db2move - データベース移動ツール・コマンド
DB2MOVE コマンドを EXPORT、 IMPORT、または LOAD アクションとともに使用すると、ワークステーション上にある Db2 データベース間で多数の表を容易に移動できます。 DB2MOVE コマンドを COPY アクションを指定して使用すると、このツールで簡単にスキーマを複製できます。
EXPORT、IMPORT、または LOAD のアクションを指定して使用すると、このツールは特定のデータベースのシステム・カタログ表を照会し、 すべてのユーザー表のリストを編成します。 そして、これらの表を PC/IXF フォーマットでエクスポートします。 PC/IXF ファイルは、同じシステム上の別のローカル Db2® データベースにインポートまたはロードすることも、別のワークステーション・プラットフォームに転送して、そのプラットフォーム上の Db2 データベースにインポートまたはロードすることもできます。 構造化タイプ列がある表は、このツールを使用しても移動しません。
このツールを COPY アクションとともに使用すると、メディア・タイプが SQLU_REMOTEFETCH のロード API を使用して、あるデータベースから別のデータベースにデータを直接転送できます。
許可
このツールは、ユーザーから要求されるアクションにしたがって、Db2 エクスポート、インポート、およびロード API を呼び出します。 したがって、要求元ユーザー ID には、API で要求する許可がなければなりません。この許可がないと、要求は失敗します。
コマンド構文
コマンド・パラメーター
- dbname
- データベースの名前を指定します。
- action
- アクションを指定します。 値は、次のとおりです。
- EXPORT
- 指定されたオプションに従って、フィルター基準を満たすすべての表をエクスポートします。 オプションを指定しない場合、すべての表がエクスポートされます。 内部ステージング情報は、db2move.lst ファイルに保存されます。
- IMPORT
- db2move.lst 内部ステージング・ファイルにリストされるすべての表をインポートします。 インポート 固有のアクションには、-io オプションを使用します。
- LOAD
- 内部ステージング・ファイル db2move.lstにリストされるすべての表をロードします。 LOAD 固有のアクションには、-lo オプションを使用します。
- COPY
- ターゲット・データベースにスキーマを複製します。 ターゲット・データベースはローカル・データベースでなければなりません。 1つ以上のスキーマを指定するには、-sn オプションを使ってください。 コピー 固有のオプションについては、-co オプションを参照してください。 -tnまたは-tfオプションを使用して、LOAD_ONLYモードで表をフィルタリングします。 ADMIN_COPY_SCHEMA () ストアード・プロシージャーを使用する場合、または COPY アクションを指定して db2move コマンドを使用する場合は、SYSTOOLSPACE 表スペースを使用する必要があります。
- -tc table_definers
- 表の定義者 (作成者) を 1 つ以上指定します。
このパラメーターは、EXPORT アクションにのみ適用されます。 -tcパラメーターを指定すると、指定定義者の作成表のみがエクスポートされます。 このパラメーターを指定しない場合、すべての定義者が使用されます。 複数の定義者を指定する場合、それぞれをコンマで区切る必要があります。 定義者 ID 間にブランクを入れることはできません。 このパラメーターを-tn table_namesのパラメータを使って、エクスポート表を選択できます。
アスタリスク (*) を、ストリング内の任意の箇所でワイルドカード文字として使用できます。
- -tn table_names
- 表名を 1 つ以上指定します。 このパラメーターは、EXPORT アクションとCOPY アクションにのみ適用されます。
EXPORT アクションの-tn パラメーターを指定した場合、指定ストリング名とマッチする表のみがエクスポートされます。 このパラメーターを指定しない場合、すべてのユーザー表が使用されます。 複数の表名を指定する場合、それぞれをコンマで区切る必要があります。 表名間にブランクを入れることはできません。 表名は修飾せずにリストする必要があります。 スキーマをフィルタリングするには、-snパラメーターを使ってください。
エクスポートの場合、アスタリスク (*) を、ストリング内の任意の箇所でワイルドカード文字として使用できます。
COPYアクションの-tn パラメーターを指定した場合、-co "MODE" LOAD_ONLY copy_option パラメーターも指定しなければなりません。指定表のみがターゲット・データベースに再取り込みされます。 表名は、そのスキーマ修飾子と共に "schema"."table" という形式でリストする必要があります。
