IBM Data and AI
Netezzaとwatsonx.dataによる生成AIのための新しいデータ統合
2024年09月18日
カテゴリー Hybrid Data Management | IBM Data and AI | Netezza | watsonx.data
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注)以下の記事は英語版ブログ「Unify and share data across Netezza and watsonx.data for new generative AI applications」(2024年6月21日公開)を翻訳したものです。
データとAIの活用が一般的になった今日、企業はさまざまなデータ・ソースから大量のデータを生成しています。企業がAIから価値を引き出すことができるかどうかは、データの可用性と品質に大きく依存します。データの価値を最大化してAIの能力を活かすため、企業はパブリック・クラウドとオンプレミス環境を跨がる複雑なITシステムを効率的に管理・運用する必要があります。
ボストンで開催された今年のIBM Thinkカンファレンスで、私たちはIBM watsonx.dataの新機能を発表しました。これはオープンなデータ・レイクハウスで、データがどこに保管されていようとも既存のストレージや分析環境に接続できて、企業がデータから価値を引き出せるようにします。AI活用のユースケースのためにwatsonx.dataでデータを収集・整備し、目的に応じたクエリー・エンジンを選択し、低コストのオブジェクト・ストレージを活用して、ワークロードに要するコストを最適化することができます。
モバイル・バンキング・アプリケーションからコネクテッド・カーまで、ハイブリッド・クラウド環境のデータ保存・分析をIBMデータベースが支えています。IBMデータベースはアプリケーションとアナリティクスを通じて日々のビジネスを推進します。IBM Netezza Performance Serverはクラウド・ネイティブなエンタープライズ向けデータウェアハウスで、データをどこからでもアクセスできるように統合して、拡張可能な基盤上でディープ・アナリティクス、ビジネス・インテリジェンス、機械学習の処理を実行できるように設計されています。2024年6月21日付けで、IBM Netezzaオンプレミス(Cloud Pak for Data System)とIBM Netezza SaaSが共にwatsonx.dataと統合できるようになりました。
Netezzaとwatsonx.dataの統合によりデータ管理プラットフォームを最新化し、生成AIのためのサードパーティ・データやアプリケーションから得た洞察を具体的な行動に結びつける方法を見てみましょう。
AIのためのデータ統合
データウェアハウスの従来アプローチでは、複雑なETL(抽出、変換、ロード)プロセスが必要となることが多く、時間とコストがかかっていました。Netezzaとwatsonx.dataを組み合わせれば、ETLを使わずにハイブリッド・クラウド環境全体でAI向けデータを統合できます。これは共有メタデータ・レイヤー、オープンなテーブル・フォーマット、コスト効率の高いクラウド・オブジェクト・ストレージによって実現されます。NetezzaがParquetやApache Icebergなどのオープン・フォーマットを新たにサポートすることによって、データ・エンジニア、データ・サイエンティスト、データ・アナリストがETLを追加することなく、クラウド・オブジェクト・ストレージからデータをコピーすることもなく、複雑なワークロードを実行できるようになります。
この統合によって、Netezzaをオンプレミス環境でご利用中のお客様はNetezzaネイティブ・テーブル(ホット・データ用)と頻繁にアクセスされないIcebergテーブル(コールド・データ用)を結合し、オンプレミスとクラウドを問わずコスト効率の高いS3互換オブジェクト・ストレージに保存されたIcebergテーブルを読み書きできるようになります。メタデータ、ストレージ、オープンなIcebergテーブル・フォーマットを共有すれば、オンプレミスとNetezza on Cloudで稼働する複数のNetezzaインスタンスからデータ・アクセスと共有が容易になります。
この統合アプローチによってwatsonx.dataのオープンソース・クエリー・エンジンであるPrestoとSparkを活用できるようになり、Netezzaのお客様はワークロードに応じたエンジンを適切なコストで組み合わせて最適化し、価格性能比を向上することができます。
watsonx.dataはNetezzaのお客様に新しい生成AI機能を提供
watsonx.dataに組み込まれた生成AI機能はIBM Knowledge Catalogのセマンティック・レイヤーを使っており、これによってNetezzaのお客様が自然言語を使って新しいAIアプリケーション用のデータを収集・整備することができます。さらにデータ準備の煩雑さが軽減され、洞察を得るまでの時間が短縮されます。またwatsonx.dataはオープンソースのMilvusをベースにした統合ベクトル・データベースの提供開始も発表しました。今Netezzaをご利用いただくお客様は、watsonx.dataで統制され信頼できるデータを用いて、生成AIアプリケーションのためにベクトル埋込み表現 (vector embeddings)を準備することができます。その結果、チャット・ボット、パーソナライズされたレコメンデーション・システム、画像類似検索アプリケーションなどに組み込まれたAIの出力において、関連性と精度が向上します。
watsonx.dataに統合したNetezzaを環境を問わずどこにでも配置
AWSやAzureでNetezza SaaSを実行しているお客様はもちろんのこと、Netezza Cloud Pak for Data Systemをオンプレミス環境でご利用中のお客様もwatsonx.dataとの統合機能を活用できるようになりました。Netezzaオンプレミスのお客様がハイブリッド・クラウド・アーキテクチャに移行し、より高い柔軟性とAIの拡張性を検討するとき、AWSとAzureのNetezzaフルマネージド・サービスは移行が容易で高い互換性を持ちます。
「Sicoob社は相互扶助の精神に則った持続可能な金融ソリューションを通じて、信用組合の財政的・社会的繁栄を支援しています。IBM Netezza SaaS on AWSによるクラウド・ベースのソリューションへの移行は簡単で、安全かつ最新のクラウド環境において予測可能なコストで高い業務効率を達成することができます。データにもとづくビジネスの意思決定が浸透し、分析処理がビジネスの成功に不可欠な要素となっている状況において、IBMをビジネス・パートナーとして選択したおかげで期待した信頼性と実行能力が得られたことを強調します。私たちは今、このインフラを新しいアナリティクスやAIユースケースで活用することを検討しており、Netezzaと統合されたIBM watsonxプラットフォームの可能性にワクワクしています」 - Sicoob CIO Antonio Vilaça Júnior氏
Netezza無料トライアル
NetezzaオンプレミスとNetezza SaaSをwatsonx.dataに統合できるようになり、ハイブリッド・クラウド全体にアナリティクスとAIを拡張する強力なソリューションが提供されます。ETL無しでAIのためにデータを統合し、ハイブリッド・クラウド全体からデータにアクセスし、オープン・フォーマットと低コストのオブジェクト・ストレージを使ってAI向けデータを保存・共有できます。watsonx.dataの組み込み生成AI機能とNetezzaの統合機能を活用すれば、データの準備を簡素化してAIの取り組みを加速することができます。
Brajesh Pandey
Chief Architect, IBM Data & AI
Hemant Suri
Program Director, Data & AI
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