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出動せよ、災害ロボットたち!――「タフでへこたれない高性能ロボット」が自然災害頻発国・日本を救う

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地震や水害など自然災害が頻発する日本。大地震や土砂崩れなどの発生時には、一刻も早く人命を救助する必要がある。そのためには直ちに災害現場の状況を把握し、がれきの下など人が入って行けない悪条件の中でも、タフでへこたれずに働くロボットが必要だ。
東北大学タフ・サイバーフィジカルAI研究センターの田所諭教授は、内閣府のImPACT革新的研究開発推進プログラム「タフ・ロボティクス・チャレンジ」(2014~18年度)のプログラム・マネージャーとして、「飛行ロボット」「建設ロボット」「サイバー救助犬」「索状(ヘビ型)ロボット」「脚ロボット」などの災害救助や消火用のロボット開発を主導した。
災害救助にかける同教授の情熱は、阪神淡路大震災(1995年)と東日本大震災を両方とも体験したことから生まれたという。東日本大震災の際は、災害用ロボットQuince(クインス)を福島第一原発の建屋内調査に投入して注目を集めた。
首都直下型地震や南海トラフ巨大地震が高い確率で起きると予想されている中、開発した多くのロボットの消防や警察への普及が待たれている。また企業がその要素技術を活用して産業競争力を高めることも期待される。この分野を主導する田所教授に、各ロボットの特徴や今後の開発の展望をお聞きした。

田所 諭
田所 諭
(たどころ・さとし)

東北大学 タフ・サイバーフィジカルAI研究センター センター長
1984年 東京大学工学系大学院修士課程修了。1993年 神戸大学助教授。2002年〜 国際レスキューシステム研究機構会長。2005年〜 東北大学教授。2014年 同副研究科長。2019年〜 同タフ・サイバーフィジカルAI研究センター長。2014〜18年 内閣府ImPACTタフ・ロボティクス・チャレンジ プログラム・マネージャー。2016〜2017年 国際学会IEEE Robotics and Automation Society President.文部科学大臣表彰・科学技術賞(研究分野)他受賞。レスキューロボットの研究に従事。博士(工学)。IEEE Fellow.

それまでのロボット研究は、災害の人命救助に関わっていなかった

――先生は、災害現場で活躍する「タフでへこたれない」多様なロボットを開発されています。なぜ災害分野に取り組んでおられるのでしょうか。

田所 私は神戸と仙台で大震災を2回経験しています。阪神淡路大震災の時は神戸大学助教授でした。住んでいた公務員宿舎の部屋は大きな物が次々と倒れ、四つんばいになることすらできず、その瞬間、「第3次世界大戦が勃発したのだ」と思ったほどです。
その時に見た光景や周囲の人たちから聞いた話が忘れられません。実に多くの方々、それも一般の人たちが懸命に人命救助に当たられたのです。1階がつぶれた家から床板を剥がし、声を頼りにがれきに埋もれた被災者を助け出したのです。公園で野宿を続けている人もたくさんいました。死ぬことと、生きながらえることは、まさに紙一重なのだと実感しました。
自分がそれまでやって来たロボット研究が、こういう社会的に重要な場面、つまり災害対応に全く関わっていない、対象としていなかったということにがくぜんとしました。当時、災害で人の命を助けるロボット開発に携わっていた研究者は、世界中でほとんどいませんでした。
そこで1歩ずつでもいいからやっていこうと思ったのが、災害救助用ロボットに取り組むきっかけでした。機械学会やIEEEに研究会を立ち上げ、ディスカッションから始めました。2002年には文部科学省の大都市大震災軽減化特別プロジェクトを始めることができ、その中のロボット分野のプロジェクト・マネージャーとして、多くの研究者たちと最初の1歩を踏み出すことができました。
東日本大震災の際に、福島第一原発に投入したロボットQuince(写真1)も、このプロジェクトの延長上にある研究の成果です。Quinceの仕事ぶりについては、後ほど紹介します。

