オートメーション

プロセス全体を通じた分析機能を提供する、プロセス・マイニングのクラウド・サービスとは:IBM Process Mining as a Service

記事をシェアする:

企業における業務の自動化の重要性は、パンデミック以前に比べ、格段に高まっています。IBMが発行している「CEO Study 2021」によると、今後2-3年の間に、経営者が最も積極的に推進しようと考えていることは、アジャイルで柔軟なオペレーションです。また、経営者が取り組むべき課題として、ビジネス・プロセス管理は、数年前から常に上位に位置づけられています。

上述したアジャイルで柔軟なオペレーションの実現と、ビジネス・プロセスの管理による課題の解決に役立てるために、多くの企業は自動化に取り組んでいます。そして、自動化が効果を発揮するエリアの発見に寄与するのが、ビジネス・プロセスを自動的に検出、可視化、改善のポイントを発見する「プロセス・マイニング」です。

「プロセス・マイニング」とは?複数のサブ・プロセスを束ねる分析機能を提供する、プロセス・マイニングのためのクラウド・サービス

IBMは、プロセス・マイニングのためのクラウド・サービスである「IBM Process Mining as a Service」を、2022年4月19日に発表しました。

IBM Process Mining as a Serviceの最大の特長は、複数のサブ・プロセスを束ねて、1つのプロセスとして分析を行う「マルチレベル・プロセス・マイニング」と呼ばれる機能です。

例えば、「調達から支払い」のプロセスは、実際には「購入」「発注」「請求書発行」「支払い」などのサブ・プロセスが1つになってできています。一般的なプロセス・マイニングの場合は、「調達から支払い」全体のプロセスを通じた分析は困難であり、上に列挙したサブ・プロセス単位で分析します。

一方、IBM Process Mining as a Serviceの「マルチレベル・プロセス・マイニング」は、「購入」「発注」「請求書発行」「支払い」といった複数のサブ・プロセスを、1つのプロセスとして分析します。

「マルチレベル・プロセス・マイニング」を活用いただくことで、個別のプロセスの分析では見えなかった複数業務にまたがる「隠れたボトルネック」の検出や、自動化が最も効果を発揮するエリアの特定を、ビジネス・プロセス全体を通じて実現します。

IBM Process Mining as a Serviceの概要と提供形態

IBM Process Mining as a Serviceは、業務アプリケーションのログに記録されるプロセス、ケース、イベントに対し、特殊なデータ・マイニング・アルゴリズムを適用し、作業者が行った実際の作業をより深く理解します。そして、隠れたボトル・ネックを特定して、自動化によって最大のプロセス改善がもたらされる可能性のある場所を特定するのに役立ちます。

IBM Process Mining as a Serviceの主な特長は以下の通りです。
・プロセス・フローを自動的に検出し、プロセス・モデルを自動的に生成
・カスタマイズされた KPI を使用して、実用的な洞察を獲得
・根本原因の明確化
・将来のプロセスのシミュレート
30日間の無償トライアルもご提供しています。

SaaS版として提供されるIBM Process Mining as a Service以外に、オンプレミス版としてのIBM Process Miningも提供しています。オンプレミス版では、各種クラウド、コンテナ環境も含めて、お客様の環境に合わせて活用することが可能です。

IBM Process Miningは、業務自動化ソリューション群をパッケージ化した統合ソフトウェアであるIBM Cloud Pak ® for Business Automation(図1)の構成要素として提供されます。

(図1)

<関連リンク>
・IBM Process Mining
・IBM Process Mining 30日間無償トライアルリンク
・IBM Cloud Pak for Business Automation

IBM、ibm.com、IBM Cloud、IBM Cloud Pakは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml (US)をご覧ください。

執筆者
加藤 宏美
日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部 Data AI・オートメーション事業部
Strategy & Solution部

More オートメーション stories

職業人としての障がい者(雇用と生業づくり)と社会モデル | 8月5日イベント開催(PwDA+クロス8)

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

  2024年8月5日、日本IBMは虎ノ門本社のInnovation Studioにて、「職業人としての障がい者(雇用と生業づくり)と社会モデル」と題したイベントを開催します。 当記事では、イベント開催の背景や ...続きを読む


IBM テクニカルサポートへ資料を送付する方法について

IBM テクニカル・サポート

IBMテクニカルサポートでは、お客様からのお問合せを調査するために、お客様から資料をご提供していただく場合があります。 そこで今回は、資料をご提供いただく際の送付方法について紹介します。     &n ...続きを読む


データ分析者達の教訓 #19- ちゃぶ台返しを受けないため「最初に」現場と握っておく

Data Science and AI, SPSS Modeler ヒモトク, アナリティクス...

皆さんこんにちはIBM の斉藤です。IBM Data&AIでデータサイエンスTech Salesをしています。 このリレー連載ブログはSPSS Modelerの実際のユーザーで第一線で活躍するデータ分析者に、デー ...続きを読む