alias コマンド
目的
別名を定義または表示します。
構文
説明
alias コマンドは、別名定義を作成または再定義するか、または既存の別名定義を標準出力に書き出します。
フラグまたはパラメーターを何も指定しなかった場合は、既存のすべての別名定義が標準出力に書き出されます。 AliasName パラメーターを使うと、特定の別名定義を表示することができます。
新しい別名を作成するには、AliasName=String というパラメーターの対を使用します。 シェルは、コマンド・ライン上またはシェル・スクリプト内で別名を見つけると、文字列で与えられた定義を代入します。 String 変数には、任意の有効なシェル・テキストを入れることができます。 文字列にスペースが含まれている場合は、String 変数の値を単一引用符で囲みます。 AliasName パラメーターが有効な名前でないと、alias コマンドはエラー・メッセージを表示します。
-t フラグを指定すると、シェルは 追跡される 別名を表示します。 追跡されるコマンドには、そのコマンドの絶対パス名が使われます。 追跡されるコマンドは、PATH 環境変数の値をリセットすると未定義になりますが、-t フラグを指定して作成した別名はそのまま追跡されます。
-x フラグを指定すると、シェルは エクスポートされる 別名を表示します。 エクスポートされる別名は、すべてのシェル内でアクティブです。
別名定義は、現行シェル環境とすべてのサブシェルの実行環境に影響を与えます。 別名定義が、現行シェルの親プロセスや、そのシェルに呼び出されるユーティリティー環境に影響を与えることはありません。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-t | 追跡される既存のすべての別名を設定または表示します。 このフラグを AliasName パラメーターと共に使うと、新しい別名が追跡され、別名定義には、パス検索の実行によって取得された絶対パス名が含まれます。 PATH 環境変数の値がリセットされると、別名定義は未定義になりますが、引き続き追跡されます。 |
-x | エクスポートされる既存のすべての別名定義を表示します。 このフラグを AliasName パラメーターと共に使うと、新しい別名がエクスポートされます。 エクスポートされる別名の定義は、別に呼び出されたシェルには継承されません。別名定義は環境ファイルに入れて、別のシェル呼び出し用に定義されるようにしてください。 |
終了状況
以下の終了値が戻されます。
項目 | 説明 |
---|---|
0 | 正常終了。 |
>0 | 指定した別名のいずれかに別名定義がなかったか、またはエラーが発生しました。 |
例
- ls コマンドを変更して、列フォーマットで情報が表示され、出力に注釈が付くようにするには、次のように入力します。
alias ls='ls -CF'
- コマンド・ヒストリー・ファイル内の以前のエントリーを反復するコマンドを作成するには、次のように入力します。
alias r='fc -s'
- du コマンド用として 1K バイト単位を使用するには、次のように入力します。
alias du=du¥ -k
- ユーザー Dee のすべてのアクティブ・プロセスを表示するコマンドを作成するには、次のように入力します。
alias psc='ps -ef | grep Dee'
- ls コマンドの絶対パス名を表示するには、次のように入力します。
画面には ls=/usr/bin/ls と表示されます。alias -t ls
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/bin/ksh | Korn シェルの alias 組み込みコマンドが入っています。 |
/usr/bin/alias | alias コマンドが入っています。 |