それまでのロボット研究は,災害の人命救助に関わっていなかった

それまでのロボット研究は,災害の人命救助に関わっていなかった
写真1:災害を受けた地下街など、閉鎖空間を調査するロボット「Quince」
画像提供:東北大 田所研究室
(www.rm.is.tohoku.ac.jp/quince_mech/)

ロボットはタフさが足りない

――東日本大震災は、それまで開発してきた各種のロボットが表舞台に出るきっかけとなったわけですね。

田所 東日本大震災は、多くのロボットが使われた歴史上初めての大規模災害となりました。ロボットを適用したさまざまな活動の中で、問題点が明らかになりました。それを一言で言うと、ロボットのタフさが足りないと言うことです。さまざまなロボット技術はありますが、災害現場のような厳しい環境ではその能力を発揮することができない。つまり、技術が成立するための条件が厳しすぎるという問題があったのです。条件が悪いと、できると信じられていたことが全くできない。それでは役立たずというレッテルが貼られても仕方ありません。そういう悪い条件でも、ある程度活躍できるような技術を確立しないと、ロボットは使い物にならないと実感しました。
また、研究者は現場を知らないので、本当のニーズがどこにあるかを正しく理解することは困難です。現場の人はロボット技術が分からないので過度な期待を持ったり、逆にできるはずがないと思い込んでいることがあります。そういったギャップを埋めることも必要だと痛感しました。

災害ロボット研究会がCOCN(産業競争力懇談会)で立ち上がり、私は福島原発の緊急対応をどうすべきかを議論するワーキンググループで主査を務めました。企業の数にして約50社が参加し議論を行いました。そこでは、事故終息のためにどのようなロボットや技術を開発すべきかを中心課題として、放射線に耐える部品のデータベース、ロボット操作インターフェースの標準化、性能試験法、性能試験フィールド、競技会形式による技術と人材育成など、実施すべき施策の骨子をまとめ、政府に対して提案しました。また災害に対応するロボットについて、必要な技術のマップをまとめる作業を行いました。
こうした経緯があって、2014年からImPACT「タフ・ロボティクス・チャレンジ」(ImPACT-TRC)をスタートさせることができ、私はプログラム・マネージャーとして多くの大学や企業と協力し、5種類のロボット、すなわち「飛行ロボ」「建設ロボ」「サイバー救助犬」「索状(ヘビ型)ロボ」「脚ロボ」と、それに関係する技術の開発を始めることとなったのです。

ロボットはタフさが足りない

ImPACT-TRCは、多くの世界初、世界一、世界有数の成果を生んだ

――それぞれのロボットの目的や特徴について説明していただけますか。

田所 まず、プロジェクト全体をまとめた動画がありますので、是非ご覧ください。

田所 「飛行ロボット(ドローン)」(写真2)ですが、これは緊急対応の最初の段階で重要な情報収集を行います。広域災害では全体を把握することが大きな課題であり、ドローンがその役割を果たします。風速15m/s、降雨が300mm/hの悪条件下でも飛行可能で、2Dオルソ画像や3D地形図を描くことができます。プロペラの騒音下で地上の要救助者の声を聞き取ることも可能です。


写真2:耳を澄まして要救助者の位置を検出する「飛行ロボット(ドローン)」
出典:ImPACTタフ・ロボティクス・チャレンジ
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田所 「建設ロボット」(写真3)は災害現場に入って行くために必要で、人がフォークとナイフを持つように2本の腕を無線で遠隔操作します。鉄骨を組み立てるような重作業だけでなく、精密作業もこなせます。急斜面では1本の腕で樹木をつかんで体を支え、もう1つの腕で別の作業をすることもできます。オペレーターが正確に状況を把握して遠隔操作ができるように、視覚・力覚・触覚の高い能力を実現しました。

