Db2 10.5 for Linux, UNIX, and Windows

db2icrt - インスタンスの作成コマンド

DB2® pureScale® インスタンスを含めて Db2 インスタンスを作成します。また、このコマンドを使用して、Db2 pureScale インスタンスの作成の一環として、初期 Db2 メンバーおよびクラスター・キャッシング・ファシリティーを作成することもできます。

Linux および UNIX オペレーティング・システムでは、 db2icrtDb2DIR/instance にあります。 Db2DIR は、Db2 データベース・システムがインストールされているインストール・ディレクトリーを表します。 Windows オペレーティング・システムでは、 db2icrtDb2PATH¥bin にあります。 Db2PATHDb2 コピーがインストールされているディレクトリーです。

db2icrt コマンドは、 インスタンス所有者のホーム・ディレクトリーに Db2 インスタンスを作成します。 Db2 pureScale インスタンスは、 Db2 pureScale 環境ごとに 1 つのみ作成できます。

許可

Linux および UNIX オペレーティング・システムでは、root ユーザー権限または非 root ユーザー権限が必要です。 Windows オペレーティング・システムでは、ローカル管理者権限が必要です。

コマンド構文

Linux および UNIX オペレーティング・システムでの root インストールの場合
構文図を読む構文図をスキップする
                                            (1)     
                              .-DefaultType-----.   
>>-db2icrt--+-----+--+-----+--+--s-| InstType |-+--------------->
            +- -h-+  '- -d-'                        
            '- -?-'                                 

>--+---------------+--+---------------+------------------------->
   '- -a--AuthType-'  '- -p--PortName-'   

>--+-------------------+--+-----------------------------+------->
   |               (2) |  +-| Db2 pureScale options |---+   
   '- -u--FencedID-----'  '-| Db2 Text Search options |-'   

>--InstName----------------------------------------------------><

InstType

|--+-dsf--------+-----------------------------------------------|
   +-ese--------+   
   +-wse--------+   
   +-standalone-+   
   '-client-----'   

Db2 pureScale options

                                                     .-,--------------------.                           
       (3)                                           V                      |                           
|-- -m------MemberHostName-- -mnet--MemberNetname(1)---+------------------+-+-+---------------------+-->
                                                       '-MemberNetname(i)-'   '-,--MemberNetname(n)-'   

                                               .-,----------------.                       
        (4)                                    V                  |                       
>-- -cf------CFHostName-- -cfnet--CFNetname(1)---+--------------+-+-+-----------------+-->
                                                 '-CFNetname(i)-'   '-,--CFNetname(n)-'   

>--+- -instance_shared_dev--Shared_Device_Path_for_Instance--+----------------------------------------------+-+-->
   |                                                         '- -instance_shared_mount--Shared_Mounting_Dir-' |   
   '- -instance_shared_dir--Shared_Directory_for_Instance-----------------------------------------------------'   

>--+---------------------------------------+-------------------->
   '- -tbdev--Shared_device_for_tiebreaker-'   

>-- -i--db2sshidName--------------------------------------------|

Db2 Text Search options

|-- -j--"TEXT_SEARCH-+-------------------------+-"--------------|
                     +-,ServiceName------------+     
                     +-,ServiceName,PortNumber-+     
                     '-,PortNumber-------------'     

注:
  1. 変更の始まりインスタンス・タイプを -s で指定しなかった場合、サーバー・イメージ用に作成されるデフォルトのインスタンス・タイプは、Db2 Enterprise Server Edition (ese) インスタンス・タイプです。 その他のイメージ (Db2 Express® Server Edition、および DB2 Connect™) のデフォルトのインスタンス・タイプは、Db2 Workgroup Server Edition (wse) インスタンス・タイプです。変更の終わり
  2. クライアント・インスタンスを作成する場合、-u FencedID は 有効なオプションではありません。
  3. MemberHostName:MemberNetname 形式は、-m オプションでは推奨されなくなりました。今後廃止される可能性があります。 Db2 pureScale Feature での IPv6 サポートには、-m および -mnet オプションの両方を使用する新しい形式が必要です。
  4. CFHostName:CFNetames 形式は、-cf オプションでは推奨されなくなりました。今後廃止される可能性があります。 Db2 pureScale Feature での IPv6 サポートには、-cf および -cfnet オプションの両方を使用する新しい形式が必要です。
Linux および AIX® オペレーティング・システムの非 root シン・サーバー・インスタンスの場合
構文図を読む構文図をスキップする
>>-db2icrt--+-----+--+-----+-----------------------------------><
            '- -d-'  +- -h-+   
                     '- -?-'   

