db2mscs -Windows フェイルオーバー・ユーティリティーのセットアップ ・コマンド

Microsoft Cluster Server (MSCS) を使用して Windows で Db2® フェイルオーバー・サポート用のインフラストラクチャーを作成します。 このユーティリティーを使用すると、 単一パーティション環境とパーティション・データベース環境の両方でフェイルオーバーが可能になります。

許可

ユーザーは、MSCS クラスターの各マシンのAdministratorsグループに属するドメイン・ユーザー・アカウントにログオンしなければなりません。

コマンド構文

Read syntax diagramSkip visual syntax diagramdb2mscs-finput_file-uinstance_name-luser_name-ppassword

コマンド・パラメーター

-f input_file
MSCS ユーティリティーによって使用される入力ファイルを指定します。 このパラメーターが指定されている場合、db2mscs ユーティリティーは、入力ファイルとしてファイル名を使用します。このパラメーターが指定されない場合、db2mscs ユーティリティーは、現行ディレクトリーにある DB2MSCS.CFG ファイルの使用を試みます。
-u instance_name
このオプションを使用すると、db2mscs 操作を取り消し、 インスタンスを instance_name で指定された非 MSCS インスタンスに復帰させることができます。
-l ユーザー名
Db2 サービス用ドメイン・アカウントのユーザー名を指定します。 このパラメーターを指定し、DB2MSCS.CFGファイルのDB2_LOGON_USERNAME パラメーターが既に指定された合、DB2_LOGON_USERNAME パラメーターの値は無視されます。 どちらのパラメーターも指定しない場合、 Db2 サービスは、リモート・マシンのローカル管理者アカウントで作成されます。

安全について懸念がある場合は、-l パラメーターを使います。 DB2_LOGON_USERNAME パラメーターは指定しないでください。

-p パスポート
Db2 サービス用ドメイン・アカウントのパスワードを指定します。 このパラメーターを指定し、DB2MSCS.CFGファイルのDB2_LOGON_PASSWORD パラメーターが既に指定された合、DB2_LOGON_PASSWORD パラメーターの値は無視されます。 どちらのパラメーターも指定しない場合、 パスワードの入力を求めるプロンプトが出ます。

