stty - 端末オプションを設定または表示する
形式
stty [-ag] [operand]
説明
stty は、標準入力デバイスの端末入出力特性を設定または報告します。stty をオプションもオペランドも付けないで使用すると、デフォルトとは異なっている端末入出力特性だけが報告 されます。 stty は、operand 付きで入力された場合、端末入出力特性の全範囲について、使用可能にするか、使用不可にするか、または選択します。
stty コマンドは、ユーザーの端末で有効になっている伝送制御手順に影響します。
オプション
このコマンドは、以下のオプションをサポートします。
- -a
- 端末入出力特性のすべてを表示する。
- -g
- 端末入出力特性のすべてを stty コマンドへの入力として使える形 式で表示する。
-a オプションを使用すると、読みやすい記述が得られます。一方、-g オプションを使用すると、ユーザーは端末入出力特性を 保管、復元できるようになります。
stty は、operand 付きで入力された場合、端末入出力特性の全範囲について、使用可能にするか、使用不可にするか、または選択します。
制御モード・オペランド
制御モードを設定するための有効なオペランドは以下のとおりです。
- parenb
- パリティー生成および検出を使用可能にする。z/OS 伝送制御手順には無効です。常に –parenb が使用されます。使用上の注意を参照してください。
- -parenb
- パリティー生成および検出を使用不可にする。
- parodd
- 奇数パリティーを選択。z/OS 伝送制御手順には無効です。常に –parodd が使用されます。使用上の注意を参照してください。
- -parodd
- 偶数パリティーを選択。
- cs5
- 文字サイズ CS5 を選択。z/OS 伝送制御手順には無効です。常に CS8 が使用されます。使用上の注意を参照してください。
- cs6
- 文字サイズ CS6 を選択。z/OS 伝送制御手順には無効です。常に CS8 が使用されます。使用上の注意を参照してください。
- cs7
- 文字サイズ CS7 を選択。z/OS 伝送制御手順には無効です。常に CS8 が使用されます。使用上の注意を参照してください。
- cs8
- 文字サイズ CS8 を選択。
- number
- 入出力ボー・レートを number に設定。number がゼロの場合、モデム回線を停止。
- ispeed number
- 入力ボー・レートを number に設定。z/OS 伝送制御手順には無効です。ゼロの場合の特殊処理は行われません。使用上の注意を参照してください。
- ospeed number
- 出力ボー・レートを number に設定。z/OS 伝送制御手順には無効です。ゼロの場合の特殊処理は行われません。使用上の注意を参照してください。
- hupcl
- 最後のクローズでモデム回線を停止。
- -hupcl
- 最後のクローズでモデム回線を停止しない。
- hup
- 最後のクローズでモデム回線を停止。
- -hup
- 最後のクローズでモデム回線を停止しない。
- cstopb
- 1 文字にストップ・ビットを 2 つ使用。z/OS 伝送制御手順には無効です。常に –cstopb が使用されます。使用上の注意を参照してください。
- -cstopb
- 1 文字にストップ・ビットを 1 つ使用。
- cread
- 受信側を使用可能にする。
- -cread
- 受信側を使用不可にする。z/OS 伝送制御手順には無効です。常に cread が使用されます。使用上の注意を参照してください。
- clocal
- モデム制御を行わない回線。
- -clocal
- モデム制御を行う回線。
- columns number
- 桁数を number に設定。
このオペランドは、rlogin または telnet クライアントがウィンドウ・サイズを サポートしないか、あるいは正しいサイズを入手できない場合にのみ 使用すべきです。
- row number
- 行数を number に設定。
このオペランドは、rlogin または telnet クライアントがウィンドウ・サイズを サポートしないか、あるいは正しい画面サイズを入手できない場合にのみ 使用すべきです。
入力モード・オペランド
入力モードを設定するための有効なオペランドは以下のとおりです。
- ignbrk
- 入力時に中断を無視。
- -ignbrk
- 入力時に中断を無視しない。
- brkint
- 中断時に INTR シグナルを発生。
- -brkint
- 中断時に INTR シグナルを発生しない。
- ignpar
- パリティー・エラーを無視。
- -ignpar
- パリティー・エラーを無視しない。
- parmrk
- パリティー・エラーをマーク。
- -parmrk
- パリティー・エラーをマークしない。
- inpck
- 入力パリティー・チェックを使用可能にする。
- -inpck
- 入力パリティー・チェックを使用不可にする。
- istrip
- 入力文字を 7 ビットにストリップする。この機能は標準で必要になりますが、この設定は使用しないでください。そのように設定すると、EBCDIC 英数字をシェル・セッションに送ることができなくなり、セッションを終了するために非常手段を取らなければならなくなります。
