量子コンピューティング

宇宙の極限状態をシミュレーションする実用規模の量子計算

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ワシントン大学とローレンス・バークレー国立研究所による最新の研究で、エネルギーが極めて高い状態における基礎的な物理学実験のシミュレーションを、近い将来に可能にすると期待されるスケーラブルな手法を発表しました。

素粒子物理学の標準模型は、日常世界を構成する微小な量子スケールの素粒子に関することなら、ほぼなんでも説明することができる理論です。しかし標準模型は驚くべき成果ではありますが、まだ不完全で未解決の疑問を残しています。私たちの知識の欠陥を埋め、標準模型を超える新しい物理法則を発見するためには、日常世界では見ることができない物質の特異な現象や状態を研究する必要があります。そのような現象とは、灼熱状態にある星の中心部や、地球の大気圏上層部全域での宇宙線現象、そしてCERNの大型ハドロン衝突加速器(LHC、Large Hadron Collider)やブルックヘブン国立研究所の重イオン加速器(Relativistic Heavy Ion Collider)などの粒子加速装置で起こる高エネルギー粒子と原子核の衝突です。

基礎物理学の研究においてコンピューター・シミュレーションは不可欠な役割を果たします。しかし、重要な科学的疑問の多くは世界最高の古典スーパーコンピューターでも扱えないほど複雑なシミュレーションを必要とします。量子コンピューターが、近似を使わない、いわば愚直な古典手法では到達不可能なスケールで量子系をシミュレートする能力を示した今日、研究者たちは量子コンピューターを利用する方法を探求して、古典計算ではシミュレーションして解決することができない科学的疑問に答えようとしています。PRX Quantum (PRX) 1 および Physical Review D (PRD) 2 で公開された2つの最近の論文で、私たちの研究グループは、実用規模(ユーティリティー・スケール)を持ったIBM®の超伝導型量子コンピューター群を使用して、量子スケール粒子のリアルタイム・ダイナミクスをシミュレートするための、スケーラブルなシミュレーション手法を開発しました。

私たちが開発した手法は、厳密な古典手法だけでなく、近似を用いる古典手法をも超える将来の量子コンピューター・シミュレーションを実現するための、非常に有用な構成要素になる可能性があります。そのようなシミュレーションは、すべての既知の古典手法に対して「量子優位性」を示すものになります。最近得られた実験結果は、そのようなシミュレーションが、今日既に実現している量子ハードウェアでも実現が見えてきているという明確な証拠になっています。

 

核物理学や高エネルギー物理学のための実用規模シミュレーション

この研究チームは、量子色力学(QCD、quantum chromodynamics)シミュレーションへの量子ハードウェア応用を何年にもわたり研究してきた、ワシントン大学およびローレンス・バークレー国立研究所の研究者で構成されています。QCD は、原子の原子核を結びつける強い力の理論です。素粒子の挙動を観測、モデリング、予測するのは難しい科学的挑戦です。

これらの科学的挑戦の一つの有名な例は、衝突物理学にあります。物理学者は、例えばLHCのような衝突型加速器を使用して、超高エネルギーで粒子や原子核のビームを互いに衝突させ、星や宇宙線イベントで起こるような衝突を再現しています。衝突実験は、宇宙の極限状態における物質の振る舞いを観測する能力を物理学者にもたらします。これらの実験から収集されるデータは、標準模型の制約を絞り、標準模型を超える新しい物理を発見することも可能にします。

ここでは、衝突実験から得られるデータを使用して、新しい物理理論を見つけることを考えます。これを行うには、例えばQCDのような既存の物理理論が衝突型加速機の運転中に起こる特異な物理過程にどのように貢献するかを正確に予測して、かつ、それに対する理論計算の不確かさを定量化できる必要があります。これらのタスクを実行するには、素粒子系の詳細なシミュレーションが必要です。これらのシミュレーションは、古典計算だけでは実現できないものですが、十分に能力のある量子コンピューターを用いれば実現可能であるはずです。