ImPACT-TRCは、多くの世界初、世界一、世界有数の成果を生んだ
写真3:独立して360°自由に回転させることが可能な2本の腕を持つ「建設ロボット」
出典:ImPACTタフ・ロボティクス・チャレンジ
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田所 「サイバー救助犬」(写真4)は、臭いを頼りに人を探す救助犬に各種センサを備えたサイバー救助犬スーツを着せ、能力を強化するものです。GPSやIMUで犬の動きや行動をモニタリングしながら、数キロのエリアを捜索させることができます。カメラ画像や吠える声をリアルタイムでマッピングすることで、救助を求めている人の居場所を検知できます。

ImPACT-TRCは、多くの世界初、世界一、世界有数の成果を生んだ
写真4:サイバー救助犬  画像提供:東北大 田所研究室
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田所 スーツの重さは犬の体重の10分の1(1kg強)以下に抑えています。犬はやる気がなくなると能力が発揮できないので、心拍を計測することで心理状態を常時モニタリングする研究を行いました。また首輪から光を発して、その方向に犬を誘導する研究も行いました。サイバー救助犬は、災害用だけでなく警備犬や麻薬探知犬として使うことも期待されています。

「索状ロボット」(写真5)は、がれきの隙間に潜り込んで行って人を捜索します。長さは8m。先端部から空気を下方に噴射して20cmほど浮いた状態でがれきの中を進んだり、方向転換することができます。
ImPACT-TRCは、多くの世界初、世界一、世界有数の成果を生んだ
写真5:極限の空間を探査する能動スコープカメラを持つ「索状ロボット」
画像提供:東北大 田所研究室
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田所 段差があっても上ることができ、視点が高くなるので先端のカメラの視野が広がって捜索能力が高まりました。聴覚としては、ノイズを消して救助を求める人の声を強調することによって、会話ができるようになりました。触覚としては、ボディが周囲と接触している箇所をセンシングする技術が開発できたので、遠隔操作が容易になりました。視覚としては、狭い空間のマップを作ることができるようになりました。

さらに直径が太い索状ロボットも開発し、垂直のはしごに巻き付いて登ったり(写真6)、配管のゲートバルブの内部を動いたり、配管外部のフランジや支持部を乗り越えて登ることもできるようになりました。

ImPACT-TRCは、多くの世界初、世界一、世界有数の成果を生んだ
写真6:はしご登りをする索状ロボット(太径)
出典:ImPACTタフ・ロボティクス・チャレンジ
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田所 4本足の「脚ロボット」(写真7-1、写真7-2)は、人が危なくて上れないプラントの高い場所などを点検する時に使います。人に代わって非破壊検査や修繕作業を行うことを想定しています。

 
ImPACT-TRCは、多くの世界初、世界一、世界有数の成果を生んだ
写真7-1:脚ロボットのプラットフォームWAREC- 1
 
ImPACT-TRCは、多くの世界初、世界一、世界有数の成果を生んだ
写真7-2:垂直はしごを昇る(2点支持)脚ロボット
出典:ともにImPACTタフ・ロボティクス・チャレンジ
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ImPACT-TRCは、多くの世界初、世界一、世界有数の成果を生んだ

倉庫火災や高層ビル火災で活躍する「消火ロボット」

――ImPACTの後半では、世界初の空飛ぶ消火ロボット「ドラゴンファイヤーファイター」(図2)(写真8)も開発されました。どのような性能なのでしょうか。

田所 これは索状ロボットの発展型で、2016年から研究に取り組んでいます。ホースの水を下向きに噴射しながら空中を飛んで移動し、火事の火元に直接放水することができるロボットです。
大きな倉庫火災や高層ビル火災では、消防士は中に突入できず、外から放水するしかありませんが、このロボットは先端部に熱画像カメラを取り付けており、火元に集中的に放水できるので、早く消化できるだけでなく、ムダ水を少なくすることができ、水損を少なく抑えることが出来ます。現在はまだホースが3mなので、これを10~20mに伸ばし、できるだけ早く実用化したいと思っています。

