member_number のコンマ区切りリスト (member1, member2) として、または member_range (member_range はメンバーの範囲 (member1-member3)) を使用して指定できます。最初の 2 つの方式を組み合わせて使用することもできます。 このオプションは、-host オプションと一緒に指定できません。
- all
- リモート・ホスト上のメンバーを含め、すべてのメンバーに対してコマンドを発行するように指定します。
- -trapresilience
- このオプションは、問題判別のために、トラップ回復パラメーターを表示または変更します。以下は、このオプションを指定した場合の出力例です。
Db2 trap resilience is enabled. Current threshold setting : 0 (threshold disabled) Number of traps sustained : 0
- threshold=number
- デフォルト値: 0 (しきい値は無効)
例
メンバー 11、12、13、および 15 の現行の FODC パッケージ設定を表示するには、以下のようにします。
db2pdcfg -fodc status -member 11-13,15
FODC パッケージをローカル・ホスト上のディレクトリーに送信するには、以下のようにします。
db2pdcfg -fodc FODCPATH=/home/hotel49/user/FODC/FODClocal
使用上の注意
db2pdcfg は、FODC オプションを (オンラインで) 動的に変更するためのメソッドです。
db2pdcfg は Db2 データベース・メモリー中のフラグを設定するので、db2pdcfg ツールを使用して加えられる変更は、インスタンスの稼働中のみアクティブになります。 変更を永続的にするには、DB2FODCレジストリ変数を使用します。
-fodc オプションでは、一部の設定は
variable=value
の形式で指定されます。 複数のオプションを 1 つのコマンド行で指定できます。db2pdcfg -fodc DUMPCORE=ON -fodc CORELIMIT=8GB
またはその代わりに、スペースを使用して複数の設定を 1 つのコマンド行ストリングに連結することもできます。
db2pdcfg -fodc DUMPCORE=ON CORELIMIT=8GB
オプションを指定せずに db2pdcfgコマンドを実行すると、トラップの回復力(太字で強調表示)に関して、以下の有益な要約出力が提供されます。
$ db2pdcfg
Current PD Control Block Settings:
All error catch flag settings cleared.
db2cos is enabled for engine traps.
PD Bitmap: 0x1000
Sleep Time: 3
Timeout: 300
Current Count: 0
Max Count: 1
Current bitmap value: 0x0
Instance is not in a sleep state
Db2 trap resilience is enabled.
Current threshold setting : 0 ( disabled )
Number of traps sustained : 0
Database Member 0
FODC (First Occurrence Data Capture) options:
Dump directory for large objects (DUMPDIR)= /home/hotel85/vivmak/sqllib/db2dump/
Dump Core files (DUMPCORE)= AUTO
Current hard core file size limit = Unlimited
Current soft core file size limit = 0 Bytes