- -sn schema_names
- スキーマ名を 1 つ以上指定します。 このパラメーターを指定すると、指定したストリング内のスキーマ名と一致するスキーマ名の表だけがエクスポートまたはコピーされます。 EXPORT アクションのデフォルトは、すべてのスキーマです。 このデフォルトは、COPY アクションには適用されません。
複数のスキーマ名を指定する場合、それぞれをコンマで区切る必要があります。 スキーマ名間にブランクを入れることはできません。 8 文字より少ないスキーマ名は、8 文字の長さになるまで埋め込まれます。
EXPORTアクションの場合、スキーマ名にアスタリスク(*)ワイルドカード文字を使用すると、パーセント記号(%)に変更され、表名(パーセント記号付き)が WHERE句のLIKE述部で使用されます。 -sn パラメーターを -tn または -tc パラメーターと共に使用した場合、 db2move コマンドでは、指定されたスキーマ名と一致するスキーマ、または指定された定義者と一致する定義者の表に対してのみ機能します。 アスタリスクを使う場合、スキーマ名
fred
を-sn fr*d
ではなく-sn fr*d*
として指定する必要があります。注: -sn オプションは、 Db2 for z/OS®ではサポートされていません。 - -ts tablespace_names
- 表スペース名のリストを指定します。 このパラメーターは、EXPORT アクションにのみ適用されます。
-ts パラメーターを指定すると、指定表スペース内の表のみがエクスポートされます。 表スペース名でアスタリスク (*) ワイルドカード文字を使用すると、それがパーセント記号 (%) に変更され、 WHERE 節の LIKE 述部で % 記号付きの表名が使用されます。 -ts パラメーターを指定しない場合、すべての表スペースが使用されます。 複数の表スペース名を指定する場合、それぞれをコンマで区切る必要があります。 表スペース名間にブランクを入れることはできません。 8 文字より少ない表スペース名は、8 文字の長さになるまで埋め込まれます。 表スペース名
mytb
を指定するには、アスタリスクを使用するときに、-sn my*b
ではなく-ts my*b*
として指定しなければなりません。 - -tf filename
- ファイル名を指定します。 このパラメーターは、EXPORT アクションとCOPY アクションにのみ適用されます。 EXPORTアクションで-tfパラメーターを指定した場合、指定ファイル名とマッチする表のみがエクスポートされます。 このファイル内では、1 行につき 1 つの表をリストし、またそれぞれの表名を完全に修飾する必要があります。 ストリング内には、ワイルドカード文字を使用できません。 サンプル・ファイルの内容は、次のとおりです。
-tf パラメーターを指定しない場合、すべてのユーザー表が使用されます。"SCHEMA1"."TABLE NAME1" "SCHEMA NAME77"."TABLE155"
COPY アクションでこのパラメーターを指定する場合は、 -co "MODE" LOAD_ONLY copy_option パラメーターも指定しなければなりません。ファイルで指定した表のみがターゲット・データベースに再取り込みされます。 このファイル内では、表名はそのスキーマ修飾子と共に "schema"."table" という形式でリストする必要があります。
- -io import_option
- IMPORT アクションのオプションを指定します。 有効なオプションは、INSERT、INSERT_UPDATE、REPLACE、CREATE、および REPLACE_CREATE です。 デフォルトは REPLACE_CREATEです。 import create関数の制限については、
IMPORTコマンドオプションのCREATEとREPLACE_CREATEは非推奨になる
章節を参照してください。 - -lo load_option
- LOAD アクションのオプションを指定します。 有効なオプションは、INSERT および REPLACE です。 デフォルトは INSERTです。
- -co
- COPY アクションのオプションを指定します。
- "TARGET_DB db name [USER userid USING password]"
ターゲット・データベースの名前、ユーザー ID、およびパスワードを指定します。 (ソース・データベースのユーザー ID とパスワードは、既存の -p オプションと -u オプションで指定できます。)