Windows オペレーティング・システムでの root インストールの場合
構文図を読む構文図をスキップする
                                             (1)     
                               .-DefaultType-----.   
>>-db2icrt--+-----+--InstName--+--s-| InstType |-+-------------->
            '- -?-'                                  

>--+------------------------+--+-------------------+------------>
   '- -u--UserName,Password-'  '- -p--InstProfPath-'   

>--+---------------+--+-----------------------------+----------->
   '- -h--HostName-'  '-| Db2 Text Search options |-'   

>--+-------------------------+---------------------------------><
   '- -r--FirstPort,LastPort-'   

InstType

|--+-dsf--------+-----------------------------------------------|
   +-ese--------+   
   +-wse--------+   
   +-standalone-+   
   '-client-----'   

Db2 Text Search options

|-- -j--"TEXT_SEARCH-+-------------------------+-"--------------|
                     +-,ServiceName------------+     
                     +-,ServiceName,PortNumber-+     
                     '-,PortNumber-------------'     

注:
  1. 変更の始まり -s でインスタンス・タイプを指定しなかった場合、デフォルトのインスタンス・タイプは、製品のエディションにかかわらず Db2 Workgroup Server Edition (wse) インスタンス・タイプです。変更の終わり

コマンド・パラメーター

Linux および UNIX オペレーティング・システムでの root インストールの場合
-?
使用情報を表示します。
-h
使用情報を表示します。
-d
デバッグ・モードをオンにします。db2icrt.trc.ProcessID として、/tmp 内にデフォルト名でトレース・ファイルを保存します。 このオプションは、Db2 データベース・サポートからの指示があった場合にのみ使用してください。
-a AuthType
インスタンスの認証タイプ (SERVERCLIENT、または SERVER_ENCRYPT) を指定します。 デフォルトは SERVER です。
-j "TEXT_SEARCH"
Db2 Text Search サーバーを、生成されたサービス名と TCP/IP ポート番号のデフォルト値を使用して構成します。 インスタンス・タイプがクライアント の場合、このパラメーターは使用できません。
-j "TEXT_SEARCH, servicename"

Db2 Text Search サーバーを、提供されたサービス名と自動的に生成されたポート番号を使用して構成します。サービス名に services ファイル内で割り当てられたポート番号がある場合、それはその割り当てられたポート番号を使用します。

-j "TEXT_SEARCH, servicename, portnumber"

Db2 Text Search サーバーを、提供されたサービス名とポート番号を使用して構成します。

-j "TEXT_SEARCH, portnumber"

Db2 Text Search サーバーを、デフォルトのサービス名と提供されたポート番号を使用して構成します。有効なポート番号は 1024 - 65535 の範囲になければなりません。

-p <TCP/IP PortName>
インスタンスが使用する TCP/IP ポート名または番号を指定します。さらに、このオプションによって、データベース・マネージャー構成パラメーター SVCENAMEDb2 インスタンスに対して構成します。
-m MemberHostName:NetName1
インスタンスの作成時に Db2 メンバーとしてセットアップするホストを指定します。 このパラメーターは、Db2 pureScale 環境で必須です。 db2icrt コマンドでセットアップできる Db2 メンバー は 1 つだけです。 db2iupdt -add コマンドを使用して、さらに Db2 メンバーを追加することができます。 NetName1 構文は推奨されなくなりました。今後のリリースで廃止される可能性があります。 代わりに -mnet パラメーターを使用してください。