量子計算ハードウェアは、複雑な素粒子系をシミュレートする能力を持つ日に向かって速やかに進歩していると言えますが、量子コンピューターが成熟するその時まで、ただ座して待つわけにはいきません。その日が来た時に、シミュレーション・プロセスの各ステップを実行するためのスケーラブルな手法を準備しておかなければなりません。

研究コミュニティーは、QCDやその他の基礎物理理論の簡略化された低次元モデルのシミュレーションに焦点を当て、この分野で重要な進歩を遂げています。私たちの研究グループもまさにこの分野の研究に取り組み、最も広く使用されているシュウィンガー・モデルのシミュレーションに焦点を当てて実験を行ってきました。このモデルは、電子や陽電子がフォトン(光子)の交換を通して相互作用する挙動を説明する1次元QCDモデルです。

2023年にarXivに提出され、この4月にPRX Quantumで公開された論文では、シュウィンガー・モデルを使用して新しい高エネルギー物質衝突シミュレーションを構築するための最初の重要な一歩を示しました。つまり、素粒子の衝突が発生する量子真空状態のシミュレーションの準備です。6月にPRDで公開されたその続編となる論文では、このプロセスの次のステップを実行するための手法を示しています。つまり、量子真空に素粒子ビームを準備する方法を示しています。

具体的に言うと、その追加論文は、1次元量子シミュレーションでハドロン波束を準備し、それらを時間発展する方法を示しています。この文脈においてハドロンは、陽電子と電子が、(中性子や陽子を原子核内で結合させている強い力と類似するものによって)束縛された複合粒子と考えることができます。

不確定性原理のため、粒子の位置と運動量の両方を正確に知ることは不可能です。せいぜいできることは、粒子がある確率である空間内に、ある範囲の運動量をもって存在する波束を作り出すことです。運動量における不確定性は、ある範囲の空間にわたる波束の拡散、つまり「伝播」を引き起こします。

ハドロン波束を時間方向に発展させることで、1次元系で移動するハドロンのパルスまたはビームのシミュレーションを効率的に作成することができます。これは、粒子加速器で衝突させる粒子ビームとちょうど同じです。作成する波束は、あらゆる方向に向かって伝播する確率が等しくなっています。しかし、1次元空間、すなわち一本の直線に置かれた状況で扱っているので、粒子が左に伝播する確率と右に伝播する確率が等しいと言う方がより正確です。

 

シミュレーション手法

私たちは、1次元空間で複合ハドロン粒子が量子真空を通過する運動をシミュレートすることが目標であると設定しました。これを実現するために、空間が離散的なポイントすなわち「格子点」から構成される単純化されたモデルにハドロンが配置された初期状態を用意する必要があります。その後、私たちは「時間発展」と呼ばれる処理を実行し、ハドロンを動かしてその運動を調べることができます。

最初のステップは、量子コンピューター上で実行してこの初期状態を準備する量子回路を決定することです。このために、新しい状態準備アルゴリズムであるScalable Circuits ADAPT-VQEを開発しました。このアルゴリズムは、よく知られたADAPT-VQEアルゴリズムをサブルーチンとして使用し、「基底状態」、すなわち最小エネルギーの状態や、ハドロン波束状態を準備する回路を見つけることができます。この手法の特徴は、古典コンピューターを使用して目的状態を準備する回路ブロックを決定する際に、その状態を小規模な格子上で定義することから始め、大規模な格子へと体系的に拡張できることです。そして、拡張された後の大規模回路は古典コンピューターでは正確に実行できないため、量子コンピューターで実行されます。

初期状態を得た後、時間発展オペレーターを適用するのが次のステップです。これは、数学的な道具であり、時間軸上のある一点における量子状態を、ある一つの将来の時点に対応した状態に変化させることを可能にします。私たちの実験では、既存のトロッター化された時間発展を使用し、量子系を記述するハミルトニアン・エネルギー式を表現する異なるいくつかの項に分け、それぞれの項を回路内のゲートへと変換します。

