量子コンピューター

IBMとThe Coding Schoolが5,000人の学生にオンライン量子コンピューティング講座を無償提供

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IBM Quantumが、8か月間の量子コンピューティング集中講座に参加する5,000人の学生を後援。

IBM QuantumとQiskitのチームにとって、量子コンピューティング教育を世界中の学生が利用できるようにすることは、最も重要なことの1つです。本日、当社はThe Coding Schoolとの提携を発表し、IBMは、最大5,000人の学生が8ヶ月間のオンライン量子コンピューティング入門(Introduction to Quantum Computing)集中講座を受講できる機会を提供します。応募はこちらから可能です。

対象に選ばれた学生は、2020年10月から2021年5月までの期間、ライブ講義、実習、問題集からなる「量子ビット:量子コンピューティング入門」(Qubit by Qubit’s Introduction to Quantum Computing)を受講します。この講座は、量子コンピューティングの経験がない高校生以上を対象としており、MITとオックスフォードの量子科学者がライブで講義します。学生は、ローズ奨学生でMITの卒業生であるFrancisca Vasconcelos氏と、MITのエンジニアリング量子システムグループの研究員で、MITの量子コンピューティング入門の冬季セッションコースの主任講師であるAmir Karamlou氏の指導のもと、QiskitとIBM Quantumを使って量子コンピューティングの基礎を学びます。伝統的に、科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で活躍している人が少ない地域の学生には、是非応募していただきたいと思います。また選出にあたっては高校生を優先します。

私たちが認識している通り、量子コンピューティングは世界に革命をもたらすと予測されていますが、現在、幼稚園から高校3年生までの学生や一般の方々が量子コンピューティングを利用できる機会は限られています。The Coding SchoolとIBMは、次世代の方々に、未来の仕事、つまり量子コンピューティングを活用する仕事に必要なスキルを確実に身につけてもらえるよう協業することを、非常に誇らしく感じています。

The Coding Schoolの学生

The Coding Schoolの学生

The Coding School(TCS)は、学生に将来の仕事に向けて準備してもらうことを目的に、2014年に設立されたテクノロジー教育の501(c)(3)非営利団体で、すでに60カ国以上の15,000人の学生にコードの書き方を教えています。IBM QuantumとQiskitチームとTCSは、質の高い量子コンピューティング教育を可能な限り幅広い層に提供することで、多様で包括的、かつグローバルな量子人材を育てるというミッションを共有しています。これまでにTCSが実施してきた量子関連の講座では、STEM分野で歴史的に過小評価されてきたバックグラウンドを持つ学生が70%以上を占めています。

今回の発表は、IBM QuantumとQiskitチームがこのミッションの実現に向け、献身的に取り組んでいることを示すものです。今年の夏、Qiskitチームが主催したQiskit Global Summer Schoolでは、2週間の無料の量子コンピューティング入門講座に、101カ国から4084人の学生が参加しました。一方で、世界中の大学では、すでに包括的なLearn Quantum Computation using Qiskitという教科書を使って量子コンピューティングの教育を開始しており、最近発表したIBM-HBCU量子センターは全米のHBCU(Historically Black Colleges and Universities)と提携して、真に多様な候補者の中から優秀な人材を発掘し、育成しています。

量子コンピューティングの歴史において、私たちがいるのはかなりの初期段階であることを考えると、未来の量子コンピューティングのエコシステムの基盤を形成するチャンスがあります。私たちのプログラムは、この技術が社会に最大かつ最もポジティブな影響を与える方向性を形作ることができる、多様でグローバルなコミュニティのために、量子コンピューティング教育の促進することを目指しています。さらに、難しい計算問題を解決できる量子コンピュータが登場するまで、この分野にはまだ多くの課題が残されています。私たちは、場所や状況に関係なく、教育にアクセスできるようにすることで、情熱をもった学生が画期的なインパクトを与えることができることを望んでいます。

5,000人の学生に8ヶ月間のオンライン量子コンピューティング集中講座を受講してもらいたい理由

この講座の提供に加えて、TCSは世界各国の30の学校と協力して、高校の単位取得のためのこの講座を提供しています。「量子ビット:量子コンピューティング入門」(Qubit by Qubit’s Introduction to Quantum Computing)を用いた単位付与に関心のある学校の関係者はにアクセスしてください。

この機会をご提供できることを大変嬉しく思いますので、ぜひご参加ください。この講座は2020年10月18日に開始される予定で、10月9日と10月15日の2回に分けて順次応募を受け付けます。締め切り後に応募された場合、講座の定員に余裕がある場合のみ受け付けます。個人の方はお早めにお申込みください。プログラムの詳細および応募はこちらをご参照ください。

※この記事は米国時間2020年10月6日に掲載したブログ(英語)の抄訳です。

Liz Durst
Director, IBM Quantum & Qiskit Community
Abe Asfaw
Quantum Education Lead, IBM Quantum
Kiera Peltz
Founder of The Coding School
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