USER USING句はオプションです。 USER が userid を指定する場合は、USING 節の後にパスワードを指定します。パスワードが指定されない場合、db2move はパスワード情報を求めるプロンプトを出します。 プロンプトが出されるのは、下記のセクションで説明するセキュリティー上の理由によります。
TARGET_DB は、COPY アクションの必須オプションです。
TARGET_DB は、ソース・データベースと同じであってはならず、ローカル・データベースでなければなりません。 同じデータベース内のスキーマをコピーするには、ADMIN_COPY_SCHEMA プロシージャーを使用できます。
COPY アクションでは、少なくとも 1 つのスキーマ (-sn)または1つの表 (-tnまたは-tf) を入力しなければなりません。
複数の db2move コマンドを実行してスキーマを 1 つのデータベースから別のデータベースにコピーすると、デッドロックになります。 一度に 1 つのみの db2move コマンドを発行してください。 コピー処理中にソース・スキーマ内の表を変更すると、ターゲット・スキーマのデータがコピー後に同一のものにならないことがあります。
- "MODE"
- このオプションは任意です。
- DDL_AND_LOAD
- ソース・スキーマの、すべてのサポートされるオブジェクトを作成し、ソース表データを表に追加します。 これはデフォルト・オプションです。
- DDL_ONLY
- ソース・スキーマの、すべてのサポートされるオブジェクトを作成しますが、表にデータを再設定しません。
- LOAD_ONLY
- 指定されたすべての表をソース・データベースからターゲット・データベースへロードします。 表はターゲットに既に存在していなければなりません。 LOAD_ONLY モードでは、 -tn オプションまたは -tf オプションを使用して、少なくとも1つの表を入力ししなければなりません。
これは、COPY アクションでのみ使用される任意指定のオプションです。
- "SCHEMA_MAP"
- ターゲットにコピーする際にスキーマの名前を変更します。 このオプションは任意です。
このオプションを使用するには、ソースとターゲットのスキーマ・マッピングのリストをコンマで区切って括弧で囲んで指定してください (例:
schema_map ((s1, t1), (s2, t2))
)。 この場合、スキーマ s1 からのオブジェクトはターゲット上のスキーマ t1 にコピーされ、スキーマ s2 からのオブジェクトはターゲット上のスキーマ t2 にコピーされます。 ターゲット・スキーマ名がソース・スキーマ名であるのがデフォルトで、推奨されています。 その理由は、db2move コマンドでは、オブジェクト本体内の修飾オブジェクトのスキーマの変更を試みないためです。 したがって、異なるターゲット・スキーマ名を使用すると、オブジェクト本体内に修飾オブジェクトがある場合に問題が生じるおそれがあります。次の v1 というビューを作成する例について考えてみます。
create view FOO.v1 as 'select c1 from FOO.t1'
この場合、スキーマ FOO の BAR へのコピー、v1 は以下のように再生成されます。
create view BAR.v1 as 'select c1 from FOO.t1'
これは、スキーマ FOO がターゲット・データベースに存在しないため失敗するか、または FOO が BAR と異なるために予期しない結果になります。 ソースと同じスキーマ名を保つことにより、これらの問題を避けることができます。 スキーマ間に相互従属関係がある場合、すべての相互に従属するスキーマがコピーされなければなりません。あるいは、相互従属関係のあるオブジェクトのコピーでエラーになります。
以下に例を示します。
create view FOO.v1 as 'select c1 from BAR.t1'
この場合、v1 のコピーは BAR がコピーされない場合に失敗するか、または、ターゲットの BAR がソースからの BAR と異なる場合、予期しない結果になります。 db2move は、スキーマ間の依存関係を検出しようとしません。
これは、COPY アクションでのみ使用される任意指定のオプションです。
ターゲット・スキーマが既に存在する場合には、ユーティリティーは失敗します。 ADMIN_DROP_SCHEMA プロシージャーを使用して、スキーマと、そのスキーマに関連付けられたすべてのオブジェクトをドロップしてください。
- "NONRECOVERABLE"
- このオプションにより、ユーザーはロードのデフォルト動作をオーバーライドし、ロードが COPY-NO で行われるようにすることができます。 デフォルトの動作では、ユーザーはロードされる各表スペースをバックアップするよう強制されます。 このNONRECOVERABLEキーワードを指定すると、ユーザーは表スペースのバックアップを即時に取るように強制されません。 ただし、新しく作成された表が正しくリカバリーできるように、できるだけ早くバックアップを取ることを強くお勧めします。 これは、 COPY アクションで使用可能なオプションです。