 
空飛ぶ消火ホースロボットのイメージ
図2:空飛ぶロボット消火ホース「ドラゴンファイヤーファイター」のコンセプト
画像提供:東北大 田所研究室

 
空中に浮きながら消火する「ドラゴンファイヤーファイター」
写真8:空中に浮きながら消火する「ドラゴンファイヤーファイター」
画像提供:東北大 田所研究室

 

田所 炎の中の物体でもつかめる数珠状の「耐火柔軟グリッパ」(写真9)も開発しました。すでに指で物をつかむハンドはありますが、2本指だと能力が低く、5本指だとコントロールが難しくて、災害現場では役に立ちません。私たちのロボットハンドは、チタンのコマをタングステンのワイヤーで数珠状につないだものを使います。このハンドをつかみたいモノに押し当てると、ハンド自体が変形してモノを包み込みます。そこでワイヤーを締めると、数珠が固まってしっかりつかめるのです。

炎の中で尖った物体をつかむことができるロボットハンド
写真9:炎の中で尖った物体をつかむことができるロボットハンド
画像提供: 東北大 田所研究室

福島第一原発の内部に5回投入され成果を出したQuince

――福島第一原発には先生たちのロボットQuinceが投入され、世界の注目を集めました。どのような成果をあげたのでしょうか。

田所 米iRobot社が軍用ロボットPackBotを寄附してくれ、原子炉建屋のドアの内部を調査することが出来ました。しかし、PackBotは元々がれきを想定しておらず、上れる階段の傾斜も35度が限界でした(実際の傾斜は42度)。
私たちは内部をさらに調べるには、Quinceを使うしかないだろうと思いました。これは、2006~10年度に当時千葉工大におられた小柳先生や国際レスキューシステム研究機構と協力して開発した、当時最新のロボットです。直前に米国の災害対応訓練施設で性能テストを済ませたばかりでした。
ただQuinceは元々地下街の事故やガス漏れなどを想定したロボットで、原子力は対象としておらず、がれきは平気ですが放射線は想定していません。そこで事前に放射線に曝露する実験をして、100時間ぐらいは大丈夫だと確かめました。
通信環境も課題でした。QuinceはWiFiを使って操縦しますが、原発内には遮へい壁が多くてWiFiが使えないのです。そこで有線ケーブルを搭載する改造を行うことになりました。
改造を加えたQuinceは6月以降、計5回、原発に入りました。
格納容器の内部は90数度という高温で、内部を冷却することが急務でした。しかし、冷却系の水の配管の状態が分からず、また配管が生きていてもバルブは人力で回して開けなければなりませんでした。
Quinceは2回目のミッションで2階に上がり、配管やバルブの様子を確かめ、空中に浮遊するダストのサンプリングをして帰ってきました。これで放射線の分布や強さが分かり、作業員が現場で作業をする際の手順、遮へい板はどこに立てればよいかといったプランを作ることができたそうです。
5回目のミッションでは、5階にある使用済み燃料プールの様子を見に行きました。プールの水が減ると危険なので、水位を確認する必要があったと聞いています。Quinceは5階まで上がりましたが、ついたてがあって水位を確かめられる位置まで進めませんでした。
帰って来る途中で通信ケーブルが切れてしまい、そこでミッションは終わりましたが、他の手段では得られない貴重な情報を収集することができ、十分貢献できたと思います。

福島第一原発の内部に5回投入され成果を出したQuince

九州北部豪雨災害で飛行ロボットの実力を証明

――日本ではいずれ首都直下型地震や南海トラフ巨大地震が起きると予測されています。先生は自治体の消防や、警察、自衛隊などに、国が率先して災害用ロボットを配備することの重要性を訴えておられます。