安全について懸念がある場合は、-p パラメーターを使います。 DB2_LOGON_PASSWORD パラメーターは指定しないでください。

使用上の注意

db2mscs ユーティリティーは、非 MSCS インスタンスを MSCS インスタンスにトランスフォームするのに使用できる、 スタンドアロン型のコマンド行ユーティリティーです。 このユーティリティーは、すべての MSCS グループ、リソース、およびリソース依存関係を作成します。 また、Windows レジストリーに保管されているすべての Db2 情報をレジストリーのクラスター部分にコピーし、インスタンス・ディレクトリーを共有クラスター・ディスクに移動します。 db2mscs ユーティリティーは、 ユーザーから渡される構成ファイルを、クラスターのセットアップ方法を指定する入力として受け取ります。 DB2MSCS.CFG ファイルは、ASCII テキスト・ファイルで、 db2mscs ユーティリティーが読み取るパラメーターが含まれています。 各入力パラメーターは、それぞれ別々の行に PARAMETER_KEYWORD=parameter_value というフォーマットで指定します。 以下に例を示します。
   CLUSTER_NAME=FINANCE
   GROUP_NAME=DB2 Group
   IP_ADDRESS=9.21.22.89
2 つのサンプル構成ファイルが、 Db2 データベース製品インストール・ディレクトリーの下の CFG サブディレクトリーにあります。 最初のDB2MSCS.EEは、単一パーティション・データベース環境の例です。 2番目のDB2MSCS.EEEは、パーティション・データベース環境の例です。
DB2MSCS.CFG ファイルのパラメーターは以下のとおりです。
DB2_INSTANCE
Db2 インスタンスの名前です。 このパラメーターにはグローバル・スコープがあり、DB2MSCS.CFG ファイルに1回のみ指定する必要があります。 db2mscsを実行する前に、 DB2_INSTANCE を停止する必要があります。 このパラメーターの最大長は 8 バイトです。
DAS_INSTANCE
Db2 Administration Server インスタンスの名前。 このパラメーターは、MSCS 環境で稼働するように Db2 Administration Server をマイグレーションする場合に指定します。 このパラメーターにはグローバル・スコープがあり、DB2MSCS.CFG ファイルに1回のみ指定する必要があります。 このパラメーターの最大長は 8 バイトです。
CLUSTER_NAME
MSCS クラスターの名前。 この行に続いて指定されたすべてのリソースは、別のCLUSTER_NAMEパラメーターが指定されるまで、このクラスターに作成されます。 このパラメーターの最大長は 15 バイトです。
DB2_LOGON_USERNAME
Db2 サービス用ドメイン・アカウントのユーザー名 (domain¥user のように指定)。 このパラメーターにはグローバル・スコープがあり、DB2MSCS.CFG ファイルに1回のみ指定する必要があります。 このパラメーターを指定しない場合、 Db2 サービスは、リモート・マシンのローカル管理者アカウントで作成されます。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
DB2_LOGON_PASSWORD
Db2 サービス用ドメイン・アカウントのパスワード。 このパラメーターにはグローバル・スコープがあり、DB2MSCS.CFG ファイルに1回のみ指定する必要があります。 DB2_LOGON_USERNAME が指定され、DB2_LOGON_PASSWORD が指定されない場合、パスワードの入力を求めるプロンプトが出されます。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
GROUP_NAME
MSCS グループの名前。 このパラメーターが指定されたときに、指定された名前の MSCS グループが存在していない場合は、 そのグループが新しく作成されます。 むろん、グループが既に存在している場合は、そのグループがターゲット・グループになります。 このパラメーターの後に指定されたMSCSリソースは、このグループに作成されるか、他のGROUP_NAMEパラメーターが指定されるまでこのグループに移動されます。 このパラメーターは、各グループにつき 1 つ指定してください。 MSCS グループは、MSCS クラスター内に作成できます。 このパラメーターの最大長は 15 バイトです。
DB2_NODE
現行の MSCS グループに組み込むデータベース・パーティション・サーバー (またはデータベース・パーティション) のデータベース・パーティション番号。 同じマシン上に複数の論理データベース・パーティションが存在する場合は、各データベース・パーティションに個別のDB2_NODE パラメーターが必要です。 このパラメーターは GROUP_NAME パラメーターの後に指定して、 Db2 リソースが正しい MSCS グループに作成されるようにします。 このパラメーターの最大長は 15 バイトです。
IP_NAME
IP アドレス・リソースの名前。 IP_NAMEの値は任意ですが、クラスター内で固有でなければなりません。 このパラメーターが指定されると、IP アドレス・タイプの MSCS リソースが作成されます。 このパラメーターは、リモート TCP/IP 接続で必要です。 単一パーティション・データベース環境の場合、このパラメーターはオプショナルです。 推奨されている名前は、その IP アドレスに対応するホスト名です。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
IP_ADDRESS
先行IP_NAME パラメーターに指定されたIPリソースのTCP/IP アドレス。 IP_NAME パラメーターが指定される場合、このパラメーターは必須です。 新しい、ネットワーク内のいかなるマシンでも使用されていない IP アドレスが使用されます。 このパラメーターの最大長は 15 バイトです。