- "OWNER"
- 正常にコピーした後、ターゲット・スキーマに作成された各新規オブジェクトの所有者をユーザーが変更できるようにします。 ターゲット・オブジェクトのデフォルト所有者は接続ユーザーになりますが、このオプションが指定された場合、所有権は新規所有者に移されます。 これは、 COPY アクションで使用可能なオプションです。
- "TABLESPACE_MAP"
- ユーザーは、コピー中に使用する表スペース名のマッピングを、ソース・システムの表スペースの代わりに指定できます。 これは、大括弧で囲まれた表スペース・マッピングが配列されたものです。 例えば、
tablespace_map ((TS1, TS2),(TS3, TS4))
などです。 これは、表スペース TS1 からのすべてのオブジェクトはターゲット・データベースの表スペース TS2 にコピーされ、表スペース TS3 からのオブジェクトはターゲットの表スペース TS4 へコピーされることを意味します。((T1, T2),(T2, T3))
の場合、ソース・データベースのT1 にあるすべてのオブジェクトがターゲット・データベースのT2に再作成され、ソース・データベースのT2にあるすべてのオブジェクトがターゲット・データベースのT3に再作成されます。 デフォルトでは、ソースの表スペース名と同じ表スペース名を使用しますが、その場合には、表スペースのマッピング入力は必要ありません。 指定された表スペースが存在しない場合、その表スペースを使用したオブジェクトのコピーは失敗し、エラー・ファイルにログされます。ユーザーには、SYS_ANY キーワードを使用して、ターゲット表スペースの選択にデフォルトの表スペース選択アルゴリズムの使用を指定するオプションもあります。 この場合、db2move は使用できる表スペースをどれでもターゲットとしての使用に選択することができます。 SYS_ANYキーワードは、すべての表スペースに使用できます(例:
tablespace_map SYS_ANY
)。 さらに、ユーザーは特定のマッピングを表スペースのいくつかに指定し、残りにデフォルトの表スペース選択アルゴリズムを指定することもできます。 例えば、tablespace_map ((TS1, TS2),(TS3, TS4), SYS_ANY)
などです。 これは、表スペース TS1 は TS2 に、TS3 は TS4 にマップされるが、残った表スペースはデフォルトの表スペース・ターゲットを使用することを意味します。 "SYS" から始まる表スペースを持つことができないため、 SYS_ANY キーワードが使われています。これは、 COPY アクションで使用可能なオプションです。
- "PARALLEL" number_of_threads
- このオプションを指定すると、スキーマ内の表のロード操作がいくつかのスレッドに分散されます。 number_of_threads値の範囲は0~16です。
- PARALLEL を指定しない場合、スレッドは使用されず、ロード操作は逐次実行されます。
- スレッド数を設定しないで PARALLEL を指定した場合、db2move ユーティリティーによって適切な値が選択されます。
- PARALLELが指定され、 number_of_threads が提供された場合、指定数のスレッドが使用されます。 number_of_threads が 0 または 1 である場合、ロード操作は逐次実行されます。
- number_of_threads に指定できる最大値は16です。
これは、 COPY アクションで使用可能なオプションです。
- -l lobpaths
- インポートとエクスポートである場合、このオプションを指定すると、XML パスにもこのオプションが使用されます。 デフォルトは、現行ディレクトリーです。
このオプションは、LOB または XML ファイルが (EXPORT の一部として) 作成されるか、または (IMPORT または LOAD の一部として) 検索される絶対パス名を指定します。 複数のパスを指定する場合、それぞれをコンマで区切る必要があります。 パス間にブランクを入れることはできません。 複数のパスが指定された場合、エクスポート はそれらをラウンドロビン方式で使用します。 つまり、1 つの LOB 文書を最初のパスに書き込み、それから 2 番目のパスに、という順に最後まで書き込み、その後最初のパスに戻ります。 XML 文書でも同じです。 最初のパスでファイルが見つからない場合 (IMPORT または LOAD 中)、2 番目のパスが使用される、という方法でパスが使用されます。
- -u userid
- デフォルトはログオン・ユーザー ID です。