しかし、ここで問題が発生します。単純化されたシュウィンガー・モデルであっても、系内の個々の物質粒子間の相互作用は「all-to-all」です。つまり、系内のすべての物質粒子は、同じ系内のすべての粒子と相互作用を持っている必要があり、このことはすなわち回路内のすべての量子ビットがすべての量子ビットと相互作用する必要があることを意味します。

これはいくつかの課題を引き起こします。まず一つには、all-to-allの相互作用によって、時間発展に必要な量子ゲート数がシミュレーション規模の拡大に伴って二次のオーダーで拡大し、現在の量子ハードウェアで実行するには巨大すぎる回路になることです。もう1つの大きな課題は、現時点で最も先進的なIBM Quantum™プロセッサーでも、ネイティブな相互作用を行うことができるのは隣接する量子ビット間のみであるということです。つまり、たとえばIBM Quantum Heronプロセッサの5番目の量子ビットは、量子ビット4および6だけと直接相互作用できます。この線形の接続性に対して工夫して長距離の相互作用をシミュレートする特別な手法はありますが、all-to-allの相互作用をシミュレーションしようとすると、必要な2量子ビット・ゲートの深さもシミュレーション規模に対して二乗で増加します。

この問題を解消するために、私たちはシュウィンガー・モデルやQCDが持っている特徴の一つである閉じ込め現象を利用しました。量子閉じ込めは、ハドロンの大きさ程度の距離でのみ相互作用が意味を持つということを示しています。これは、量子ビットが最大でも、隣の隣の隣にある量子ビットまでとのみ相互作用する必要があるという、近似的な相互作用を利用することの根拠となります。つまり、量子ビット5は量子ビット2、3、4、6、7とのみ相互作用する必要があります。私たちは、体系的に改善できる相互作用を構築するための定式化を確立し、その相互作用を、時間発展を実行できるようなゲート列に変換しました。

時間発展が完了した後にしなければいけない作業は、最終状態に対して何らかのオブザーバブルを測定するだけです。具体的には、私たちはシミュレートされたハドロン粒子が格子上でどのように伝播するかを確認したかったので、粒子密度を測定しました。シミュレーションの開始時 (t=0)、ハドロンは特定のエリアに局在しています。時間の進行に伴って、それは光速によって上限が決まった拡散をして伝播します(45º角度)。

 

この図は、ハドロンの運動のシミュレーションの結果を示しています。左側のY軸は時間方向を示し、格子上の点群(量子ビット0 から 111)がX軸上に示されています。色は粒子密度に対応し、より高い値(明るい色)は、その場所に粒子を発見する確率が大きいという意味です。図の左半分は、誤りのない近似的な古典シミュレーション手法の結果を示し、右半分は、量子ハードウェアの実機(`ibm_torino`)上でシミュレーションを実行した結果を示しています。誤りのないシミュレーションでは、左右対称となるはずです。そうでなくなっている部分は、デバイスのエラー(誤差)によるものです。

 

1次元に単純化されたシミュレーションであることを除けば、これはたとえば大規模ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider)といった装置で生成されるハドロンなど、真空中で伝播するハドロンに予想される運動をシミュレートしたものであると言うことができます。

 

Qiskit が実験を可能にした方法

私たちの研究に不可欠な役割を果たしたのは実用規模のIBM 量子ハードウェアです。私たちの実験は、愚直な古典手法ではシミュレーションできない回路を実行するのにIBM Quantum Heron プロセッサー ibm_torino上で 112 量子ビットを使いました。しかし、このシミュレーション実験にハードウェアと同じくらい重要だったのは、多数の便利で強力なツールを利用可能にした Qiskit ソフトウェア・スタックです。

量子ハードウェアは、周囲環境のノイズによって引き起こされるエラーにとても敏感です。IBMが開発を目指している量子エラー訂正は、量子計算中にエラーが発生したときに即座にそのエラーを訂正する機能です。しかし、その機能は今のところまだ実現していません。

