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就労に向けた、ビジネス・ITスキル向上支援「SkillsBuild」でソーシャルインパクトを

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急速なIT技術の発展を背景にあらゆる職業においてデジタル化が進み、社会人に必要なスキルや能力も日々変化しています。企業が求める適切なスキルをもった人材が不足する一方で、働く意欲があっても必要なスキルや経験が不足しているため機会が得られない人々も数多く存在します。

こうした問題を解決するための新しい試みの一つが「SkillsBuild(スキルズビルド)」です。

スキル・知識の獲得により就労を支援

「SkillsBuild」はIBMが提唱している社会貢献プログラムで、これまでの経歴、教育や人生経験にかかわらず、プログラムの参加者がビジネスに必要なスキルやIT基礎知識、IT専門知識といった今の社会で需要の高いスキルを習得し、よりよい就労への道を拓くことを支援するものです。この取組は、各国のNPOや行政などのパートナーと共に、厳しい雇用環境や社会的な課題に直面している方の学習就労支援として、2019年にIBMフランスで開始されました。2020年7月時点で、イギリス、トルコ、インドなど10カ国以上で7,000人を超える人々に活用されています。

日本でも「SkillsBuild」の提供を開始!

2020年7月より日本IBMは、一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク(以下、SBN)とともに、SBNと連携している社会的企業であるソーシャルビジネス事業者、NPO、自治体などの複数の運営パートナーが紹介する人材向けに、日本での「SkillsBuild」の提供を開始しました。まずはスキルアップやキャリアアップに意欲のある女性や就職氷河期世代※1などを対象として、プログラムの参加者はSBNや運営パートナーによるサポートを受けながらIBMが提供するオンライン学習プラットフォームにて、企業の社員ボランティアなどによる学習相談コーチングを利用し、ビジネスに必要なスキルや、IT基礎知識、IT専門知識の習得を目指します。また、プログラムの参加者はプロジェクト演習およびインターンシップによる体験学習や就職準備相談コーチングを利用して就労準備に取り組むことができます。

労働市場の「ギャップ」を埋める

IBMの調査(※2)によれば、2030年までに世界で「適切なスキルを持った」人材の不足は8,500万人にのぼると予測されています。日本の労働市場においても、企業の採用担当者の69%が「適切な職務経験やスキルを持つ人材を見つけることが難しい」と回答しています。その一方で、就職氷河期世代の非正規雇用者や非労働人口は590万人に達している(※3)とも言われています。

こうしたギャップを埋め、より多くの人と企業を結び付ける一助となれるよう、「SkillsBuild」の活用が期待されています。

関連リンク

※1:定義の出典:30代半ばから40代半ばに至っている雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代(内閣府)(264KB, PDF, IBM外のWebサイトへ)
※2:出典:IBV  The enterprise guide to closing the skill gap 2019(894KB, PDF)
※3:出典:総務省「就業構造基本調査」2012 (IBM外のWebサイトへ)

photo:Getty Images

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