ユーザー ID とパスワードはどちらも任意指定です。 しかし、一方を指定した場合、他方も必ず指定する必要があります。 コマンドがリモート・サーバーに接続するクライアント上で実行される場合、 ユーザー ID とパスワードを指定する必要があります。
- -p password
- デフォルトはログオン・パスワードです。 ユーザー ID とパスワードはどちらも任意指定です。 しかし、一方を指定した場合、他方も必ず指定する必要があります。 -p オプションが指定されてもパスワードが指定されていない場合、db2move はパスワードを求めるプロンプトを出します。 これは、セキュリティーの理由によります。 コマンド行にパスワードを入力するとセキュリティー問題が生じます。 例えば、 ps -ef コマンドはパスワードを表示します。 ただし、db2move がスクリプトを介して呼び出される場合は、パスワードを指定しなければなりません。 コマンドがリモート・サーバーに接続するクライアント上で発行される場合、 ユーザー ID とパスワードを指定する必要があります。
- -aw
- 警告を許します。 -awが指定されない場合、エクスポート中に警告が発生した表はdb2move.lstファイルに含まれません (ただし、その表の.ixfファイルと.msgファイルは引き続き生成されます)。 一部のシナリオ(データの切り捨てなど)では、ユーザーがその表をdb2move.lstファイルに入れたい場合があります。 このオプションを指定すると、エクスポート中に警告を受け取った表を
.lst
ファイルに取り組められます。
例
- SAMPLE データベースのすべての表をエクスポートするには (すべてのオプションにデフォルト値を使用)、以下を発行します。
db2move sample export
userid1
またはユーザーID LIKEus%rid2
に作成され、名前tbname1
または表名 LIKE%tbname2
を持つすべての表をエクスポートするには、以下のコマンドを発行してください。db2move sample export -tc userid1,us*rid2 -tn tbname1,*tbname2
- SAMPLE データベース内のすべての表をインポートするには (LOB パス D:\LOBPATH1 および C:\LOBPATH2 で LOB ファイルを検索します。この例は Windows オペレーティング・システムにのみ適用されます)、以下を発行します。
db2move sample import -l D:\LOBPATH1,C:\LOBPATH2
- SAMPLE データベース内のすべての表をロードするには (/home/userid/lobpath サブディレクトリーおよび tmp サブディレクトリーで LOB ファイルを検索します。この例は、 Linux® および UNIX システムにのみ適用されます)、次のコマンドを発行します。
db2move sample load -l /home/userid/lobpath,/tmp
- SAMPLE データベースのすべての表を、指定されたユーザー ID およびパスワードを使用して REPLACE モードでインポートするには、以下を発行します。
db2move sample import -io replace -u userid -p password
- スキーマ
schema1
をソース・データベースdbsrc
からターゲット・データベースdbtgt
に複製するには、次のコマンドを発行してください。db2move dbsrc COPY -sn schema1 -co TARGET_DB dbtgt USER myuser1 USING mypass1
- スキーマ
schema1
をソース・データベースdbsrc
からターゲット・データベースdbtgt
に複製し、ターゲットのスキーマをnewschema1
に名前変更し、ターゲットのソース表スペースts1
をts2
にマップするには、以下を発行してください。db2move dbsrc COPY -sn schema1 -co TARGET_DB dbtgt USER myuser1 USING mypass1 SCHEMA_MAP ((schema1,newschema1)) TABLESPACE_MAP ((ts1,ts2), SYS_ANY))
使用上の注意
- 1 つ以上のスキーマをターゲット・データベースにコピーする場合、各スキーマは、互いに依存しないものである必要があります。 そうでない場合、オブジェクトの一部がターゲット・データベースに正常にコピーされない可能性があります。
- XML 列を含む表へのデータのロードは、 LOAD でのみサポートされ、 COPY アクションではサポートされません。 回避策は、 IMPORT または EXPORT コマンドを手動で発行するか、 db2move Export および db2move Import の動作を使用することです。 それらの表に GENERATED ALWAYS ID 列も含まれている場合は、表にデータをインポートできません。