- -istrip
- 入力文字を 7 ビットにストリップしない。これはデフォルトの設定で、変更してはなりません。
- inlcr
- 入力時に改行をキャリッジ・リターンにマップ。
- -inlcr
- 入力時に改行をキャリッジ・リターンにマップしない。
- igncr
- 入力時にキャリッジ・リターンを無視。
- -igncr
- 入力時にキャリッジ・リターンを無視しない。
- icrnl
- 入力時にキャリッジ・リターンを改行に変換。
- -icrnl
- 入力時にキャリッジ・リターンを改行に変換しない。
- iuclc
- 入力時に大文字の英字を小文字にマップする。
- -iuclc
- 入力時に大文字の英字を小文字にマップしない。
- ixon
- START/STOP 出力制御を使用可能にする。
- -ixon
- START/STOP 出力制御を使用不可にする。
- ixany
- 任意の文字で入力の再始動を許す。
- -ixany
- どの文字による再始動も許可しない。
- ixoff
- 入力キューのサイズを調整するため、システムに START/STOP 文字の送信を要求。
- -ixoff
- 入力キューのサイズを調整するため、システムに START/STOP 文字を送信しないように要求。
出力モード・オペランド
出力モードを設定するための有効なオペランドは以下のとおりです。
- onlcr
- 改行文字を改行 - キャリッジ・リターン・シーケンスに変換。
- -onlcr
- 改行文字は改行のみとして表示。
- opost
- 出力をポストプロセス。
- -opost
- 出力をポストプロセスしない。他の出力モードをすべて無視。
- olcuc
- 出力で小文字の英字を大文字にマップする。
- -olcuc
- 出力で小文字の英字を大文字にマップしない。
- ocrnl
- 出力で CR を NL にマップする。
- -ocrnl
- 出力で CR を NL にマップしない。
- onocr
- CR を列 0 で出力しない。
- -onocr
- CR を列 0 で出力する。
- onlret
- 端末の改行キーは CR 機能を実行する。
- -onlret
- 端末の改行キーは CR 機能を実行しない。
- ofill
- 充てん文字を遅延に使用する。
- -ofill
- タイミングを遅延に使用する。
- ofdel
- 充てん文字は DEL。
- -ofdel
- 充てん文字は NUL。
- cr0
- CR (CRDLY) の遅延のスタイルを CR0 に設定する。
- cr1
- CR (CRDLY) の遅延のスタイルを CR1 に設定する。
- cr2
- CR (CRDLY) の遅延のスタイルを CR2 に設定する。
- cr3
- CR (CRDLY) の遅延のスタイルを CR3 に設定する。
- nl0
- NL (NDLY) の遅延のスタイルを NL0 に設定する。
- nl1
- NL (NLDLY) の遅延のスタイルを NL1 に設定する。
- tab0
- 水平タブ (TABDLY) の遅延スタイルを TAB0 に設定する。
- tab1
- 水平タブ (TABDLY) の遅延スタイルを TAB1 に設定する。
- tab2
- 水平タブ (TABDLY) の遅延スタイルを TAB2 に設定する。
- tab3
- 水平タブ (TABDLY) の遅延スタイルを TAB3 に設定する。
- bs0
- バックスペース (BSDLY) の遅延スタイルを BS0 に設定する。
- bs1
- バックスペース (BSDLY) の遅延スタイルを BS1 に設定する。
- ff0
- 用紙送り (FFDLY) の遅延スタイルを FF0 に設定する。
- ff1
- 用紙送り (FFDLY) の遅延スタイルを FF1 に設定する。
- vt0
- 垂直タブ (VTDLY) の遅延スタイルを VT0 に設定する。
- vt1
- 垂直タブ (VTDLY) の遅延スタイルを VT1 に設定する。
ローカル・モード・オペランド
ローカル・モードを設定するための有効なオペランドは以下のとおりです。
- isig
- 特殊制御文字 INTR、QUIT および SUSP に対する文字検査を使用可能にする。
- -isig
- 特殊制御文字 INTR、QUIT および SUSP に対する文字検査を使用不可にする。
- icanon
- 標準入力モードを使用可能にする。
- -icanon
- 標準入力モードを使用不可にする。
- xcase
- 標準の大文字または小文字表現を設定する。
- -xcase
- 標準の大文字または小文字表現を設定しない。
- iexten
- カスタム特殊制御文字を使用可能にする。
- -iexten
- カスタム特殊制御文字を使用不可にする。
- echo
- 入力した文字をすべてエコーする。
- -echo
- 入力した文字をすべてエコーしない。
- echoe
- 最新の文字を見えるように消去するために ERASE 文字を使用可能にする。
- -echoe
- 最新の文字を見えるように消去するために ERASE 文字を使用可能にしない。
- echok
- KILL 文字の後で改行をエコーする。
- -echok
