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ソブリンクラウドによる規制への取り組みとイノベーションの推進について

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規制拡大に従って、ソブリンクラウドの基盤を理解しましょう

パンデミックが起こってから、かつてないほどの速いペースで変革を目指している企業の姿を私たちは目にしてきました。それが、デジタルファースト・エクスペリエンスに対するお客様の需要の高まりへの対応であろうと、主要なサイバー攻撃に対するセキュリティー戦略の強化であろうと、企業はその変革に努めています。
そして今日ではあらゆる業界におけるビジネスが、膨大な数の破壊的要因に対し取り組んでいます。

またそれと同時に、リスクを軽減するため、データおよび技術基盤のガバナンスに対して、国が断定的なアプローチを取っている時代でもあります。 実際に現在多くの国では、データとプライバシーの保護を確保するための法律制定や、法案があります。各国がデータ保護のための法律を制定しているため、IBMは、お客様の要件に対応しながら、同時にイノベーションを推進するための準備をすることに重点を置いています。

 

ソブリンクラウドの基盤とは?

各国がリスクを軽減するための最善方法を評価する中で、国のデータを保護・統制するための規制を実施し、国の技術的自主性への権利を主張する国が増えてきています。これら政策の主な目的は、市民、企業、政府組織のデータとプライバシーを、悪用、搾取、サイバー脅威、テロから保護することであると考えています。
より多くの規制が制定されるにつれ、自己決定と外部干渉からの自由という考え方に基づく共通の基盤を目にします。その核となる原則は、データとデータ運用は、単一の立法管轄権の法的保護と刑罰の対象になるということです。世界的にみても、立法管轄権は通常、サービスとデータが存在する国または地域内のみであることがわかっています。

組織がさらにハイブリッドクラウド・ジャーニーに移行すると、 ソブリンクラウド に対して定義されたアプローチは、データ・プライバシー、アクセス、およびコントロールに関する特定地域の管轄法に準拠するために必要なセキュリティーとデータ・アクセスのレベルを実現することに役立ちます。

 

IBM Cloudはどのようにお客様データを保護し、各国の要件を解決しているのでしょうか?

各国がデータ主権のジャーニーに乗り出す中、IBM Cloudはお客様の準備を支援すると同時に、データが存在する場所で高水準のセキュリティにてデータを保護する支援を継続的に行っていくことをコミットしています。
ソブリンクラウド は、業界向けの進化するクラウド運用モデルであり、主権はデータ・プライバシー、データ・レジデンシー、およびサービス・ローカリティーを網羅しています。
サービス・ローカリティーとは、すべてのサービスをデータのある場所に移動させることで、クラウドから切り離して運用することも可能です。一方データ・レジデンシーとは、データを扱うサービスをデータのある場所に移動させ、クライアントの所在地や対象となる規制管轄内にデータを置いておくことです。

これらの機能は、主権に関連する事柄であり、 ソブリンクラウドの全体構想に向けて構築されており、お客様がローカルで実行しながら選択された法域の法規制要件を満たすよう支援します。 IBM Cloudは、データ・プライバシーとサービス・ローカリティーを最前線に配置する強力な ソブリンクラウドによるアプローチを推奨します。 主権を構成する個々の問題に対処することによって、このアプローチは、お客様が直面するであろうさまざまなシナリオに対応します。
例えば、サービス・ローカリティを中心に据えたソブリンクラウドのアプローチは、完全なローカル運用を求める政府機関を支援することができます。
このような政府機関は、ローカルの資源とコントロールを完全に維持した上で、マルチテナントを含むクラウドのフルサポートのメリットを享受することを求めます。

一方、一部の地域では、企業組織が厳しい内部要件を抱えていない場合もありますが、それでも複数の地域からの要求が混在するため、より複雑なものになる可能性があります。この場合には、データ・プライバシー、データ・レジデンシーおよびロケーションが適切に設計されていることを確認することが鍵となります。

IBM Cloudは、データ規制が変化する状況に対応するためにお客様を支援します。 IBM Cloudが重点を置いているのは、お客様が世界中で主権要件を順守し、直接、または私たちの世界中のパートナー・エコシステムを通し、作業をする上で役立つソリューション構築を支援することです。

規制は変化し続ける可能性が高く、 IBM は、データが存在する場所でデータ保護を支援することを引き続きコミットしており、お客様の固有の国の要件に対応するため、お客様との緊密な連携を継続していきます。

私たちIBM は、データ・レジデンシーの旅においてお客様を支援するために、IBM Cloud Satelliteサービスをご提供しています。詳細はこちらをご覧ください。

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