cd コマンド
目的
現行ディレクトリーを変更します。
構文
cd [directory]
または
cd [directorya directoryb]
説明
cd コマンドは、プロセスの現在の作業ディレクトリーを設定します。 ユーザーは、指定するディレクトリーでの実行 (検索) 許可が必要です。
directory パラメーターを指定しないと、cd コマンドは、現在の作業ディレクトリーをログイン・ディレクトリー (ksh 環境と bsh 環境では $HOME、csh 環境では $home) に設定します。指定したディレクトリー名が絶対パス名の場合は、そのディレクトリーが現在の作業ディレクトリーになります。絶対パス名は、ルート・ディレクトリーを表す / (スラッシュ)、現行ディレクトリーを表す . (ドット)、または親ディレクトリーを表す .. (ドット - ドット) で始まります。 ディレクトリー名が絶対パス名でない場合、cd コマンドは、$CDPATH シェル変数 (または $cdpath csh 変数) で指定したパスからの相対でディレクトリーを検索します。 cd コマンドがコンポーネントの検索に失敗した場合は、最後に検索されたコンポーネントの検索失敗を示すメッセージが出されます。この変数の構文は、$PATH シェル変数 (または $path csh 変数) と同じであり、そのセマンティクスも似ています。
注: シェルから /usr/bin/cd を実行しても、シェルの作業ディレクトリーは変更されません。
シェルの組み込み cd コマンドを使用する必要があります。
終了状況
このコマンドは次の終了値を戻します。
項目 | 説明 |
---|---|
0 | 正常終了。 |
>0 | エラーが発生しました。 |
例
- 現在の作業ディレクトリーをログイン (ホーム) ディレクトリーに変更するには、
次のように入力します。
cd
- 任意のディレクトリーに変更するには、
次のように入力します。
これにより、現行ディレクトリーは /usr/include に変更されます。cd /usr/include
- ディレクトリー・ツリーを 1 レベル下がるには、
次のように入力します。
現行ディレクトリーが /usr/include であり、そこに sys という名前のサブディレクトリーがあると、/usr/include/sys が現行ディレクトリーになります。cd sys
- ディレクトリー・ツリーを 1 レベル上がるには、
次のように入力します。
スペシャル・ファイル名、.. (ドット - ドット) は、現行ディレクトリーのすぐ上のディレクトリーを参照します。cd ..
- 2 つの directory パラメーターを指定すると、現在の作業ディレクトリーを示す文字列内の
directorya は文字列 directoryb に置き換えられ、
次に新規パスが現行ディレクトリーになります。例えば、現在の作業ディレクトリーが以下のような場合、
次のコマンドを入力すると、/home/directorya/sub1/sub2/sub3/sub4
現在の作業ディレクトリーが次のディレクトリー、cd directorya directoryb
(存在する場合) に設定されます。 さらに、現在の作業ディレクトリーが以下のような場合、/home/directoryb/sub1/sub2/sub3/sub4
次のコマンドを入力すると、home/directorya/sub1/sub2/sub3/sub4
現在の作業ディレクトリーが次のディレクトリー、cd directorya directoryb/test
(存在する場合) に設定されます。 同様に、現在の作業ディレクトリーが以下のような場合、home/directoryb/test/sub1/sub2/sub3/sub4
次のコマンドを入力すると、/home/directoryb/test/sub1/sub2/sub3/sub4
現在の作業ディレクトリーが次のディレクトリー、cd directoryb/test directorya
(存在する場合) に設定されます。home/directorya/sub1/sub2/sub3/sub4
サブディレクトリーはすべて同じ名前でなければなりません。