- KILL 文字の後で改行をエコーしない。
- echonl
- 改行をエコー (echo が使用不可になっていても)。
- -echonl
- echo が使用不可の場合は、改行をエコーしない。
- noflsh
- INTR、QUIT および SUSP の後のフラッシュを使用不可にする。
- -noflsh
- INTR、QUIT および SUSP の後のフラッシュを使用可能にする。
- tostop
- SIGTOU シグナルをバックグラウンド出力用に送信する。
- -tostop
- SIGTOU シグナルをバックグラウンド出力用に送信しない。
制御文字オペランド
2 バイト環境では、これらのオペランドへの char パラメーターは 半角 (単一バイト) 文字である必要があります。
特殊制御文字を割り当てるための有効なオペランドは以下のと
おりです。
- min number
min
を number に設定。- time number
time
を number に設定。- eof char
- ファイル終わり文字を char に設定。
- eol char
- 行の終わり文字を char に設定。
- erase char
- ERASE 文字を char に設定。
- intr char
- INTR 文字を char に設定。
- kill char
- KILL 文字を char に設定。
- quit char
- QUIT 文字を char に設定。
- susp char
- SUSP 文字を char に設定。
- start char
- START 文字を char に設定。
- stop char
- STOP 文字を char に設定。
組み合わせモード・オペランド
組み合わせモードを設定するための有効なオペランドは以下のとおりです。
- saved-settings
- 端末入出力特性を –g オプションで作成した保管設定値に設定。
- evenp
- parenb および
cs7
を使用可能にし、parodd を 使用不可にする。z/OS 伝送制御手順には無効です。使用上の注意を参照してください。 - parity
- parenb および
cs7
を使用可能にし、parodd を 使用不可にする。z/OS 伝送制御手順には無効です。使用上の注意を参照してください。 - oddp
- parenb、
cs7
および parodd を使用可能にする。z/OS 伝送制御手順には無効です。使用上の注意を参照してください。 - -parity
- parenb を使用不可にし、cs8 を設定。z/OS 伝送制御手順には無効です。使用上の注意を参照してください。
- -evenp
- parenb を使用不可にし、cs8 を設定。z/OS 伝送制御手順には無効です。使用上の注意を参照してください。
- -oddp
- parenb を使用不可にし、cs8 を設定。z/OS 伝送制御手順には無効です。使用上の注意を参照してください。
- raw
- ロー入力および出力を使用可能にする。
- -raw or cooked
- ロー入力および出力を使用不可にする。
- nl
- icrnl を使用可能にする。
- -nl
- icrnl を使用不可にし、inlcr および igncr を 設定解除する。
- lcase
- xcase、iuclc、および olcuc を設定する。
- -lcase
- xcase、iuclc、および olcuc を使用不可にする。
- LCASE
- lcase と同等。
- -LCASE
- -lcase と同等。
- tabs
- 出力するとき、タブを保存する。
- -tabs または tab8
- 出力するとき、スペースを拡張する。
- ek
- ERASE および KILL 文字をシステム・デフォルトにリセット。
- sane
- すべてのモードを適当な値にリセット。
使用上の注意
- stty は、要求されたアクションのグループの 1 つ以上の アクションを実行できない場合でも、正常に機能します。例えば、有効な z/OS オペランドが、無効なオペランドと共に要求された場合、stty は、有効なオペランドを 実行できるので、正常に機能します。したがって、有効なオペランドの要求は 満足されます。
- stty が、無効な z/OS オペランドのみを指定して、または すでに満足されている有効なオペランドと組み合わせた無効なオペランドを指定 して使用された場合、stty は失敗します。
ローカライズ
stty は、以下のローカライズ環境変数を使用します。
- LANG
- LC_ALL
- LC_CTYPE
- LC_MESSAGES
- LC_SYNTAX
- NLSPATH
詳しくは、ローカライズを参照してください。
終了値
0
- 正常終了。
1
- 以下のいずれかの理由による失敗
- termios 属性設定のエラー
- モードが不明
- オプションの後に数がない
- 引数が範囲外
- オプションの後の数の誤り
- 内部エラー
- termios 属性読み取り中のエラー
- オプションの後に文字がない
- 引数オプション文字の形式の誤り
- ispeed または ospeed の後に速度指定がない
- 速度指定引数の誤り
移植性
POSIX.2 , UNIX System V.