MemberHostName は正規のホスト名にしてください (例えば、'hostname' コマンドの出力はローカル・ホスト上で実行します)。 ここに指定される NetName1 値は、-cf パラメーターで指定されているのと同じサブネットに属している必要があります。

-mnet MemberNetName
このパラメーターは、推奨されなくなった -m MemberHostName:NetName1 パラメーターの :NetName1 構文に取って代わるものです。 クラスター相互接続ネット名を指定します。 これは、Db2 pureScale インスタンスで、メンバーとクラスター・キャッシング・ファシリティー ( CF とも呼ばれる) との高速通信に使用される相互接続のホスト名です。

MemberNetName は、-cf パラメーターで指定された同じサブネットの 1 つに属していて、クラスター相互接続ネット名に対応している必要があります (例えば db2_<hostname_ib0)。

-cf CFHostName:NetName2
インスタンス作成時にクラスター・キャッシング・ファシリティー (CF ともいう) としてセットアップするホストを指定します。 このパラメーターは、Db2 pureScale 環境で必須です。 db2icrt コマンドでセットアップできる CF は 1 つだけです。 db2iupdt -add コマンドを使用して、さらに CF を追加することができます。 NetName2 構文は推奨されなくなりました。今後のリリースで廃止される可能性があります。 代わりに -cfnet パラメーターを使用してください。
-cfnet CFNetName
このパラメーターは、推奨されなくなった -cf CFHostName:NetName2 パラメーターの :NetName2 構文に取って代わるものです。 クラスター相互接続ネット名を指定します。 これは、Db2 pureScale インスタンスで、メンバーCF との高速通信に使用される相互接続のホスト名です。

CFNetName は、-m パラメーターで指定されたサブネットと同じサブネットに属していて、クラスター相互接続ネット名に対応している必要があります (例えば db2_<hostname_ib0>)。

-instance_shared_dev Shared_Device_Path_for_Instance
インスタンス共有ファイルとデフォルトのデータベース・パスを保持する Db2 pureScale インスタンスをセットアップするのに必要な共有ディスク装置パスを指定します。例えば、dev/hdisk1 と指定します。 Db2 pureScale インスタンスについて、共有ディレクトリーは、すべてのホストでアクセス可能でなければなりません。このオプションの値は、-tbdev オプションと同じ値であってはなりません。

-instance_shared_dev パラメーターを指定すると、 Db2 インストーラーによって、 Db2 クラスター・ファイル・システムが作成されます。

-instance_shared_dev パラメーターと -instance_shared_dir パラメーターは、相互に排他的です。

-instance_shared_mount Shared_Mounting_Dir
新規 IBM® General Parallel File System ( GPFS™) ファイル・システム用のマウント・ポイントを指定します。 指定するパスは、新規で空のパスでなければならず、既存の GPFS ファイル・システムの内部にネストされたパスであってはなりません。
-instance_shared_dir Shared_Directory_for_Instance
インスタンス共有ファイルとデフォルトのデータベース・パスを保持する Db2 pureScale インスタンスをセットアップするのに必要な、共有ファイル・システム (GPFS) 内のディレクトリーを指定します。 例えば、/sharedfs となります。 Db2 pureScale インスタンスについて、そのディスクはすべてのホストでアクセス可能でなければなりません。 このオプションの値は、-tbdev オプションと同じ値であったり、インストール・パスであってはなりません。

-instance_shared_dir パラメーターを指定すると、 Db2 インストーラーによって、 ユーザー管理ファイル・システムが作成されます。ユーザー管理のファイル・システムはすべてのホストで使用可能でなければならず、GPFS ファイル・システムでなければなりません。