田所 消防組織の特徴は市町村が運営している自治消防です。一番大きいのは東京消防庁で、その次は横浜市とか大阪市の消防です。大部分は小さい自治体なので広域消防を編成しています。人命を救うため、広域消防にはロボットなどさまざまな先端技術を集結すべきだと思います。
2017年の九州北部豪雨災害の際は、ImPACTで開発した飛行ロボットを飛ばし、現場の様子を高解像度で撮影した映像を提供し、災害対応活動を支援することができました。
ただ、ドローンはロボット活用の第一歩、始まりでしかありません。今後、もっとさまざまなロボット技術を活用していってほしいと思います。気候変動によってこれからも大きな災害が増えることが想定されています。昨年も台風15、19号で大変大きな被害が出ました。損害保険会社の支払額は、この2年続けて1兆円を超えています。社会全体で災害に備える対策にもっと投資するべきだと思います。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書は、2100年には海水面が1.1m上昇すると予測しています。それは100年に1度起きていたレベルの災害が毎年起きることを意味するそうです。CO2を出さないだけでは不十分で、災害の被害規模を抑える対策を並行して進める必要があります。

球体の殻をかぶせた飛行ロボットを開発

――先生は「今回開発した要素技術は、ぜひ企業が事業に活用し、新サービスを創出し、産業競争力を高めてほしい」と述べておられます。具体的な参考事例があればお聞かせください。

田所 例えばインフラの点検です。橋や建物、送電塔、プラント、工場など、戦後に建設された各種のインフラがどんどん老朽化しています。企業はBCP(事業継続計画)を真剣に考える時だと思います。
私たちの研究室では今、ドローンの周りに球体の殻をかぶせて、壁などを転がりながら点検する新しい飛行ロボット(図2)を研究開発し、全国の橋梁で適用試験を行っています。ドローンは普通、壁にぶつかるとプロペラが破損して墜落しますが、球体の殻で保護すればその心配はありません。

ぶつかっても落ちないドローン「球殻ヘリ」
図2:ぶつかっても落ちないドローン「球殻ヘリ」
画像提供:東北大 田所研究室 (www.rm.is.tohoku.ac.jp/uav/)

田所 例えば製鉄所などでは、足場を組んで点検すると何億円もかかるそうですが、私たちの飛行ロボ(ドローン)なら数百万円で済みますから、コストが2桁落ちます。橋も点検が必要なものが全国に数千あると言われていて、全て点検するには膨大な予算が必要です。ビルの外壁タイルの点検は法律で決められていますが、コストがかかり、技術者の数が足りないため、困難な状況にあります。
一方、欧州の北海油田では、すでに2013年ごろからドローンを使った点検を継続的に実施しています。ドローンを使う意味はとても大きいのですが、日本はこの面では世界の後進国です。革命的な変化によってコストが劇的に下がることが期待できるこの技術は、熟練工など人材不足が問題となっている高齢社会日本にこそ求められているのです。

球体の殻をかぶせた飛行ロボットを開発

「通信速度が速く、時間遅れが少ない5G」の活用に期待

――AIや今後導入が進む5Gの活用についても、ご意見をお聞かせください。

田所 ImPACTでは20以上の課題解決にAI(人工知能)を活用しています。例えばサイバー救助犬では、画像をもとに遺留品を自動的に判別したり、犬の行動を分析したりしてします。索状ロボットやドローンでは、音を分析して音源の方向を認識する技術を開発しました。
5Gの活用はこれからですが、通信速度が速く、遅延が少ないという特徴があります。
災害用ロボットには接触を伴う作業がたくさんありますが、その際のフィードバックの応答は速く、ミリ秒、あるいはそれ以下が求められます。例えば建設ロボットは何かに触れた瞬間、あるいは触れる寸前に動きを調節しなければいけない。遅延があると、精度や動きの安定性が悪くなるだけでなく、対象物を押しつぶしてしまいます。今後、5Gを生かして、災害大国・日本発として世界に先駆けた災害救助用ロボットを開発したいと考えています。

TEXT:木代泰之、PHOTO:倉橋 正

※日本IBM社外からの寄稿や発言内容は、必ずしも同社の見解を表明しているわけではありません。

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