- db2move EXPORTの後に db2move IMPORT または db2move LOADを指定すると、表データの移動が容易になります。 表に関連した他のすべてのデータベース・オブジェクト (別名、ビュー、トリガーなど)、およびこれらの表が依存するオブジェクト (ユーザー定義タイプ、ユーザー定義関数など) を手動で移動する必要があります。
- CREATE オプションまたは REPLACE_CREATE オプションを指定した IMPORT アクションを使用してターゲット・データベース上に表を作成すると (どちらのオプションも非推奨になり、将来のリリースで削除される可能性があります)、
インポートされた表の再作成
で概説されている制限が課せられます。 db2move インポート・フェーズで REPLACE_CREATE オプションが使用されているときに予期しないエラーが発生した場合は、該当する tabnnn.msg メッセージ・ファイルを調べて、エラーが表作成の制限の結果であるかどうかを検討してください。 - GENERATED ALWAYS の ID列を含む表は、db2moveを使用してインポートまたはロードできません。 ただし、手動でこれらの表をインポートまたはロードすることは可能です。 詳しくは、
ID 列のロード注意点
またはID 列のインポート注意点
を参照してください。 - エクスポート、インポート、またはロード API が db2move によって呼び出されると、FileTypeMod パラメーターが lobsinfile に設定されます。 つまり、LOB データが各表に対して、PC/IXF ファイルとは別のファイルに保持されます。
- LOAD アクションは、データベースとデータ・ファイルが存在するマシンでローカルに実行しなければなりません。
- db2move LOAD アクションを使用する際に LOGARCHMETH1 データベース構成パラメーターがデータベースに対して有効になっている場合 (つまり、データベースがリカバリー可能である場合)、db2move は NONRECOVERABLE オプションを指定して db2Load API を呼び出します。 NONRECOVERABLE オプションのロールフォワード・リカバリー動作については、 ロード・パフォーマンスを向上させるためのオプションで説明されています。
- db2move COPY アクションを使用する際に LOGARCHMETH1 データベース構成パラメーターがデータベースに対して有効になっている場合 (つまりデータベースがリカバリー可能である場合)、次のようになります。
- NONRECOVERABLE オプションが指定されていない場合、 db2move はデフォルトの COPY NO オプションを使用して db2Load API を呼び出し、ロードされた表が存在する表スペースは、ユーティリティーの完了時にバックアップ・ペンディング状態になります (表スペースをバックアップ・ペンディング状態から解除するには、フル・データベース・バックアップまたは表スペース・バックアップが必要です)。 DB2_LOAD_COPY_NO_OVERRIDEレジストリー変数が有効になっている場合、Loadは、COPY NO動作よりも優先して構成された値を取得します。 詳しくは、 DB2_LOAD_COPY_NO_OVERRIDE を参照してください。
- NONRECOVERABLE オプションを指定すると、表スペースはバックアップ・ペンディング状態になりません。 NONRECOVERABLE オプションのロールフォワード・リカバリー動作については、 ロード・パフォーマンスを向上させるためのオプションで説明されています。
- IMPORT または LOAD アクションを使用する db2move コマンドのパフォーマンスは、デフォルトのバッファー・プール IBMDEFAULTBP を変更し、構成パラメーター sortheap、util_heap_sz、logfilsiz、および logprimary を更新することによって、改善できます。
- export や db2move などのデータ移動ユーティリティーを実行する際に、照会コンパイラーが、基礎照会を基本表よりも MQT に対して実行する方が効率が良いと判別することがあります。 そのような場合、照会は据え置きリフレッシュの MQT に対して実行され、ユーティリティーの結果は基礎表内のデータを正確に表していない可能性があります。