-instance_shared_dir パラメーターと -instance_shared_dev パラメーターは、相互に排他的です。

-tbdev Shared_device_for_tiebreaker
データの保全性を確実に維持するために、 Db2 pureScale 環境でタイブレーカーとして機能するデバイスの共有装置パスを指定します。 このオプションの値は、-instance_shared_dev オプションまたは -instance_shared_dir オプションと同じ値であってはなりません。 Db2 クラスター・サービスのタイブレーカーが初めて作成されるときには、このオプションは必須です。 ディスク装置には、それに関連付けられたファイル・システムがあってはなりません。 Db2 クラスター・サービスのピア・ドメインが既に存在する場合は、このオプションは無効です。
注: 仮想マシン (VM) に Db2 pureScale インスタンスを作成する場合は、タイブレーカー・ディスクを指定する必要はありません。 タイブレーカー・ディスクを指定しない場合は、タイブレーカー・ディスク・オプション値として input を使用する必要があります。
-i db2sshidName
ホスト間でセキュア・シェル (SSH) ネットワーク・プロトコルを使用するために必要な非 root ユーザー ID を指定します。指定されたユーザー ID は、特別な特権を持たないユーザーである必要があります。Db2 管理 GPFS ファイル・システムに対してのみ有効です。
-s InstType
作成するインスタンスのタイプを指定します。 -s オプションは、db2icrt を実行しているインストール済みの製品に関連したデフォルト以外のインスタンスを作成する場合にのみ指定してください。有効な値は以下のとおりです。
dsf
ローカルおよびリモート・クライアントで Db2 データベース・サーバーの Db2 pureScale インスタンスを作成するために使用します。 このオプションは、IBM Db2 pureScale Feature のデフォルトのインスタンス・タイプです。
ese
変更の始まりローカルおよびリモート・クライアントでデータベース・サーバーのインスタンスを作成するために使用します。 このオプションは Db2 Advanced Enterprise Server EditionDb2 Advanced Workgroup Server EditionDb2 Enterprise Server Edition、または Db2 Workgroup Server Edition のデフォルトのインスタンス・タイプです。変更の終わり
wse
変更の始まりローカルおよびリモート・クライアントでデータベース・サーバーのインスタンスを作成するために使用します。 このオプションは、Db2 Express Server Edition または Db2 Express-C、 およびDb2 Connect Enterprise Edition のデフォルトのインスタンス・タイプです。変更の終わり
standalone
ローカル・クライアントでデータベース・サーバーのインスタンスを作成するために使用します。
client
クライアントのインスタンスを作成するために使用します。 このオプションは、IBM Data Server Client および IBM Data Server Runtime Client のデフォルトのインスタンス・タイプです。

Db2 データベース製品は、デフォルトのインスタンス・タイプと、デフォルトより下位のインスタンス・タイプをサポートしています。例えば、Db2 Enterprise Server Edition は、esewsestandalone、および client のインスタンス・タイプをサポートしています。

-u Fenced ID
fenced ユーザー定義関数および fenced ストアード・プロシージャーを実行するユーザー ID の名前を指定します。 クライアント・インスタンスを作成しない場合は、-u オプションは必須です。
InstName
オペレーティング・システムの既存ユーザー名であるインスタンス名を指定します。 インスタンス名は、db2icrt コマンドの最後の引数でなければなりません。
Linux および AIX オペレーティング・システムの非 root シン・サーバー・インスタンスの場合
-d
Db2 データベース・サポートによって使用されるデバッグ・モードに入ります。
-h | -?
使用情報を表示します。
Windows オペレーティング・システムでの root インストールの場合
InstName
インスタンスの名前を指定します。
-s InstType
作成するインスタンスのタイプを指定します。 現在 4 種類の Db2 インスタンス・タイプがあります。有効な値は以下のとおりです。
client
クライアントのインスタンスを作成するために使用します。 このオプションは、IBM Data Server Client および IBM Data Server Runtime Client のデフォルトのインスタンス・タイプです。
standalone
ローカル・クライアントでデータベース・サーバーのインスタンスを作成するために使用します。
ese
パーティション・データベース環境サポートのあるローカルおよびリモート・クライアントでデータベース・サーバーのインスタンスを作成するために使用します。The
-s ese -u Username, Password
ESE インスタンス・タイプおよびパーティション・データベース環境インスタンスを作成するには、db2icrt でオプションを使用する必要があります。
wse
変更の始まりローカルおよびリモート・クライアントでデータベース・サーバーのインスタンスを作成するために使用します。 このオプションは、Windows プラットフォーム用のすべての Db2 エディションのデフォルトのインスタンス・タイプです。変更の終わり

