Cubing Services の概要

IBM® DB2® Warehouse Cubing Services は、 リレーショナル・データベース中に保管されているデータのマルチディメンション・ビューを提供するように設計されています。 Cubing Services を使用して、リレーショナル・ウェアハウス・スキーマ上でキューブ・モデルの作成、編集、インポート、エクスポート、およびデプロイを行えます。また Cubing Services は、データウェアハウジングおよび分析のコア・コンポーネントである OLAP 照会のパフォーマンスを劇的に改善する最適化手法も使用できます。

多くの組織がデータマートやデータウェアハウスに投資し、リレーショナル・データを照会可能な形式で保管してきました。通常このデータは、保管元のトランザクション・システムから、照会パフォーマンスに関して最適化されている別のリレーショナル・データベースに移動されます。

履歴情報を含むこのデータベースのことを、データウェアハウスまたはデータマートと呼ぶことがあります。データマートやデータウェアハウスは、IBM DB2、Oracle、Microsoft SQL Server、Sybase、またはその他のリレーショナル・データベースを使用して作成されます。これらのリレーショナル・データベースの主な目的は、ユーザーが履歴情報を照会できるようにすることです。これらのデータウェアハウスおよびデータマートのデータベースを代表するスキーマ設計について詳しくは、ディメンション・スキーマの設計を参照してください。

ディメンション・モデルを使用する方が、リレーショナル・データベースの照会は簡単になります。ディメンション・モデルを使用すると、特定の業務処理や業務領域に関連した業務上の疑問を提出しやすくなります。データの構造は、ディメンション階層に編成する方が、ユーザーがデータ・カテゴリー間のリレーションシップを理解するのに直感的に分かりやすくなります。ディメンション・モデルのサイズと複雑さ、および業務上の要件に応じて、ユーザーは Cubing Services Cube Server などの専用化された OLAP サーバーの機能が必要になることがあります。リレーショナル・データベースからメタデータをインポートし、メタデータ・オブジェクトの集合を作成して、リレーショナル・データと OLAP の構造をディメンション・モデル化できます。DB2 Warehouse は、 DB2 メタデータ・データベース中に作成した各メタデータ・オブジェクトを保管します。

Cubing Services を使用したデータウェアハウスでは、企業におけるマルチディメンション・データを管理、 デプロイして提供するための最高クラスのプラットフォームを実現できます。 Cubing Services により、OLAP ソリューションの管理はさらに簡単かつ高速になり、分析アプリケーション間のパフォーマンスが向上します。

DB2 Warehouse は、IBM Alphablox およびパートナーのデータウェアハウジング・ツールと連動して、DB2 Information Integrator によってサポートされている多数のデータ・ソースからの OLAP 照会を高速化します。 Cubing Services は、 キューブ・メタデータを使用して、キューブの重要なディメンションとレベル、すなわちスライスを含んだ、特殊なサマリー表 (DB2 マテリアライズ照会表 (MQT)) を設計します。 Cubing Services のキューブ最適化プロセスでは、 OLAP 照会のパフォーマンスを向上するため作成可能なサマリー表が推奨されます。 DB2 オプティマイザーは、着信する照会を透過的に作成し直し、適切な照会を適切なサマリー表に送付することによって、照会のパフォーマンスを大きく向上させます。これらの Cubing Services で推奨されるサマリー表により、Cubing Services に代わって実行依頼される照会だけでなく、データウェアハウスへのすべての SQL ベースの照会が高速化されます。



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