- db2move コマンドは、Db2 クライアントでは使用できません。 クライアント・マシンから db2move コマンドを発行すると、以下のメッセージが表示されます。db2move is not recognized as an internal or external command, operable program or batch fileエラー・メッセージが表示されます。 この問題を回避するには、サーバーで直接db2moveコマンドを発行してください。
- db2move COPY アクションと ADMIN_COPY_SCHEMA プロシージャーは、同様のタスクを実行します。 ADMIN_COPY_SCHEMA プロシージャーは同じデータベース内のスキーマをコピーし、 db2move COPY アクションはあるデータベースから別のデータベースにコピーします。 ADMIN_COPY_SCHEMA プロシージャー-特定のスキーマとそのオブジェクトのコピーに適用される使用上の注意、動作、および制約事項の多くは、 db2move COPY アクションにも適用されます。
- 行と列のアクセス制御 (RCAC) は、行権限と列マスクで保護された表への SQL アクセスに適用されます。 RCAC の対象には、アプリケーション内の SQL、および IMPORT や EXPORT のようなユーティリティーも含まれます。 たとえば、EXPORTユーティリティを使う行権限と列マスク保護表からデータをエクスポートする場合、アクセス権限を取るデータのみがエクスポートされます。 表の全内容をエクスポートすることが目的である場合は、SECADM から適切な権限が付与されていることを確認する必要があります。
EXPORT 使用時に必要とされるファイル/生成されるファイル
- 入力: なし。
- 出力:
- EXPORT.out
- EXPORT アクションの結果の要約。
- db2move.lst
- オリジナル表名のリスト、その対応する PC/IXF ファイル名 (tabnnn.ixf)、 およびメッセージ・ファイル名 (tabnnn.msg)。 このリスト、エクスポートのPC/IXFファイル、LOBファイル(tabnnnc.yyy)は、db2move IMPORT または LOAD アクションへの入力として使われます。
- tabnnn.ixf
- 特定の表の、エクスポートされる PC/IXF ファイル。
- tabnnn.msg
- 対応する表のエクスポート・メッセージ・ファイル。
- tabnnnc.yyy
- 特定の表の、エクスポートされる LOB ファイル。
nnn は表番号です。 c はアルファベットの文字です。 Yyy は、 001~999までの数値です。
これらのファイルは、 エクスポートされている表に LOB データが入っている場合のみ作成されます。 作成されると、これらの LOB ファイルは lobpath ディレクトリーに入れられます。 LOB ファイルには、合計 26,000 個の可能な名前があります。
IMPORT 使用時に必要とされるファイル/生成されるファイル
- 入力:
- db2move.lst
- EXPORT アクションからの出力ファイル。
- tabnnn.ixf
- EXPORT アクションからの出力ファイル。
- tabnnnc.yyy
- EXPORT アクションからの出力ファイル。
- 出力:
- IMPORT.out
- インポート アクションの要約結果。
- tabnnn.msg
- 対応する表のインポート・メッセージ・ファイル。
LOAD 使用時に必要とされるファイル/生成されるファイル
- 入力:
- db2move.lst
- EXPORT アクションからの出力ファイル。
- tabnnn.ixf
- EXPORT アクションからの出力ファイル。
- tabnnnc.yyy
- EXPORT アクションからの出力ファイル。
- 出力:
- LOAD.out
- LOAD アクションの結果の要約。
- tabnnn.msg
- 対応表の LOAD メッセージ・ファイル。
COPY 使用時に必要とされるファイル/生成されるファイル
- 入力: なし
- 出力:
- COPYSCHEMA.msg
- COPY 操作中に生成されたメッセージを含む出力ファイル。
- COPYSCHEMA.err
- ターゲットデータベースで再作成できなかった各オブジェクトのDDLステートメントを含む、COPY操作中に発生した各エラーのエラーメッセージを含む出力ファイル。
- LOADTABLE.msg
- ロード・ユーティリティーのそれぞれの呼び出しによって生成されたメッセージが含まれる出力ファイル (ターゲット・データベースでのデータ再挿入に使用されます)。
- LOADTABLE.err
- ロード中に失敗した表の名前、またはターゲット・データベースにまだデータ挿入する必要がある表の名前が含まれる出力ファイル。 詳しくは、
失敗スキーマのコピー操作の再開
トピックを参照してください。
これらのファイルは、タイム・スタンプされ、1 つの実行から生成されたすべてのファイルには同一のタイム・スタンプが付きます。