代わりに、私たちはノイズの影響を予測して回避するための量子エラー抑制手法や、量子コンピューターのノイジーな出力を分析してノイズがない場合の結果の推定値を予測するための量子エラー緩和の後処理技術を利用しています。

以前は量子計算にこれらの手法を適用することはとても難しい作業で、研究者は実行したい実験や使いたいデバイスに特化したエラー抑制やエラー緩和のソリューションを手作りする必要がありました。しかし、Qiskit Runtimeプリミティブなどの最近のソフトウェア・ツールの登場により、組み込まれたエラー対処能力を活用して量子ハードウェアから意味のある結果を得ることが大幅に容易になりました。

特に、私たちはQiskit Runtime Samplerプリミティブを利用して、量子回路から出力されるビット列の確率や擬確率を計算し、粒子密度など物理的なオブザーバブルの計算を容易に行うことができました。

Samplerは、これらの出力を収集するプロセスを簡略化するだけでなく、ダイナミック・デカップリングと呼ばれるエラー抑制技術を回路に自動的に挿入し、また量子読み出しエラー緩和を結果に自動的に適用して、計算結果の信頼性を向上させました。

正確でエラーを緩和した結果を得るためには、回路のバリエーションを多数実行する必要がありました。実験全体では、量子ハードウェア上で約1億5,400万「ショット」の実行が必要で、これは回路を一つずつ実行するやり方では達成することができないものでした。その代わりに、Qiskit実行モードの、特にSessionモードを使用して、効率的なマルチ・ジョブのワークロードとして回路を量子ハードウェアに投入しました。多数の回路を連続的に実行することで、多数の実行を通してデバイスのキャリブレーションとノイズが相互に関連づけられたためにエラー緩和手法が可能になりました。

IBM Quantumのハードウェアに回路を投入する際にSamplerプリミティブとSessionモードの利点を利用するには、数行のコードを用いるだけでよく、次の例に見られるように本当にシンプルです。

 

(このプログラムのテキストをコピーするには英語ブログをご参照ください)

 

私たちのチームはQiskit Runtimeの組み込みエラー緩和機能を使用する場合と使用しない場合の両方で何回か試行し、Samplerプリミティブによって提供されている手法が結果の精度と品質を大幅に改善することを確認しました。さらに、SessionとSamplerの柔軟性により、私たちはパウリ・トワリング(Pauli Twirling)や、operator decoherence renormalizationと呼ばれる手法などのようなエラー緩和のカスタム・レイヤーを追加することができました。これらのエラー緩和手法の組み合わせにより、私たちは実に深さ370におよぶ13,858個のCNOTゲートから構成される量子シミュレーションを成功裡に実行することができました!

CNOT深さとは

CNOT深さとは量子回路の複雑さを測る重要な指標です。CNOTゲート、すなわち「コントロールNOT」ゲートは、2量子ビットを入力として受け取り、制御量子ビットと呼ばれる第一の量子ビットの値に応じて、目標量子ビットと呼ばれる第二の量子ビットの値を反転させるNOT演算を行う量子論理ゲートです。CNOTゲートは、多くの量子アルゴリズムの基本的な構成要素であり、現在の量子コンピューターでは最もノイズが多いゲートです。量子シミュレーションの「CNOT深さ」とは、デバイス全体で実行する必要があるCNOTゲートのレイヤー数を指します。ただしそれぞれのレイヤーには、異なる量子ビットに作用する複数のCNOTゲートが含まれることがあり、それらはすべて同時、すなわち並列して適用されることができます。Qiskitソフトウェア・スタックによって提供されているような量子エラーへの対処手法を使用しない場合、CNOT深さ370に達することは不可能です。

 

量子シミュレーション技術の将来に向けて

2つの研究論文を通して、量子ハードウェアを使用して量子真空をシミュレートする手法や、さらにその真空における粒子ビームの運動をシミュレートする技術を示しました。私たちの研究グループは、この進歩のさらに次のステップとして、2つの粒子ビームの衝突のシミュレーションに取り組んでいます。