IP_SUBNET
先行IP_NAME パラメーターに指定されたIP リソースのTCP/IP サブネット・マスク。 IP_NAME パラメーターが指定される場合、このパラメーターは必須です。 このパラメーターの最大長は 15 バイトです。
IP_NETWORK
前述の IP アドレス・リソースが属している MSCS ネットワークの名前。 このパラメーターはオプションです。 このパラメーターが指定されない場合は、システムが最初に検出した MSCS ネットワークが使用されます。 MSCS ネットワークの名前は、 「クラスター管理 (Cluster Administrator)」の Networks の分岐の下に示されている通りに、正確に入力してください。 前述の 4 つの IP キーワードは、IP アドレス・リソースの作成に使用されます。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
NETNAME_NAME
ネットワーク名リソースの名前。 このパラメーターは、ネットワーク名リソースを作成する場合に指定してください。 Db2 インスタンス・ディレクトリーが存在するインスタンス所有マシンでは、このパラメーターを指定する必要があります。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
NETNAME_VALUE
ネットワーク名リソースの値。 NETNAME_NAME パラメーターを指定さあれる場合、このパラメーターを指定しなければなりません。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
NETNAME_DEPENDENCY
ネットワーク名リソースが依存する IP リソースの名前。 各ネットワーク名リソースには、必ず IP アドレス・リソースへの依存関係が必要です。 このパラメーターはオプションです。 このパラメーターが指定されない場合、ネットワーク名リソースは、 グループ内の最初の IP リソースに依存するようになります。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
SERVICE_DISPLAY_NAME
汎用サービス・リソースの表示名。 このパラメーターは、汎用サービス・リソースを作成する場合に指定します。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
SERVICE_NAME
汎用サービス・リソースのサービス名。 SERVICE_DISPLAY_NAME パラメーターを指定さあれる場合、このパラメーターを指定しなければなりません。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
SERVICE_STARTUP
汎用サービス・リソース用のオプショナル始動パラメーター。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
DISK_NAME
現行グループに移動させる物理ディスク・リソースの名前。 必要な分だけのディスク・リソースを指定してください。 ディスク・リソースは、あらかじめ存在するものでなければなりません。 db2mscs ユーティリティーがフェイルオーバー・サポート用に Db2 インスタンスを構成する場合は、 グループ内の最初の MSCS ディスクにインスタンス・ディレクトリーがコピーされます。 インスタンスディレクトリに他のMSCSディスクを指定するには、INSTPROF_DISKパラメータを使ってください。 なお、ディスク名は、「クラスター管理 (Cluster Administrator)」で示されている通りに、正確に入力してください。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
INSTPROF_DISK
Db2 インスタンス・ディレクトリーを入れる MSCS ディスクを指定するための、 オプション・パラメーター。 このパラメーターが指定されない場合、db2mscs ユーティリティーは、 同じグループに属する最初のディスクを使用します。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
INSTPROF_PATH
インスタンス・ディレクトリーのコピー先の正確なパスを指定するための、 オプション・パラメーター。 IPSHAdisks、 ServerRAID Netfinity ディスク・リソース (例えば、 INSTPROF_PATH=p:\db2profs) を使用する場合は、このパラメーターを指定する 必要があります 。 両方が指定されている場合、 INSTPROF_PATHINSTPROF_DISK よりも優先されます。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。 指定するディレクトリー・パスは空でなければなりません。
TARGET_DRVMAP_DISK
複数パーティション・データベース環境のためのデータベース・ドライブ・マッピングのターゲット MSCS ディスクを指定する、オプション・パラメーター。 このパラメーターは、データベースの作成コマンドで指定されたドライブからディスクをマップすることにより、 データベースが作成されるディスクを指定します。 このパラメーターを指定しない場合は、 db2drvmp ユーティリティーを使用して手動でデータベース・ドライブ・マッピングを登録する必要があります。 このパラメーターの最大長は 256 バイトです。
DB2_FALLBACK
Db2 リソースがオフラインにされたときにアプリケーションを強制的にオフにするかどうかを制御する、 オプション・パラメーター。 指定されない場合、DB2_FALLBACKの設定はYESになります。 アプリケーションを強制的にオフにしない場合は、DB2_FALLBACKNOに設定します。