変更の始まりDb2 Advanced Enterprise Server EditionDb2 Advanced Workgroup Server EditionDb2 Enterprise Server EditionDb2 Workgroup Server Edition は、ese インスタンス・タイプと、ese より下位のインスタンス・タイプをサポートします。例えば、Db2 Enterprise Server Edition は、esewsestandalone、および client のインスタンス・タイプをサポートしています。変更の終わり

変更の始まりその他のエディションは、wse インスタンス・タイプと、wse より下位のインスタンス・タイプをサポートします。変更の終わり

-u Username, Password
Db2 サービスのアカウント名およびパスワードを指定します。 このオプションはパーティション・データベース・インスタンスを 作成する時に必要です。
-p InstProfPath
インスタンス・プロファイル・パスを指定します。
-h HostName
現行のマシンに対して複数のデフォルトの TCP/IP ホスト名がある場合、 それらをオーバーライドします。 TCP/IP ホスト名は、デフォルト・データベース・パーティション (データベース・パーティション 0) を作成する際に使用されます。 このオプションは、パーティション・データベース・インスタンスに対してのみ有効です。
-r PortRange
MPP モードで実行する場合に、 パーティション・データベース・インスタンスによって使用される TCP/IP ポートの範囲を指定します。 例えば、-r 50000,50007。 このオプションを指定した場合、 ローカル・マシンの services ファイルは、以下の項目で更新されます。
Db2_InstName          baseport/tcp
Db2_InstName_END      endport/tcp
/j "TEXT_SEARCH"
Db2 Text Search サーバーを、生成されたサービス名と TCP/IP ポート番号のデフォルト値を使用して構成します。 インスタンス・タイプがクライアント の場合、このパラメーターは使用できません。
/j "TEXT_SEARCH, servicename"

Db2 Text Search サーバーを、提供されたサービス名と自動的に生成されたポート番号を使用して構成します。サービス名に services ファイル内で割り当てられたポート番号がある場合、それはその割り当てられたポート番号を使用します。

/j "TEXT_SEARCH, servicename, portnumber"

Db2 Text Search サーバーを、提供されたサービス名とポート番号を使用して構成します。

/j "TEXT_SEARCH, portnumber"

Db2 Text Search サーバーを、デフォルトのサービス名と提供されたポート番号を使用して構成します。有効なポート番号は 1024 - 65535 の範囲になければなりません。

-?
使用法情報を表示します。

  1. インスタンス所有者 db2sdin1、fenced ユーザー db2sdfe1 に対して Db2 pureScale インスタンスを作成するには、次のコマンドを実行します。
    Db2DIR/instance/db2icrt 
       -cf host1.domain.com -cfnet host1.domain.com-ib0 
       -m host2.domain.com -mnet host2.domain.com-ib0
       -instance_shared_dev /dev/hdisk1 
       -tbdev /dev/hdisk2 
       -u db2sdfe1 
       db2sdin1
    ここで、Db2DIR は、Db2 のコピーのインストール・ロケーションを示します。 Db2 pureScale インスタンスである db2sdin1 は、host1 上に CF を持ち、host2 上にメンバーを持つことになります。 さらにこのコマンドは /dev/hdisk1 を使用して、インスタンス共有ファイルを保管するための共有ファイル・システムを作成し、 タイブレーカーの共有装置パスとして /dev/hdisk2 をセットアップします。
  2. ユーザー ID db2inst1 に対して Db2 Enterprise Server Edition インスタンスを作成するには、次のコマンドを実行します。
    Db2DIR/instance/db2icrt -s ese -u db2fenc1 db2inst1
    ここで、Db2DIR は、Db2 のコピーのインストール・ロケーションを示します。
  3. インスタンス所有者 db2sdin1 および fenced ユーザー db2sdfe1 で、 Db2 製品によって管理される 既存のファイル・システム (GPFS) を使用する Db2 pureScale インスタンスを作成するには、 以下のコマンドを実行します。
    Db2DIR/instance/db2icrt 
       -cf host1.domain.com -cfnet host1.domain.com-ib0 
       -m host2.domain.com -mnet host2.domain.com-ib0
       -tbdev /dev/hdisk2 
       -u db2sdfe1 
       db2sdin1
    ここで、Db2DIR は、Db2 のコピーのインストール・ロケーションを示します。
  4. インスタンス所有者 db2sdin1 および fenced ユーザー db2sdfe1 で、 ユーザー管理の既存の GPFS ファイル・システム (/gpfs_shared_dir) を使用して Db2 pureScale インスタンス を作成するには、次のコマンドを実行します。
    Db2DIR/instance/db2icrt 
       -cf host1.domain.com -cfnet host1.domain.com-ib0 
       -m host2.domain.com -mnet host2.domain.com-ib0
       -instance_shared_dir /gpfs_shared_dir
       -tbdev /dev/hdisk2 
       -u db2sdfe1 
       db2sdin1
    ここで、Db2DIR は、Db2 のコピーのインストール・ロケーションを示します。
  5. AIX マシン上でユーザー ID db2inst1 のインスタンスを作成するには、以下のコマンドを発行します。
    クライアント・マシンの場合:
    Db2DIR/instance/db2icrt db2inst1
    サーバー・マシンの場合:
    Db2DIR/instance/db2icrt -u db2fenc1 db2inst1
    ここで、db2fenc1 は、fenced ユーザー定義関数および fenced ストアード・プロシージャーを実行するユーザー ID です。

