クリティカル・パス・メソッド・ロジック
グラフィカル・スケジューリング・アプリケーションでは、標準のクリティカル・パス・メソッド (CPM) アルゴリズムを使用して、予定日を各作業レコードに割り当てます。クリティカル・パス・メソッド・ロジックでは、優先順位の関係、カレンダー情報、指定の開始日、およびその他の要因を考慮することにより、スケジューリングの日付が調整されます。
優先順位制約が作業指示書の間またはタスクの間に存在する場合は、これらの関係を守るように日付をスケジュールする必要があります。クリティカル・パス・メソッド・ロジックは、作業が正しい順序で実行され、かつカレンダーの作業時間中にのみスケジュールされるように、作業をスケジュールします。 クリティカル・パス・メソッド・ロジックは、スケジュール内の作業レコードにとって最適のスケジュール日を設定するために、特定のルールに従います。このロジックは、リソースの可用性ではなく、期間、優先順位制約、および作業時間に基づいて処理を行います。
スケジューラー・アプリケーションでクリティカル・パス・メソッド・ロジックを適用するには、ガント・ビューでクリティカル・パス・メソッドのツールバー・ボタンをクリックします。
クリティカル・パス・メソッドがスケジュール日を調整する方法
依存関係のないすべての作業は、最も早い開始予定日に開始するようにスケジュールが設定されます。 スケジュールで「スケジュール開始日の保持」チェック・ボックスが選択されている場合は、他のタスクに依存しないタスクの開始日がロジックによって変更されることはありません。ただし、依存関係のない中断可能なタスクは、最も早い作業時刻に移動されます。
中断可能な作業のスケジュールが設定されるのは、スケジュール内のカレンダーで定義されている作業時間帯の範囲内に限られます。 中断不能な作業のスケジュールは、最初の空き時間に設定されます。カレンダー情報がスケジュールに関連付けられていない場合、すべての作業は中断可能とみなされます。
クリティカル・パス・メソッド・ロジックは、優先順位関係を評価します。例えば、タスク 1 とタスク 2 の間の「終了から開始」の関係では、タスク 2 の開始日がタスク 1 の終了日に移動されます。
リード時間およびラグ時間は、必要に応じて予定日に加算されます。 例えば、前述した「終了から開始」の関係では、タスク 2 のリード時間が 3 時間である場合、タスク 1 が終了する 3 時間前にタスク 2 のスケジュールが設定されます。
クリティカル・パス・メソッド・ロジックによって作業日が調整されると、「開始から終了」の関係により、現在の日付より前の日付に作業が移動されることがあります。この競合を回避するには、スケジュールの「開始日」フィールドに値を入力します。ロジックは、この指定開始日より前の作業をスケジュールしません。この日付は、作業レコードに目標日または予定日がない場合にも使用されます。
スケジュールに対して CPM が実行されると、クリティカル・パスが強調表示されます。クリティカル・パスは、レコードにフロートがないこと、つまり日付に遅延が生じた場合にはプロジェクト全体が遅延することを示しています。システム・プロパティー・アプリケーションで CPM の強調表示の色 (skd.criticalpath.color) を構成して、警告メッセージを有効にする (skd.cp.impactwarning.enabled) ことができます。
クリティカル・パス・メソッド・ロジックは、スケジュール内の予防保全予測には影響を与えません。