SMC-R プロトコル・ソリューションの利点

ここでは、Shared Memory Communications over RDMA (SMC-R) のいくつかの利点を中心に説明しています。

SMC-R プロトコル・ソリューションには、以下のような多くの利点があります。
  • SMC-R ネットワーク管理モデルは、現行の伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル (TCP/IP) ネットワーク管理に似ています。 SMC-R ネットワーク管理モデルは、TCP/IP ネットワーク管理モデルに基づいて作成されます。 SMC-R モデルを使用することで、AIX® オペレーティング・システムは TCP/IP 通信用の類似のネットワーク管理モデルを提供します。 例えば、TCP/IP モデルは、既存の IP トポロジーと IP アドレッシングを使用して、ネットワーク内の論理区画およびドメイン・ネーム・システム (DNS) リソースが (ホスト名から IP アドレスに) 変更されていないことを特定します。
  • SMC-R プロトコル・ソリューションは、その使用は透過的です。 つまり、同じサブネット内の SMC-R 対応オペレーティング・システムで実行するすべてのアプリケーションとミドルウェアは、SMC-R プロトコル・ソリューションのパフォーマンス面での利点の恩恵を、自動的に受けることになります。 SMC-R プロトコル・ソリューションを使用するために、アプリケーションを変更して値を派生させる必要はありません。
  • トランザクション・ワークロードとストリーミング・ワークロードのパフォーマンスは、SMC-R プロトコル・ソリューションを使用して向上させることができます。 SMC-R プロトコル・ソリューションを使用することで、トランザクション・ワークロードはその総合的なトランザクション速度 (つまり 1 秒あたりのトランザクション数) を引き上げることができます。 これにより CPU リソースは節約されます。 ファイル転送プロトコル (FTP) などのストリーミング・ワークロードは、CPU リソースを保存して、そのスループットを向上させることができます。
注:
  • 存続時間が短い TCP 接続の場合、SMC-R プロトコル・ソリューションはお勧めしません。
  • SMC-R プロトコル・ソリューションを使用する場合、両方の TCP エンドポイントが同じレイヤー 2 ネットワーク (同じサブネット) に存在している必要があります。 したがって、サーバーの IP アドレスは、クライアントの IP アドレスと同じ IP サブネット (または IPv6 の場合は接頭部) になければなりません。 SMC-R プロトコル・ソリューションはルーティング可能でないため、これらの条件は必須です。
  • AIX オペレーティング・システムでの SMC-R プロトコル・ソリューションの実装は、VLAN 認識モードをフルサポートします。