使用上の注意

  • インスタンス・ユーザーはすべてのホスト上に存在していて、それらは UID、GID、グループ名、およびホーム・ディレクトリー・パスが同じでなければなりません。同じ規則が fenced ユーザーに適用されます。 db2icrt コマンドが正常に実行された後、Db2 インストーラーは、全ホストにわたってインスタンス・ユーザーのための SSH をセットアップします。
  • db2icrt コマンドを使用するときは、インスタンスの名前が既存ユーザーの名前に一致している必要があります。
  • Db2 pureScale 環境ごとに、存在できるインスタンスは 1 つだけです。
  • Db2 インスタンスを作成する際には、以下の制限事項を考慮してください。
    • 既存の ID を使用して Db2 インスタンスを作成する場合は、ID がロックされておらず、パスワードが期限切れでないことを確認してください。
  • また、db2isetup コマンドを使用すると、グラフィカル・インターフェースで、 Db2 インスタンスの作成および更新、 複数ホストの追加を実行することができます。
  • root ユーザーになるために login コマンドではなく su コマンドを使用している場合は、 su コマンドを - オプションを指定して発行して、あたかも login コマンドを使用してシステムにログインしているかのように、プロセス環境を設定することを指示する必要があります。
  • root ユーザー用の Db2 インスタンス環境を入手しないでください。 Db2 インスタンス環境を入手している場合に、db2icrt を実行することはサポートされていません。
  • 以前に Db2 pureScale インスタンスを作成してドロップしたことがある場合、-instance_shared_dev パラメーター指定を使ってそれを再作成することはできません。それは、Db2 クラスター・ファイル・システムが既に作成されている可能性があるからです。以前に作成された共有ファイル・システムを指定するには、以下のようにします。
    • 既存の GPFS 共有ファイル・システムが Db2 pureScale Feature によって作成および管理されている場合には、-instance_shared_dev パラメーターと -instance_shared_dir パラメーターはいずれも使用しないでください。
    • 既存の GPFS 共有ファイル・システムが Db2 pureScale Feature によって作成および管理されているのではない場合には、-instance_shared_dir パラメーターを使用してください。
  • AIX 6.1 (またはそれ以上) では、このコマンドは、システム・ワークロード・パーティション (WPAR) グローバル環境内の共有 Db2 コピーから実行する場合、root ユーザーとして実行されなければなりません。WPAR は Db2 pureScale 環境ではサポートされていません。

  • /var ディレクトリーのメモリー要件については、『ディスク要件とメモリー要件』というトピックを参照してください。
  • Db2 pureScale 環境では、db2icrt コマンドは Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) 環境をサポートしていません。