ミラーリングまたはストライピングのための要件

論理ボリュームに保管するデータが、ミラーリング処理とディスク・スペースのコストに見合うだけの価値があるかどうかを判別します。 パフォーマンスが重要な大きな順次アクセス・ファイルシステムがある場合には、ディスクのストライピングを考慮する必要もあります。

パフォーマンスとミラーリングは必ずしも対立するわけではありません。 論理区画のさまざまなインスタンス (コピー) が別々の物理ボリュームにある (別々のアダプターに接続されていることが望ましい) 場合、最もアクセス頻度の少ないディスク上のコピーを読み取るようにすれば、LVM での読み取りパフォーマンスを向上させることができます。 書き込みでは、すべてのコピーを更新する必要があるので、ディスクが異なるアダプターに接続されていない限り、常に同じ費用がかかります。 読み取り操作では、コピーは 1 つしか読み取る必要がありません。

AIX® LVM は、以下の RAID オプションをサポートします。

表 1. RAID 用の論理ボリューム・マネージャーのサポート
項目 説明
RAID 0 ストライピング
RAID 1 ミラーリング
RAID 10 または 0+1 ミラーリングおよびストライピング

ミラーリングはストレージ・システムの可用性を向上させますが、それは従来のテープ・バックアップ操作の代わりにはなりません。

rootvg のミラーリングは可能ですが、これを行う場合は、別個のダンプ論理ボリュームを作成してください。 ミラーリングされている論理ボリュームへのダンプは、ダンプに不整合が生じる可能性があります。 また、デフォルトのダンプ・デバイスは 1 次ページング論理ボリュームなので、ページング論理ボリュームをミラーリングする場合は別個のダンプ論理ボリュームを作成してください。

通常、論理区画のデータが更新されるたびに、その論理区画を含むすべての物理区画は自動的に更新されます。 しかし、システムの誤動作や更新時に物理ボリュームが使用不可であったことが原因で、 物理区画が不整合 (最新データが入っていない) 状態になることがあります。 LVM は、現行データを最新の物理区画から最新ではない状態の区画にコピーすることによって、 最新ではない状態の区画を整合性のとれた状態にリフレッシュできます。 このプロセスはミラーリング同期 と呼ばれます。 リフレッシュはシステムの再始動時、物理ボリュームがオンラインに戻ったとき、または、ユーザーが syncvg コマンドを発行するときに行われます。

ブート論理ボリュームの物理区画構成に影響を与える変更を行う場合には、その変更後に bosboot コマンドを実行する必要があります。 つまり、ブート論理ボリュームのミラーリングの変更などのアクションには、bosboot が必要です。