デジタル変革(DX)

基幹システムの本来の役割を引き出す- 流行や制約に左右されないシステム更改の最適解とは

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企業の基幹システムのオープン化が進む中、オープン系のシステムではDXの推進に不可欠な柔軟性や拡張性といったメリットを得られる一方、既存の業務に与える影響も大きいため、効率性を損ねてしまうといったデメリットやリスクにも目を向ける必要があります。また、セキュリティー上のリスクやシステムの複雑化といった課題も存在します。本記事では、システムのオープン化による課題に直面した企業が選んだ解決策について、実際の導入事例とともにご紹介します。

システムのオープン化という言葉が一般に使われるようになって久しいですが、実際の開発現場では数々の課題に直面しています。ここでは、お客様より特に多くのご相談をいただく課題を2つご紹介します。

<課題1>OSのバージョンに左右されるシステム開発と保守への対応

オープン化されたシステムでは、OSのバージョンアップの度に、ハードウェアの更改やシステムの動作検証、システムの改修など、多くの対応を要します。改修を重ねることでシステムが複雑化、煩雑化し、処理スピードが低下するという問題の併発も考えられます。度重なるバージョンアップにセキュリティー対策が追い付かず、情報漏洩などのリスクも懸念されます。

<課題2> 外部ベンダーへのアウトソースによる開発や保守のタイムラグ

自社で開発環境を持たず外部ベンダーへアウトソーシングすることにより、これまで自社環境でスムーズに行われていた開発や保守が、外部ベンダーとのやりとりを介して進められます。その中で、運用や考え方のズレが生じ、自社開発よりも多くの時間を要してしまうといった問題をよくお聞きします。システムのオープン化によるイニシャルコスト削減のメリットが注目されますが、その裏で、外部ベンダーへの委託により起こりうる運用面での課題にも注意が必要です。

オープン系システムからの更改事例として、山下機械株式会社様(以下、山下機械様)のケースをご紹介します。同社は、名古屋市に拠点を置き、工作機械や工具等の販売、専用工作機の設計製作を行う創業90年を迎える歴史ある商社です。長年のWindowsシステムユーザーであった同社は、IBM のソリューション・ベンダーであるソフラ株式会社(本店:兵庫県)の、IBM i システム向け統合開発ソリューション「SOFLA」を採用し、計900本におよぶ大規模な新販売管理システムへの更改をわずか1年強で実現しました。その経緯と効果について詳しく見ていきます。

Windowsベースのシステム継続の妥当性を含め、8社のコンペで検討

山下機械様は、Windowsベースの国産ERPパッケージをカスタマイズし長年使用していましたが、Windowsのサポート切れ問題がきっかけでシステム更改を検討し、メーカーにこだわらないコンペで検討を重ねたうえでソフラを採用されました。当初8社に声をかけ、最終的にはオープン系ベンダーと、IBM iソリューションを提案したソフラの2社での検討となりました。

同社の当時の担当者は「費用面ではソフラの方が高額でしたが、オンプレミスの運用に限界を感じていたこともあり、OSのバージョンに縛られず、システムの長期利用が可能なIBM iと、提案力に長けたソフラに魅力を感じました。」と語っています。「ソフラの名古屋事業所でSOFLA iやSOFLA AGという自社開発ツールを見たこと、自社運営のデータセンターを見学したことで、さらに安心感が深まりました。」と、ソフラが展開するサービスに安心感を抱かれたとも話しています。

900本の新システムを1年強でリリース。作業時間も半日から1時間に大幅短縮

同社の新販売管理システムは、ソフラが設計から開発、本稼働まで一貫して自社で実施し、1年1ヶ月でリリースしました。プログラム総本数は900本にのぼる大規模なものです。

「当初は2年位と予想していましたが、わずか1年でリリースできたことに驚きました。自社ツールSOFLA AGでの高速開発ということもあるのでしょうが、ソフラの問題解決力の高さが抜群でした。ソフラの「このような方法はいかがですか?」という提案力にとても助けられました」と、山下機械様のシステム担当者。

仕入発注を担当する業務部では「多い時には1日2000件もある発注の効率が各段にあがりました。エクセルとSOFLA iを画面に並べて、作業はコピー&ペーストです。エラーも瞬時に表示されて分かり易く探し易いですね。旧システムで半日位かかっていたものが、わずか1時間位で完了します。」と、グリッドの有効活用で大幅に作業時間の短縮を実現しました。同様に、受注部門においても、商品の入力に品番かEDP No.の一部を入力するだけで候補がポップ表示される仕組みが組み込まれています。「たくさんの商品からどうすれば素早く該当品を特定できるか」の課題解決をソフラが実現しています。

オープン系のシステムではレスポンスが問題になることが多いと聞きますが、ソフラでは独自の開発手法でユーザーにストレスを感じさせないスピードを実現しており、山下機械様も快適に運用されているようです。

ソフラのインテグレーションには、多くの企業へのSI経験をヒントに、お客様のビジネスを最大限に活性化頂けるよう、工夫を凝らしたアイデアが盛り込まれています。

ソフラは、IBM iのシステム開発において多数の実績を持つソリューション・ベンダーです。企業にとって重要な基幹システムを、業務改善のコンサルティングから、企画・設計・開発・運用、そして納品後の保守サポートに至るまで、独立系SIerの立場からあらゆる業種、業態のお客様に提供しております。最先端のIT技術で基幹システムのDXを推進します。

複雑化するシステムをシンプルに構築できる開発ツール「SOFLA Ⅱi」

企業のシステムを構築・運用する上で課題となるのが、「頻繁にバージョンアップが繰り返されるWindows環境」です。バージョンアップのたびに発生するシステム修正や端末の入替え。これにかかるコストや時間は無駄でしかありません。SOFLA Ⅱiでは、SOFLA Ⅱiの開発手法である「3Tier Model」により、クライアント側のOS環境の違いは全てScreen Generatorが吸収しています。そのため、Windows OSのバージョンに依存しないシステム構築ができます。これにより、長く安定した企業の基幹システムの運用が可能になります。

また、SOFLA Ⅱiは、画面処理・通信処理・サーバー処理の3つの処理に分割(3Tier Model:特許登録済み)し、Thinクライアントシステムの開発を可能にしたミドルウェアです。複雑化するシステムをシンプルに構築し、パソコンライクなGUI・WEB画面のアプリケーションを開発することができます。 開発はRPG・COBOLで行いますので、現状のビジネスロジックを変更することはありません。画面処理と通信処理を独自のSOFLA Ⅱiサーバーモジュールで行うことで、オペレーション端末にThinクライアン トの動作環境を提供します。

SOFLA Brand Site公開中

《SOFLA Brand Site(ソフラブランドサイト)》では、SOFLAの魅力をより深く知っていただく事ができます。ぜひ、この機会にご覧ください。

  • 音声付き動画でよりわかりやすく解説
  • メンバー登録でSOFLAを無料体験”

SOFLAの操作性を動画で確認:SOFLA Brand Siteはこちら

現行システムのマイグレーションを検討されており、その開発手法やオープン化すべきかどうか懸念があるお客様は、ぜひお問い合わせください。システムの導入構築から実業務適応のプロセス、さらに導入後の運用フェーズにおけるご支援まで、プロジェクトをスムーズに進めるためにお客様をサポートします。

 

藤原 秀樹

藤原 秀樹

ソフラ株式会社
ソリューション開発本部
課長

橋川 征悟

日本アイ・ビー・エム株式会社
デジタルセールス事業部
アウトバウンドセールス事業 ビジネス開発営業部

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