もし、十分に高いエネルギーでこれらの衝突をシミュレートできれば、私たちは、量子優位性という長期目標を実証できると信じています。今日、古典計算では、たとえばシュウィンガー・モデルのような単純化された物理学理論を使用したとしても、私たちが目指しているエネルギー・レベルで二つの粒子の衝突を正確にシミュレートすることはできません。しかし、私たちのこれまでの研究は、このタスクが近未来、実用規模の量子ハードウェアでは実現可能であることを示唆しています。つまり、完全な量子エラー訂正を実現しなくても、これまでは不可能だった素粒子系のシミュレーションを量子ハードウェアを使用して構築し、シミュレーションによって物理学の最も深遠な謎を解き明かすことが、間もなくできるようになるかもしれません。

同時に、IBMは量子エラー訂正についても忘れたわけではありません。実際のところ、私たちは、今日のノイズを含んだ実用規模プロセッサーから、将来の理想的なエラー訂正を備えたプロセッサーに移行できるように、研究で開発した手法が拡張可能であることを確実にするために、多大な努力を注いでいます。これが実現された場合、量子計算のエラー訂正を行う能力によって、量子コンピューターの計算能力は大きく増加し、非常に複雑な物理過程の3次元シミュレーションへの扉が開きます。そのような機能が手に入った時には、今は誰にも想像がつきもしないような新発見を私たちはすることができると私たちは期待しています。

 

 


この研究は、次のような資金援助を受けています。

This work was supported, in part, by the U.S. Department of Energy grant DE-FG02-97ER-41014 (Farrell), by U.S. Department of Energy, Office of Science, Office of Nuclear Physics, InQubator for Quantum Simulation (IQuS) under Award Number DOE (NP) Award DE-SC0020970 via the program on Quantum Horizons: QIS Research and Innovation for Nuclear Science (Anthony Ciavarella, Roland Farrell, Martin Savage), the Quantum Science Center (QSC) which is a National Quantum Information Science Research Center of the U.S. Department of Energy (DOE) (Marc Illa), and by the U.S. Department of Energy (DOE), Office of Science under contract DE-AC02-05CH11231, through Quantum Information Science Enabled Discovery (QuantISED) for High Energy Physics (KA2401032) (Anthony Ciavarella).

This work is also supported, in part, through the Department of Physics and the College of Arts and Sciences at the University of Washington.

This research used resources of the Oak Ridge Leadership Computing Facility (OLCF), which is a DOE Office of Science User Facility supported under Contract DE-AC05-00OR22725.

We acknowledge the use of IBM Quantum services for this work.

This work was enabled, in part, by the use of advanced computational, storage and networking infrastructure provided by the Hyak supercomputer system at the University of Washington.

This research was done using services provided by the OSG Consortium, which is supported by the National Science Foundation awards #2030508 and #1836650.”

 


参考文献:

  1. Farrell, R. C., Illa, M., Ciavarella, A. N., & Savage, M. J. (2024, April 18). Scalable Circuits for Preparing Ground States on Digital Quantum Computers: The Schwinger Model Vacuum on 100 Qubits. PRX Quantum, https://journals.aps.org/prxquantum/abstract/10.1103/PRXQuantum.5.020315
  2. Farrell, R. C., Illa, M., Ciavarella, A. N., & Savage, M. J. (2024, June 10). Quantum simulations of hadron dynamics in the Schwinger model using 112 qubits. Physical Review D, https://journals.aps.org/prd/abstract/10.1103/PhysRevD.109.114510

 


この記事は英語版IBM Researchブログ「Simulating the universe’s most extreme environments with utility-scale quantum computation」(2024年7月10日公開)を翻訳し一部更新したものです。

監訳:山本 貴博
IBM Quantum, Quantum Computational Scientist
主に量子コンピューターのユースケース開発や産業応用に向けた技術支援に携わる。
立花 隆輝
監訳:立花 隆輝
IBM Quantum, シニア・テクニカル・スタッフ・メンバー
量子コンピューターの社会実装に携わる。
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